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2010年6月20日 (日)

クリスチャン・ツィメルマン ピアノ・リサイタル 2010年 日本公演 所沢市民文化センターミューズ アークホール

2010年6月12日(土)17:00開演 所沢市民文化センターミューズ アークホール
プログラム
ショパン:ノクターン第5番 嬰ヘ長調 Op.15-2
ショパン:ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 Op.35 「葬送」 
ショパン:スケルツォ第2番 変ロ短調 Op.31
休憩
ショパン:ピアノ・ソナタ 第3番 ロ短調 Op.58 
ショパン:舟歌 嬰ヘ長調 Op.60

アンコール無し。


1週間以上もブログ放置で面目ございません。。。
所沢から帰ってきたら、どっと疲れが出たというか、それまでのハイテンションの反動もあって、しばらく生ける屍状態でした(仕事はしてましたが……←当たり前)。


所沢はかなり前方の席でした。
近いとやっぱり視覚的に楽しいな~と思った最終日。

泣いても笑ってもこれで最後、と思ったせいか、ノクターンで既に感無量状態に入ってしまいました。しみじみしていて、それでいてエモーショナルなところもあって、一音一音、五臓六腑にしみわたりました~。ああ幸せ。

続くソナタ2番もスケルツォも素晴らしくて、この日は前半、鬼のように高いレベルでクオリティがそろった感じ。ソナタとスケルツォが両方文句無しっていうのは、今回、結構珍しかったかも?
あ、そういえば、ってこれは別に文句でも何でもないんですが、2番の2楽章の何でもないところで音がすっぽ抜けたか鳴り損ねたかしたところがあって、ツィメルマンが「え、うそ?!」って感じにピアノの中をのぞきこんでいたのが、なんだかとっても可愛かったです。「今のはピアノのせいではなかろ…?」と突っ込み入れつつ、「分かり易いなー、このヒト」とニンマリしてしまいました。まぁ基本的に、喜怒哀楽の分かり易いヒトなんだろうとは思いますけどね。

3番は、前日のみなとみらいが神過ぎたので、えーとその、いや、すごく良かったんですけどね。初めて聴いたら、文句なんか一つも出ないでしょう、という演奏ではありましたが、さすがに、3日連続で神様を下ろすのは無理だったかな、という感じ。当然か。
本当に口、じゃなくて耳が奢ってしまって、、、なんだか申し訳ないような。

舟歌は、今ツアーで聴いた中で一番良かったです。
最後の最後で、正解が来た!って思いました(やっとかよ……)。
それまではほとんど無かったのですが、この日はキラキラと明るい中にも、一瞬、寂寥感みたいなものが感じられて、それがツボに入ったのですよね。
これも最終日効果でしょうか。

終演時は、かなりのスタンディングオベーションで(私も立ったー)、ツィメルマンも感無量という表情で、感動のフィナーレでございました。


ツィメルマンさん、本当にお疲れ様でした。
一晩にショパンのソナタ2曲というのは、体力的にも大変だったのではないかと思います。
ツアーが終わったら(えーと、今どこにいるんだっけ……。そろそろ香港?)、どうかゆっくりお休みください。

気が早いですが、次のリサイタルは、一体どんなプログラムになるのでしょうね。
サバティカルの間にじっくり熟成させて、きっとまた素晴らしい演奏を聴かせてくださることでしょう。
気長にお待ちしますので、といってもなるべく早く、また日本に来てくださいませ。

……って、秋にはハーゲンがありますね。
先日やっとサントリーのチケットを取りまして、なんとか気持ちがそちらに向いてきた感じです。
予習しようっと。

それにしても、今ツアーは、私もよく頑張ったなー。
しばらくリサイタルは聴けないと思ったら、遠征に歯止めがきかなんだ……。
おかげであれこれ調整しまくる日々でしたが、これだけ方々に行きまくっても、有給は1日分しか使っていないという奇跡。
まぁ、ツィメルマンの時って割といつもそうなんですけど、音楽の神様が微笑んでくれたかな、という感じです。

今ツアー中、初めてお会いできた方も何人かいらっしゃったし、久しぶりにお会いできた方もいらして、とても楽しかったです。
ツィメルマンさんを通じて人の輪が広がるようで、なんだか本当に嬉しいですね。

