ハーゲン プロジェクト 2010 ハーゲン・クァルテット with クリスティアン・ツィメルマン トッパンホール
2010年10月1日(金)19:00開演 トッパンホール
<プログラム>
ルトスワフスキ:弦楽四重奏曲(1964/70)
Introduction
Main movement
シューマン:弦楽四重奏曲第3番 イ長調 Op.41-3
Ⅰ Andante espressivo
Ⅱ Assai agitato
Ⅲ Adagio molto
Ⅳ Allegro molto vivace
休憩
シューマン:ピアノ五重奏曲 変ホ長調 Op.44
Ⅰ Allegro brillante
Ⅱ In modo d'una Marcia. Un poco largamente
Ⅲ Scherzo. Molto vivace
Ⅳ Allegro, ma non troppo
サントリーのリベンジと、ルトスワフスキを聴きたい、というのもあって、トッパンに行ってきました。
当日券というのは意外とあるものなんですよねー。ほほ。
ツィメルマンの出番はシューマンのみで、他よりも1曲少ないわけですが、いやー、頑張って行って良かったです。
もう最高!!!でした。
トッパンホールはこじんまりとした(408席)木調の、音響の優れたホールで(永田音響設計さんですね)、こういうところで超一流の室内楽を聴けるのは、本当に至福の体験です。
この日はハーゲンの調子も上々だったし、ツィメルマンも伸び伸び元気、しかもとても集中度の高い、締まった演奏を聴かせてくれました(一曲集中?)。
前半はハーゲンのみ。
ルトスワフスキの弦楽四重奏曲は、気が付いたら、あれ、1stVnが弾き始めてるぞ、、、という風情の不可思議な始まり。
Introduction と Main movement の2楽章形式で、切れ目なく演奏される、とプログラムにあったので、楽章の切り替わりが分かるかな?と思ったのですが、その辺はきちんとプログラムに解説があり、「突然、全パートが羽虫の大群のように唸り始めたら、そこから第2楽章」。
・・・本当にその通りでした。
ポイントさえ分かればとても分かり易いです。
曲の構造としては、各パートがいくつかのフレーズ(51の番号付きセクション)をそれぞれ勝手に(!)弾いていて、ただし、4者がどのポイントでそのフレーズを弾き始めるか、弾き終えるか、また4者がどこで合致するか、というのは決まっていいる、ということだそうです。
各奏者が演奏する旋律と、合わせる箇所がピンポイントで決まってて、ポイント間の縦の線はフリー、ということでしょうかね。
そんなわけで(?)、通常のアンサンブルの「合わせよう!」という集中とはちょっと違う、不可思議な緊張感が絶えず漂っていました。
ハーゲンの生真面目というか端正な音楽性と相まって、なんだかとても面白かったです。
楽譜がどうなっているのか、どうやって練習するのやら、ちょっと気になりました。
シューマンの弦楽四重奏曲は初めて聴く曲で、もはや、ええとどんな曲だったっけ、、、という状態(予習しないから・・・・・・・)。
すみません。
えーと、とても優美で流麗なアンサンブルでしたよ。
何しろ、ルーカス兄のヴァイオリンが、ものすごく品が良くて、それでいて表情が豊かでして、本当にうっとりだったのでした。
とても典雅なシューマンで、宮廷で聴いてるような錯覚を覚えた幸せ体験でした。
そして、メインディッシュのシューマンのピアノ五重奏曲。
これがもうもうもう、素晴らしかった~。
ツィメルマンの集中度が非常に高くて、ぎゅぎゅっと締まった鉄壁&磐石のピアニズム。
そして、完璧に合った、超緊密なアンサンブル。
明朗で爽やか、若々しさもありながら、百戦錬磨の余裕と円熟味、そして包容力のある音楽。
私の今後の音楽ライフでこれ以上のものに出会えるだろうか、、、と思ったくらい、超充実の名演でございました。
あまりにお腹一杯で、もう東京文化は行かなくても良いか、と思ってしまったくらい。
とはいえ、やっぱり最終日、行かないわけにはいかない東京文化、しっかり行きましたので続きます。
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