« 2010年4月 | トップページ | 2010年6月 »

2010年5月

2010年5月31日 (月)

クリスチャン・ツィメルマン ピアノ・リサイタル 2010年 日本公演 愛知県芸術劇場コンサートホール

ちょうど、名古屋(28日)→倉敷(29日)→兵庫(30日)と、怒涛の三連チャンが終わったところですね。
ツィメルマンさん含め、皆様、お疲れ様でした。

私は3日連続はさすがにお付き合いできませんで、名古屋のみ行って参りました。

2010年5月28日(金)18:45開演 愛知県芸術劇場コンサートホール
プログラム
ショパン:ノクターン第5番 嬰ヘ長調 Op.15-2
ショパン:ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 Op.35 「葬送」 
ショパン:スケルツォ第2番 変ロ短調 Op.31
休憩
ショパン:ピアノ・ソナタ 第3番 ロ短調 Op.58 
ショパン:舟歌 嬰ヘ長調 Op.60

アンコール無し。

今回は2階席サイドの、珍しく手が見える左側の席を取りました(というか選択肢があまりなかっただけなんですが)。このホールの2階席サイドというのは、1階席の脇のところが階段状に高くなっている感じの席で、舞台にも比較的近いです。私はこの手の席が好物なので、満足満足。

舞台にはマイクスタンド(マイク2個)が仁王立ち。ツィメルマンさんの記録用マイマイクだそうで、ここ数公演は同じ状態のようですね。


さてさて、この日のツィメルマンさんは、大層調子が良さそうで、一体どうしたの?ってくらいにノリノリでした。札幌公演からちょっとお休みがあって、リフレッシュされたんでしょうか。

ピアノの音もすこぶる良好。ノクターンの時はややソフトフォーカスというか、ちょっとベールがかかった、しっとりした音が印象に残りましたが(単にウナコルダのせいかも?)、2曲目からはお花が開いたように全開モード。ツィメルマン&スタインウェイらしい、とても旨みのある良い音で鳴っていたと思います。

それにしても、この日は良かったー。全体的に元気が良くてエネルギッシュで、よこすかよりもさらに良かったんじゃないかしらん。

ソナタの2番、第1楽章の速いこと速いこと。あれだけ速いと、結構「ちょ、だ、大丈夫か?」と思ってしまうものなんですが、この日は有無をいわさぬノリの良さがありまして、一つ一つの音に命が宿って、音楽がぶわぁっと中空に立ち上がってダンスを踊っているような、そんな感じに聴こえました。

たまにあるんですよね、こういうこと。

あんなドシリアスな曲なのに、聴いてるうちに猛烈な幸福感が押し寄せてきてしまって、なんだか顔が緩みっぱなしになってしまいました。びわ湖なんかは、ツィメルマンも一部必死モード入ってて、一生懸命くらいついている感が無きにしもあらずでしたが、この日は盛大に鼻歌交じりのご機嫌さんだったのではないかと。といっても、余裕綽々というほどには安全運転ではなくて、アドレナリンがいっぱい出てて、攻め攻めの流れに上手くのった感じでしょうか。

こうなってくると、バッチバチに生きの良い第1楽章第2楽章と、後半の第3楽章第4楽章のコントラストが、なかなかえらいことになってくるのですよね。葬送行進曲は10分超えで、遅さが際立ちます。でも、一瞬たりとも緊張感や音楽が切れることがなくて、第4楽章への流れも素晴らしかった~。この4楽章、一体どこの音を強調してあんなに複雑なメロディを生み出しているのか、楽譜を片手に繰り返し聴きたくなりますね。

スケルツォはまるで打ち上げ花火の如くで、ドッカンドッカンかつノリノリでした。あまりの豪腕ハンサムぶりに笑いがこみ上げてきてしまい、スケ2を聴きながら肩を震わす、超怪しい人になってしまいましたよ。後半は、なんだか重火器を思わせるような演奏で、目の前で花火の暴発か何かを見ているような気分でございました。。。たーまやー。