皆様、今後ともよろしくお願いいたします。

来年?
えーと、来年はとりあえず、アンデルさんの会場でお会いしましょう(いやまだ来るって決まったわけではありませんが)。

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Pianist: Krystian Zimerman」カテゴリの記事

コメント

はじめまして。ツィメルマンさんの名前で検索してて、こちらにたどりつきまして、
とってもとっても参考になる記事を読ませていただいたので、思わずコメントさせていただきます。

私は香港在住でして、今夜、ツィメルマンさんのコンサートです。ラッキーにも1列目が取れたので、
こんなこと、あとにもさきにもないだろうと、今日は朝から全然仕事も手につかず、
日本公演の感想などをネットでずっと読みあさってます(あ、仕事もしてます、、、汗)

ソナタ3番、私も神のおりた演奏に出会えたらいいなぁ。。。
(でも、演奏家さんって、大変ですよね。今日はよかった、昨日はだめだっただの、
やいのやいの言われて、笑)

それでは、失礼いたします。

こちらのブログを読ませていただいたおかげで、
今夜の聞きどころが増えて、楽しみが増えました。ありがとうございます。

投稿: | 2010年6月23日 (水) 14:29

青猫さん、こんばんは~。
なんだか、ぽっかりとあいた空洞を埋めることなく、
もはやその空虚をいつくしみ楽しんでいる毎日です。
今回、全部Pブロックで聞きましたが、ピアノの場合は、
意外と悪くないですー。左の顔だけずっと見ていたような。(笑)
あ、Pだったので青猫さんを発見できました。うふふ。(^_-)
秋のハーゲンS.Q.との演奏は、是非、NHKに収録してほしいですよね。

投稿: Melody | 2010年6月23日 (水) 21:08

青猫さんこんばんは。ほんとにがんばっていろんなところにいらっしゃったのですね。私も地方からはるばる遠征がんばりました。初めての所沢にも行きました。みなとみらいの次の日も演奏が聴けるなんて、ほんとに幸せでした。  思えば、怒濤の1か月でしたね~。何だか、今は、ためいきが。ああ、もどりたいな~。 それにしても、青猫さんがうらやましいです。完全燃焼されたのですね。私はといえば、ミューズのホールでは、ちょっと遠くて、しっかり目をこらして演奏を聴いていました。演奏はよかったのですが、前の人が頭を揺らして、しかも、頭に大きな白いバレッタ。半分目隠ししながら、視界に入らないようにして聴いていたので、つらかったです。今ひとつ集中しきれなくて。
私も、気をつけなくてはと思いました。人のふり見て・・・ですね。
でも、舟歌で、途中なんだかたっぷりの間があって、ツィメさまが、まるで最終日の演奏のひとつひとつを惜しみながら味わうように弾かれているように感じました。本当にお疲れ様でした。 今回、青猫さんを見習って、いくつものコンサートに行って、まさにそのとき、そのときを共に過ごせる幸せを感じました。
青猫さんの素晴らしい演奏レビューで、感激を深めることができました。ありがとうございました。

ツィメ様、今晩は香港なのですね。ツァーは、どのへんで終わりなのでしょう。
遠くから、思うばかりです。あー、仕事やらなくちゃ。では、また。

投稿: ふくしまpeach | 2010年6月23日 (水) 22:18

風さん

初めまして♪

わーお、香港からのコメント、すごく嬉しいです。
ありがとうございます。

最前列のコンサート、いかがだったでしょうか。
ピアノのお腹からの音がかなりの迫力ですよね。
最前列に座ると、ピアノって本当にボディ全体がなっているんだなぁ、、、としみじみ感心してしまいます。

ツィメルマンの演奏って基本的にいつもハイレベルだと思いますけれど、本当に良い時というのは、規格外なのですよね~。
何回も聴くと感動が薄れるという弊害もあるのですが、たまに超ド級の演奏に出会えるので、ついつい足を運んでしまいます。
まぁでも、そんな演奏はそうそう何回もできるわけではないでしょうから、演奏家って本当に大変ですよね。
リハーサルで良過ぎる演奏をしちゃったりすると(本番でそれ以上の演奏ができる気がしなくて)もうダメ、なんていうピアニストもいましたし。
良い演奏をした次の日なんかもシンドイかも、、、なんて思ったりもします。

