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2010年4月20日 (火)

フィギュア雑感6、というかプルシェンコ2

世選総括は、、、チマチマ書いていたのですが、もう良いや(ここ数ヶ月、怒り過ぎて、もういい加減くたびれました)。
来シーズンは、少しはルールをまともにして、スポーツとして観戦に耐えるようにして欲しいものです。


……なんでこんなにわーわーいっているかといいますと、やっぱり根底には「昔は良かった」ってのがあるんですよね。別にこれは年寄りの愚痴でも何でも無いと思うんですけど。

1990年代終わりから2000年代初頭はいわゆるヤグプル時代真っ盛りで、ヤグディンとプルシェンコという並外れたロシア人スケーター2人がしのぎを削っていた、男子シングル黄金期でありました。2人の強烈なライバル関係は神(ヤグディン)と宇宙人(プルシェンコ)の戦いだった、なんて形容する人もいるくらいで、今見ても、改めてそのレベルの高さに驚愕します。ヤグディンもプルシェンコも4回転のコンビネーション(4-3-3、4-3-2、4-3)を武器にしていて、ステップワークも素晴らしく、しかも、キャラクターや個性は違えど、いわゆる表現の面でも申し分のない選手でした。そして、才能ある選手が時代を引っ張れば、追いつけ追い越せとばかりに、他の選手のレベルも否応無く上がるのですよね。男子シングルで台乗りには4回転は必須という、本当に空中戦華やかなりし時代でした。


さて、一時代を築いたヤグプルの、直接対決のガチっぷりを手っ取り早く見られる動画を発見。
2000-2001のグランプリファイナルは、SP1回とフリーを2回やって最終順位を決める形式だったようですが、このスーパーファイナルと銘打った2回目のフリーは、ヤグプルの完全一騎打ちとなったのでした。美味しいといえばこれ以上ないくらいに美味しいカードですが、ここまでガチ過ぎるとなんだか空恐ろしいような……。

そうかー、この時はヤグディンが世界選手権3連覇中でしたか(3連覇ってのもすごい話ですが)。
打倒ヤグディンに燃えるプルシェンコの気迫が凄まじいです。
下手にさわったら怪我するんじゃってくらい、ビリビリしてるような。
……まぁ、プルシェンコのプログラム、音楽はちょっとどーかと思いますけどね(なんか微妙にお笑いテイストが……)。私はよく、フィギュアの音楽の編集はザク切りで酷いって話をしているのですが、これは曲間ワープに脈絡が無さ過ぎて、編集の良し悪しを云々する以前の問題で、思わず「なんだコレ、、、」といいたくなるような選曲です。
プルシェンコって、どんな曲であっても“踊って”しまえるし(見得の切り方はなんかは本当に天才的)、個性と華があって、あとはやっぱりジャンプを筆頭に有無をいわさぬ技術があるので、まぁ良いかって気にさせられてしまうんですが。何しろ、冒頭の4-3-2が4-3になったからって、おそらくは単独の予定だった次の4回転を変更して、4-3-2を跳び直しちゃうんですから、開いた口が塞がりません(フリーで4回転のコンボ2回って、他に見たことも聞いたことの無いんですが、私)。

まぁ、プログラム自体は、色んな意味で、ヤグディンのグラディエーターの圧勝だと思います(これって、モロゾフ振付なんですね)。
ヤグディンって、重厚で雄々しくて、演劇的なプログラムが本当に似合いますね。
「帝王」って呼ばれるのがよく分かる、素晴らしい風格と存在感。
ジャンプのお手つきが無かったら、4回転からの3連続ジャンプは無くてもヤグディンが勝ってたかもなぁ。
壁際ギリギリだったけど、4-3はちゃんと跳んだし、3A-3も綺麗に降りているし。


……。


……今や、こんな氷上格闘技みたいな、骨と骨とがぶつかり合うような名勝負は望むべくもなく。
10年間で、一体何をどうすると、バンクーバーみたいなことになってしまうんでしょうね。。。

と、なんだかテンションが下がってしまったので、景気付けとして(?)同じ年のグランプリファイナルの、プルシェンコのSPもあげておきます。

わはは、ボレロだ。
ロクに前振りも無く、冒頭からいきなりテンションMAX過ぎて笑えるんですが、キレッキレ、バチバチのままラストまで全力疾走なのは、さすが若さのなせるワザ。
感心したのは、無茶苦茶に踊り狂ってるように見えて、その実、音は一個一個完璧に聴いてて、細かい動きの一つ一つまできっちり合わせているところ。
この人って調子が良い時は、ジャンプの着氷までびったり音に合うんですが、ステップからの3Lz(2分10秒)なんかも見事ですね。
しかし、こんなん超有名曲であっても、曲に負けず、完全に手の内に入れてしまえるのは、やはり非凡な才能だよなぁって思います。
若干変態風味が漂いますが(おい)、目が覚めるような名演技ではないかと思いますですよ。


あ、ちなみに、このすぐ後の世界選手権も初制覇したプルシェンコ、エキシにて、いまや伝説と化した(というか後に持ち芸となった)Sex Bombデビューを果たしてます。

(前も紹介したけど)

このSex Bomb、シーズン中はあえて出さずにいて、晴れて世界チャンピオンになった時のために大事にとっておいたんだとか。
今年こそは悲願の世界チャンピオンになれるか?!(この時ヤグディンが3連覇中)という、プレッシャーが甚大にかかるであろう局面で、肉襦袢をカバンにつめて競技会入りする18歳、、、何とも大物過ぎます。
そういうところがやっぱり宇宙人の宇宙人たる所以なのかも。

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