ソナタの3番は、まさに説得力の塊。一つ一つの音、フレーズフレーズに長年の吟味のあとがうかがわれ、それでいて近視眼的にならずナチュラル。個々の細部がそれぞれキラキラ輝くと同時に、全体の構造に対して、完璧に奉仕していますね。こんなん弾かれたら、もうグウの音も出ませんとも。

ノリの良さも相変わらずで、弾けて弾けてしょうがない感もあり、スケ2に引き続き「凄すぎて笑える」アワー突入。いやむしろ「幸せすぎて笑いが止まらない」か、どっちだったろう。どっちにせよ、私はもう本当にニヤニヤしっぱなしで、超怪しい(以下略)。

いやー、それにしても3番って良い曲だわ。感動。

普通に弾いても名曲ですが、何しろ弾き手が普通じゃありませんからね。自分を磨いて磨いて磨き続けて辿り着いた玲瓏の境地、とでもいえば良いのでしょうか。曇りの無い、そして強靭な心ばえの持ち主だけが到達する「ここではないどこか」を見せていただいたように思います。

鬼気迫る、死の淵を覗き込むような2番。
凛として明朗な、前向きな3番。
ある意味、非常に対照的だけど、どっちもツィメルマンなんだよなー。
うんうん(一人で納得)。

あ、舟歌も良かったです(なんだこのついでみたいな言い方は)。
いや、本当に明るくて美しくて、健康的だよなーと。
お天気の良い日に、ヴェネツィアの運河をゴンドラでどんぶらこどんぶらこ進んで、大海原に出ましたー、あー太陽が眩しい!!って感じかな。
ツィメルマンさん、今回は、皆をハッピーな気持ちにしてお家に帰してくれますね。

カーテンコールでは投げキスもしてくれて、さらなるハッピーを振りまいて去っていかれました。


それにしても、名古屋のお客さんは、全体的に拍手が早かったなぁ。フライングが多過ぎ。ノクターンからソナタ2番に入る時も、お、拍手無しで行けるかな?って思ったら、拍手が起きちゃったし。ツィメルマンは多分、そのまま入るつもりだったと思うんだけど。楽章間のセキの大合唱もそうですが、奏者の集中をあえて切るようなことはよろしくないと私は思いまする。


今週はいよいよサントリーですね。
3日は行けないので、皆様レポよろしく~(他力本願)。

| | コメント (14) | トラックバック (0)

2010年5月23日 (日)

クリスチャン・ツィメルマン ピアノ・リサイタル 2010年 日本公演 びわ湖ホール

今日は盛岡でしたね。
皆様ご報告よろしく~。

さて、びわ湖の感想をば。

2010年5月16日(日)17:00開演 びわ湖ホール大ホール
プログラム
ショパン:ノクターン第5番 嬰ヘ長調 Op.15-2
ショパン:ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 Op.35 「葬送」 
ショパン:スケルツォ第2番 変ロ短調 Op.31
休憩
ショパン:ピアノ・ソナタ 第3番 ロ短調 Op.58 
ショパン:舟歌 嬰ヘ長調 Op.60

アンコール無し。


一応ですね、私の中では、京都に用事があったついでにびわ湖に立ち寄った、ということになっております。
そういうことにしておいて下さい。

びわ湖については、既にコメント欖でいろいろお話させていただいてますし、もう良いかな、なんて気持ちもあったりなかったりするんですが。
というよりも、この日はいろいろ条件がアレで、100%堪能!!というわけには行かなかったんですよね。
まぁ、弾く方も聴く方もナマモノ(イキモノ)ですから、そりゃーいろいろありますとも。

条件その1: 2日前(よこすか前夜)に超寝不足をやらかし、しかも移動中に一睡もできなかったのが災いして、かなり意識が低空飛行(一種の時差ぼけ状態)。
条件その2: 座った場所が、今までで一番悪いかも?という位置。ダメかもなぁって思って座ったら、本当にダメでした。まぁ、こういうことって、実際に痛い目を見て学習していくものなので、今回は勉強、ということで。
条件その3: 視界の隅で終始ゴソゴソする子供が約1名。
条件その4: なんだかピアノの音がこもってたぞ。特に中音域。まぁ、これは座った場所のせいもあったかもしれませんが。
条件その5: 前日のよこすかが神すぎた。