もしよろしければ、香港のコンサートのご感想などお聞かせ下さい♪

投稿: 青猫 | 2010年6月25日 (金) 19:15

Melodyさん

Pブロック、視覚的にはピアノに近くて面白いだろうなぁ、なんて思っておりましたが、音も意外と(?)良好なのですね。
お値段もお得ですし、ねらい目かもしれませんね~。

今回、私は結構前方の席が多かったです。
サントリー、Pからだと本当によく見える場所だったかも……(^_^;)。

席については、いまだにどこに座るべきかあれこれ悩みますが、まぁどこでもそれなりに楽しみ方があるよなぁ、、、と、段々悟りが開けてきました(最前列の端っこはもう座らないと思いますが(^_^;))。
あ、でもやっぱりお顔が見られる席が良いな♪←全然悟ってない

秋のハーゲンは、バツェヴィチの普及もかねて(ここ強調)、収録・放映してくだせー。

投稿: 青猫 | 2010年6月27日 (日) 22:15

ふくしまpeach さん

遠征につぐ遠征で、大変でしたが、なんとも幸せな1ヶ月でしたね。。。
これが1ヶ月以上続いたら、色々な意味でもたなかったような気がしますが、私も限界まで頑張ったので、悔いはありません(あ、でも、10日のサントリーは後半だけでも行っておけば良かったと思わないではないのですが)。
来年はツィメルマンさん、サバティカル=お休みですが、私もちょっとお休みをいただきます、、、という気分です。

今回、ふくしまpeach さんとは、あちこちですれ違っていたようですね(笑)。せっかくだからご挨拶できれば良かったような。。。

ミューズのホールは結構縦に長いので、遠い席だと距離感があるかもしれませんね。
周りにどんな方が座るかも、大事ですよね~(こればかりは運ですが)。
ミューズは、お客さんのマナーは悪くない方だとは思いますが、チケットのお値段が安いだけに(?)、それなりに色々あります。。。

舟歌、とても良かったですね。
最終日のせいか、(聴く側の気持ちのせいかもしれませんが)いつくしむような、しみじみとした雰囲気があって、感動的でした。

今回のツアーでは(も?)、皆さんこぞって各地のレポートをして下さったりなんだりで、ここのコメント欖もとてもにぎやかで、記事の書き甲斐がありました~。
自分の備忘のために好き勝手に書いているとはいうものの、感動をシェアして下さる方がいるというのは良いものですから。
ふくしまpeachさんも、とても愛あるご感想・コメントを下さって、ありがとうございました(深々)。

ツィメルマンさんは香港が終わって、台湾はキャンセルのようなので、今頃はお帰りかしら?
こういう時、公式HPで近況などをお知らせして下さると、ファンとしてはありがたいのですけどねぇ。
ツイッターとかやってくれないものだろうか。。。(無理無理)

とりあえずは、そのうち出てくるかもしれない雑誌インタビューなどを気長にお待ちいたしましょう。

投稿: 青猫 | 2010年6月27日 (日) 22:40

再度失礼いたします。

青猫さま、大変ご丁寧なお返事をいただき、ありがとうございます。
最前列のコンサート、よかったのかどうなのか、、、ちょっと微妙です、、、(汗)

でも、ツィメルマンさんの、出退場のときには、手の触れそうな距離だったので、髪の毛が、わさわさしてるのとか、とても近くに感じられて、それはよかったです。って、なんか目のつけどころが変ですみません。

香港は二日間公演で、私は2日目に行ったのですが、最後、観客はとても感激しまくりで、総立ちではなかったですが、でも、拍手はずっとずっと鳴り止まず、それにこたえて、ツィメルマンさんも、何度も出てこられて、「どう?もういい?まだかな?もう帰るよ?いいかな?」って感じで、お茶目な笑顔を振りまいておられて、とてもかわいらしかったです。

青猫さんに比べたら、どシロウトの私ですが、どシロウトなりに、感じたままを書いてますので、よろしければ、お目汚しを。。。

http://yaplog.jp/kazefuu/

あと、記事の最後のほうで、香港在住の他の方のリサイタルの感想も、リンク貼ってますので、こちらのほうは、私よりも(笑)、ご参考になるかと思います。

それでは、今回、リサイタルなんて、10なん年ぶりで、ほんと縁のなかった私が、再度、ピアノに対して、興味が再発することになり、そして、青猫さんのブログにもお会いいできて、とてもよかったです。

ありがとうございます。

投稿: | 2010年6月28日 (月) 12:52

こんにちは。
ツィメルマンの演奏ってテレビで放送されることありますか?