体調管理については、反省。
コンサート前はちゃんと寝ましょう。


まぁ、お顔は結構ちゃんと見えたから良いや。←……。

あ、そういえば、痩せたとか書いたけど、本当に痩せたのか、ちょっと自信が無くなってきました。特にお腹(ボソ)。まぁでも、結構前も太い時はあったしね!(必死のフォロー、、、になってないような)。


えーと、前半はスケルツォが良かったように思います。
(誤差の範囲内ですが)微妙に余裕が無さ気というか、ちょっと切羽詰ってる風に聴こえて、それが良かったというか。
あ、切羽詰った、じゃなくて、切迫感、とか書けば良いのだな、きっと。

ソナタの2番は、ここまで集中を欠いたことってあったか?(私が、ですよ)ってくらいの勢いで、淡々と聴いてしまいまして、自分でもその淡々ぶりにびっくらしちゃったー。
ピアノの腹からの音と、蓋からの音が、妙にねじれて聴こえてきて、気持ち悪かったってのもありますが。
すみません、この時、頭に霞がかかってまして。。。

さすがに葬送行進曲では、ボケボケ脳みそも覚醒しましたが。
葬送行進曲は、中間部が終わってからの、レーファーソラーシドーレファーミーの2回目のところの音楽の立ち上がり方、というんでしょうか、響きが本当に素晴らしいですね。
ここ、楽譜はフォルテからのクレッシェンドで、その後もフォルテで弾く演奏が多いのではないかと思うのですが、ツィメルマンさんは、ここでデクレッシェンドしてます。
ものすごく三次元的で、まるで魔法のようです。


後半になると、なぜか音の篭りがすっきり。


3番は結構テンパリ風味だったかしらん。(前日比)
実は内心、だ、大丈夫か?!とドキドキしておりました。
4楽章はちょっと胃にきました……。
瓦解することはないでしょうけれど、何やら崖から落っこちそうなイメージ映像。
まぁ、3番は、安定感抜群って感じに弾いてはいけない曲のような気もしますけどね。


舟歌は、次のコンサートまでにもうちょっと勉強しようっと(実は今ツアーで一番しっくりきていないのが、この舟歌だったりするので)。


今回は関西支部の皆さまにお目にかかることができ、とっても楽しい時間を過ごさせていただきました。
お久しぶりの方も、初めましての方も、本当にありがとうございました。
直前まで行くか行かないかわからなくて、いろいろゴタゴタして失礼いたしました。

引き続きお会いできそうな方は、またよろしくお願いいたします。

| | コメント (25) | トラックバック (0)

2010年5月17日 (月)

クリスチャン・ツィメルマン ピアノ・リサイタル 2010年 日本公演 よこすか芸術劇場

クリスチャン・ツィメルマン ピアノ・リサイタル 2010年 日本公演 よこすか芸術劇場

プログラム
ショパン:ノクターン第5番 嬰ヘ長調 Op.15-2
ショパン:ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 Op.35 「葬送」 
ショパン:スケルツォ第2番 変ロ短調 Op.31
休憩
ショパン:ピアノ・ソナタ 第3番 ロ短調 Op.58 
ショパン:舟歌 嬰ヘ長調 Op.60

アンコール無し。


武蔵野に引き続き、2公演目の横須賀に行ってきました。
武蔵野ではピアノ直下でしたが、この日はもう少し距離があったので(それでも近かったけど)、少し客観的に聴けたような気がします。

ノクターンop.15-2は、今回のプログラム中、いわゆる技術的な聴かせ所が一番少ない曲ですが、いやぁ、本当に上手いなぁと。
装飾音ひとつとっても、あんなに豊かかつ微妙なニュアンスが出せるものなんですね。
半音階下降のところの、入りのタイミングやキュッとスピードをあげるところとか(しかもウナコルダふんでるんじゃなかろうか)、本当に心憎いです。
月光よりはもう少し明るい光が、刻々と表情を変えていくような繊細さと、凛としたたたずまいを感じさせる演奏。
とにかく絶品です。


そしてソナタ2番。きたきたきた、超名演、きました!

本当にぶっちゃけちゃいますが、私は2006年にソナタの2番を聴いた時に、これを超える2番はもう一生聴けないだろうって思ったのですよね。
なので、今回、2番については感動できなかったらどうしよう、、、という懸念も無いわけでは無かったし、実際、武蔵野では「やりたいことはわかるような気がするけど、私はやっぱり2006年の方が好きだなぁ」とチラと思ってしまった。
この辺は演奏の良し悪しというよりは、思い入れの問題なんだと思うのですが。

そんなこんなで横須賀2公演目。
武蔵野は初日のせいか、ミスも多く、なんとなく弾きにくいのかな?と思わせる部分があったりしたのですが、この日はいろいろな歯車が上手くバチっとかみ合ったような印象で、非常に完成度の高い演奏でした。
ピアノの音、高音部の響きなんかも前回よりも良いように感じました。

いやー、本当に泣くかと思った。。。
2006年の2番再び、ということではなくて、2010年バージョンの2番に感動を新たにした、という感じ。
2006年の演奏は非常に鋭利な印象を受けたのですが、今回はより骨太な演奏といえるでしょうか。
まずは、1楽章の疾走感と、重量感溢れる表現が圧倒的。
葬送行進曲の荘厳で重々しい空気感は、まるで「死」そのものを目の前にしているかのようであるし、中間部の天国的な、在りし日のことを思い出して祈りを捧げるような演奏との対比には、もう言葉を失わんばかり、でした。
3楽章の最後はだんだんデクレッシェンドしていくのですが、ここも本当に見事で、葬列が去っていく情景が見えるようでした。
4楽章は葬列が去った後の、無人の墓場に風が吹き荒れる、という感じで、これまた映像が浮かびました。
3番はともかく、2番をここまで有無を言わせぬ説得力を持って弾き切るというのはものすごいことではないかと思うのですよね。。。

スケルツォ2番は、体育会系パワーと、ある程度の技術があれば「聴かせる」ことができてしまう曲だと思うのですが、ツィメルマンの演奏は、男性的なパワー、重厚さ、疾走するスピード感に加え、細かいタッチやフレージング、アーティキュレーションにいたるまでとことん考え抜かれていて、目からうろこがボロボロ落ちましたー。
しかも、その練り上げの部分が全然恣意的に響かないのが凄いところではないかと。
とかなんとか冷静に書いておりますが、後半の大爆発にただただ圧倒された、というのが正直なところだったりします。。。


ここで前半が終了し、この段階で今日はものすごいコンサートになるのではないかという予感がビシバシとしたのですよね。
2公演目にして、今回のツアーのベストを聴いちゃうことになったら、どうしてくれよう、、、みたいな。


後半の3番。
3番の完成形、というよりも、なんだかピアノという楽器の域を超えているような印象すら受けました。
ピアノの粋を極めたような演奏を聴きながら、ついつい、「表現したいこと、ピアノで足りてる?足りてる?ああ~、指揮に行かないでくれ~」などと思ってしまった。。。
1楽章だけでもお腹いっぱいになるくらい、充実した演奏です。
2楽章のスケルツォらしい軽やかさも良い。
そして、なんといっても、3楽章がすばらしかったです。
緊張感が途切れることなく、甘くもなり過ぎず、それでいてどこか夢幻的で。
瞑想的で、遠い日々を懐かしむような、美しい歌。
わずかに諦念のようなものも感じさせるのが、なんというか、大人のショパンであるよなぁと。
最終楽章は、勇壮かつ情熱的で、最後まで推進力を失わない見事なフィナーレでありました。