投稿: haru | 2010年6月28日 (月) 16:52

風さん

コメントありがとうございます♪

ふふふ、髪の毛わさわさ素敵ですよね~(って同意を求められても困りますか……)。お髭もふもふも素敵ですよね~(だから……)。

最前列は音的には好みが分かれるかもしれません。
視覚的には大変よろしいのですが、音が直接降り注ぎますし、何より蓋の位置が耳より大分高くなりますから、場合によっては大分違和感があるかもしれません。
その辺は、ホールの音響やステージの高さなんかにも大分左右されるようですね。

まぁでも、最前列だと(角度にもよりますが)表情がよく見えてお茶目ぶりも堪能できますし、まかり間違って目が合う、なんてこともありますから、なんだかんだいって魅力的なのです。
お前は何しにコンサートに行ってるんだって怒られそうですが(^_^;)。

あ、ワタクシも間違いなくド素人です、ハイ。言いたい放題でホント申し訳ない。。。

それはともかく、ツィメルマンさんを入口にピアノを色々聴かれる、というのはとても素敵なことですね。
ツィメルマンさんを追いかけていると、ツィメルマンという演奏家を足がかりに、自分の音楽の世界が色々な方向に広がっていくのを感じます。ツィメルマンが、視野がとても広い人だからかな?なんて思いますが。

ブログ、じっくり拝見させていただきますね。
今後ともよろしくお願いいたします。

投稿: 青猫 | 2010年6月30日 (水) 23:24

haru さん

以前、放映されたことはありますよ。
今回はどうでしょうね。
カメラは入ってましたが、個人用なのか放映用なのかよく分かりません。
放映用だとしても、放映にOKを出すかどうかは、これまた全く分かりません。録音や放映の可否については、相当シビアではないかと思います。

投稿: 青猫 | 2010年6月30日 (水) 23:27

お久しぶりです
青猫さん。
ツィメルマンさん 9月22日に新しいCD出すそうです。発売日がとても楽しみです。

投稿: haru | 2010年7月13日 (火) 20:08

haru さん

情報ありがとうございます。

今度こそちゃんと出ると良いですねぇ。。。(本家ドイツ・グラモフォンのHPには未掲載ですが、日本先行発売でしょうかね)

投稿: 青猫 | 2010年7月15日 (木) 22:36

青猫さん
 お久しぶりです。
 映画「FLOWERS」は観ましたか?演奏会シーンがあるのですがなんと、会場がミューズ!
あの座席の丸穴(?)はわりと特徴的だと思うのでまず間違いないと思います。(エンドロールでミューズの名前を探せなかったので絶対とは言い切れないのですが(ノ_-。) )
自分の知っている場所が映画に出てくるとちょっとうきうきしてしまいます。
(ツィメルマンコンサートとはあまり関係ない話題ですね、失礼しました(;´▽`A`` )

 

投稿: 小出毬 | 2010年7月18日 (日) 21:07

今月の月刊ショパンに ツィメルマン載ってますよ。ちょっとだけ

投稿: haru | 2010年7月19日 (月) 17:23

小出毬さん

お久しぶりです。
暑いですね~……。
最近映画はとんとご無沙汰しておりまして、「FLOWERS」も全然知りませんでした(もともと邦画には疎いんですが(^_^;))。

ミューズは映画で使うには良い空間かもしれませんね。
ちゃんとコンサートホールの雰囲気が出ますしね。
良いホールですから、多くの方に知っていただきたいなぁなんて思います(そのためには是非クレジットに名前を……)。

投稿: 青猫 | 2010年7月20日 (火) 21:07

haru さん

お知らせありがとうございます。
カラー頁の、コンサート評の部分ですね。
ああ、この日は私も行ったなぁ、、、と思いながら読みました。

投稿: 青猫 | 2010年7月20日 (火) 21:09

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