なんかもう、これで終わりでも良いやって気分もあったりして、「舟歌」をオマケ的に聴いてしまったバチあたりな私。。。

それにしても、ショパンのソナタ2曲、いずれも名曲中の名曲ですが、その内容をここまで余すところなく伝えきるには、一体どれだけの練習と勉強、そして音楽以外の経験が必要なんでしょうか。
演奏とは人となりである、そして演奏家の人生そのものを映し出す鏡でもある、ということをつくづくと思い知らされたコンサートでありました。


| | コメント (12) | トラックバック (0)

2010年5月15日 (土)

クリスチャン・ツィメルマン ピアノ・リサイタル 2010年 日本公演 武蔵野文化会館

2010年5月13日(木)19:00開演 武蔵野市民文化会館

プログラム
ショパン:ノクターン第5番 嬰ヘ長調 Op.15-2
ショパン:ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 Op.35 「葬送」 
ショパン:スケルツォ第2番 変ロ短調 Op.31
休憩
ショパン:ピアノ・ソナタ 第3番 ロ短調 Op.58 
ショパン:舟歌 嬰ヘ長調 Op.60

本日、ツアー初日でございました。
まだ聴いてない方ばかりと思いますので、簡単に。

えーと、少し痩せたのではないかと思います。
髪もお髭もやや長めで、相変わらず笑顔が素敵ー。
にこやかでしたよ。

それから椅子が新バージョン。
座る面に少し傾斜が付いてて、座ると前に体重がかかるような感じでしょうか。


さて、演奏の方ですが、20年前の録音やDVDと違うっていうのは当たり前といえば当たり前なんですが、2006年のツアーのソナタ2番、2008年の軽井沢のソナタ3番とも、大分印象が異なりました。

ある意味、壊れてきてるというか、、、端正さを放棄しつつあるように感じられました。
これは必ずしもネガティヴなニュアンスではありません。
演奏において何を優先させるか、ということではないかと思うのですよね。
去年、シマノフスキや32番を聴いてても思ったことなので、以前と少し方向性が変わってきているということなのかもしれません。

ノクターンはひたすらに美しい。
これ以上いうことがありません。
いや、本当に嫌味でもなんでもなく。
ぼーっとうっとりしてたら、あっという間に終わっちゃった。

ソナタ2番。
1楽章のラストの盛り上がりの凄まじいこと!先月末のウィーンのコンサートでは、楽章間で拍手が起きてしまったそうですが、ええ、拍手したくなる気持ちは分かります、ってくらいの、圧巻のクライマックスでした。
あと、やはり葬送行進曲が聴き所でしょうか。
個人的には、ツィメルマンって、当代きっての葬送行進曲弾きではないかと思います。
病的にはならないけれど、深く、重い。
4楽章は、旋律が意外なほどに明瞭に聴こえてきまして、なかなかメロディアスな印象でした。
ふーむ、こういう曲だったか。。。

前半の〆はスケルツォ2番で、確かにソナタ2番の4楽章でしめるより、すわりが良い印象でした。
DVDの演奏はかなり四角四面でシリアスなスケルツォですが(あれはあれで大変にカッコいい)、今回はなんだか角が取れたような感じ。
ちょこっとユーモアや飄々とした雰囲気が垣間見えて、なんだか生(ナマ)な感じもあって。
ダイナミックでパワフルで、後半からラストにかけての怒涛の盛り上げが、大変見事でした。

ソナタの3番については、JAのブログに「……ポリーニ?」って感じのキャッチコピーがついてますけど、はい、確かに文句無いです。まさに王道。
というかですね、実は私、先の5月5日にポゴレリチのリサイタル(@トータル3時間)に行ったのですが、そこで演奏されたショパンのソナタ3番が、(予想通りではありますが)とにかく激遅の異形のショパンで、客席はまさに死屍累々、みたいな状態だったのですよね。。。
その時のダメージがまだ若干尾を引いていたのですが、ツィメルマンの3番の王道っぷりに、トラウマが癒されるような感もあり、そういう意味では大変心地よかったです。
実際には、癒し系とかそういう生易しい演奏では全くなかったと思うのですが。
演奏家がその曲にかけてきた年月の重み、というだけではなくて、まさに人一人の人生の有り様を見ているような気にさせる、渾身の演奏でありました。
弾き終わったツィメルマン、ちょっとおどけた風に「ふう、疲れた」って仕草をしてたのがおかしかったですが、あれはかなり本音だったんじゃないでしょうかね。
舟歌も、美しいながらもかなりスケールの大きさを感じさせる演奏でしたが、うーん、やっぱり3番がラストの方がバランスが良いように思いました。


アンコールはなし。
まぁ、あれだけ弾けば、お疲れでしょうしね。
今回のプログラムも、一貫してアンコールなしではないかと予想しています(わかんないけど)。

| | コメント (18) | トラックバック (0)

2010年5月11日 (火)

CD散在録

B000009KL3Franz Liszt: Après une lecture du Dante; Consolation No. 3; Schubert Transcriptions
Franz Liszt
Connoisseur Society 1995-12-01

by G-Tools
2,010円(アマゾンマーケットプレイス)。

去年のCD買いすぎを反省し、今年はちょっと買い控えてみようと思ったところ、約4ヶ月、禁CD買いに成功。意外と買わないで過ごせるものだなー(って、それは積CDが山ほどあるからだってば……)。
さてさて、今年の一発目となったのは、個人的大プッシュピアニスト・Antonio Barbosa(アントニオ・バルボーザ) のリスト。この人のCDは結構レアアイテムではないかと思うので、見つけた時に買うのが吉だと思います。
内容は、リストのダンテソナタと、コンソレーション3番、それからシューベルトの歌曲(リスト編)より、「ます」、「魔王」、「水上で歌う」、「きみは我が憩い」、「きけ、きけ、ひばり」、「いずこへ」、「野ばら」、「糸を紡ぐグレートヒェン」、「アヴェ・マリア」。

ダンテソナタは技巧も鮮やか&華やかで大変カッコいいし、コンソレーションもひたすら流麗で、思わずドキドキするほど甘美です。
そして、シューベルトみたいな、技巧で魅せるタイプではない、やや規模の小さい曲も非常に良いです。
本当に美しい「歌」の数々でございますよ。
随所に、聞き手をハッとさせるものがあるのですよね(要するにセンスある演奏ということになろうかと思いますが)。


ショパンのワルツだのスケルツォだのの音源はYouなんとかtubeにありますので、ご興味のある方はどうぞ。
ショパンのバラードとか、P協とか、どっかに音源ないかなぁ(放送音源とか探したらありそうなものですが)。
ショパンP協の2番とか、想像しただけでよだれ、じゃなくて、えーと、トリップできそうな予感がビシバシするんですけどね。

2010年合計:2,010円。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年5月10日 (月)

ツィメルマン予習用DVD

B001EB5AA4ツィマーマン・プレイズ・ショパン&シューべルト [DVD]
ツィマーマン(クリスティアン)
ユニバーサル ミュージック クラシック 2008-10-22

by G-Tools

今回のショパンプロの内、ソナタ2曲以外の、スケルツォop.31(2番)とノクターンop.15-2、舟歌op.60、Bプロのバラ4がこちらに入ってます(要するに、人前で弾けるショパンのレパートリーって、このDVD分くらいしか無い、ってことのような気がしてしょうがない……)。
舟歌、バラ4はCDがありますが、スケルツォとノクターンについてはこの映像だけなので、予習はこちらでどうぞ。
ただ、1987年収録で、かなり昔の演奏なので、果たして予習になり得るか分かりませんが。

スケルツォは、あれ、こんなにウナコルダいっぱい使ってるんだったっけ。。。ウナコルダ踏んだところからクレッシェンドしていく部分がありますが、まるで霧が晴れていくようです。会場ではどういう響きになるのかな。
op.15-2に舟歌、久々に聴いてみましたが、ピアノの音というのはここまで美しく鳴るものか、そしてこんなに透徹した世界を描けるものか、と改めて感心。
当然ですが、バラ4も本当に素晴らしいです。
ショパンも色んな演奏がありますけど、この人の演奏はやっぱり別格です。
なんかね、人生について考えさせる演奏なんですよね。。。(しかし、ツィメルマンって人は、こういう演奏を30歳そこそこで成し遂げてしまっていたんですから、なんだか本当に嫌になってくる)
私もこのところ、散々浮気してますけど、懺悔して初心にかえろうかと思います。

CDとDVDの録音状態の違いのせいかもしれませんが、私はCDよりもDVDの方が人間的な気がして好きです。演奏の精度自体はCDの方が高いかもしれませんけどね。

ちなみに私が持ってるDVDは輸入盤のNTSC&リージョン0です。
インタビューや特典等が入っているわけではないので、輸入盤で不都合はないのではないかと思います。


今更ですが、CDはこちら↓。天下の名盤。

B001RVITEAショパン:4つのバラード、幻想曲、舟歌
ツィマーマン(クリスティアン)
ユニバーサルクラシック 2009-04-29

by G-Tools


| | コメント (2) | トラックバック (0)

ツィメルマン2010年日本公演、今週スタート

先週、無事来日されたそうで(JATwitter情報)、いよいよ、今週からツアーが始まります。

5月13日(木)19:00 武蔵野市民文化会館 武蔵野文化事業団 0422-54-2011 HP ※Aプロ
5月15日(土)17:00 よこすか芸術劇場 同左 046-823-9999 HP ※Aプロ
5月16日(日)17:00 びわ湖ホール びわ湖ホールチケットセンター 077-523-7136 HP ※Aプロ
5月21日(金)19:00 ホクト文化ホール オフィス・マユ 0262-26-1001 HP ※Aプロ
5月22日(土)17:00 盛岡市民文化ホール 同左 019-621-5100 HP ※Aプロ
5月24日(月)19:00 札幌コンサートホールKITARA オフィス・ワン 011-612-8696 HP ※Aプロ
5月28日(金)18:45 愛知県芸術劇場 CBCイベント事業部 052-241-8118 HP ※Aプロ
5月29日(土)19:00 倉敷市民会館 くらしきコンサート 086-422-2140 HP ※Aプロ
5月30日(日)17:00 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール 芸術文化センターチケットオフィス 0798-68-0255 HP ※Aプロ
6月3日(木)19:00 サントリーホール ジャパン・アーツぴあ 03-5237-7711 HP ※Aプロ
6月5日(土)18:00 サントリーホール ジャパン・アーツぴあ 03-5237-7711 HP ※Aプロ
6月6日(日)17:00 新潟市民芸術文化会館(りゅーとぴあ) りゅーとぴあチケット専用ダイヤル 025-224-5521 HP ※Bプロ
6月10日(木)19:00 サントリーホール ジャパン・アーツぴあ 03-5237-7711 HP ※Bプロ
6月11日(金)19:00 横浜みなとみらいホール 神奈川芸術協会 045-453-5080 HP HP ※Bプロ
6月12日(土)17:00 所沢ミューズ ミューズチケットカウンター 04-2998-7777 HP ※Aプロ


・Program A
ショパン:ノクターン第5番 嬰ヘ長調 Op.15-2
ショパン:ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 Op.35 「葬送」 
ショパン:スケルツォ第2番 変ロ短調 Op.31
ショパン:ピアノ・ソナタ 第3番 ロ短調 Op.58 
ショパン:舟歌 嬰ヘ長調 Op.60

・Program B
ショパン:ノクターン第5番 嬰ヘ長調 Op.15-2
ショパン:ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 Op.35 「葬送」 
ショパン:スケルツォ第2番 変ロ短調 Op.31
ショパン:ピアノ・ソナタ 第3番 ロ短調 Op.58 
ショパン:バラード第4番 ヘ短調 Op.52


東京公演プログラム3種類は無理だったようですね。まぁ、予想通りといえば予想通りですが。

私は今週は武蔵野と横須賀へ行ってきます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2010年4月 | トップページ | 2010年6月 »