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2010年10月

2010年10月29日 (金)

宴の後

ショパコン祭りがあけてぐったりしていましたが、とりあえず記録。

今回はネット中継(ストリーミング)を見ながらTwitterでつぶやき続けて、文字通り実況ツイート状態だったんですが、他にもそういう方が非常に多くてですねー、深夜・早朝に演奏を聴きながら半チャット状態だったりして、すんごい楽しかったです。


<審査結果>
1位 Yulianna Avdeeva (Russia)
2位 Lukas Geniušas (Russia/Lithuania), Ingolf Wunder (Austria)
3位 Daniil Trifonov (Russia)
4位 Evgeni Bozhanov (Bulgaria)
5位 François Dumont (France)
6位 該当無し

ポロネーズ賞(2次): Lukas Geniušas
マズルカ賞: Daniil Trifonov、
協奏曲賞: Ingolf Wunder
ソナタ賞: Yulianna Avdeeva
幻想ポロネーズ賞: Ingolf Wunder 

脱力の審査結果および、各コンテスタントのスコア公表については、公式掲示板含む各所で大荒れ&炎上状態でしたし、私もツィッターで色々ブチブチいってたんですが、コンクールはあくまでも踏み台でしかないと思うので、結果についてはもう良いです。

とりあえず、私としては、インゴルフ・ヴンダーというピアニストに出会えたことが最大の収穫でした。
ヴンダー君がこれからどういう風に成熟していくか、まだまだ未知数ではありますが、ツィメルマンやかつてのポリーニのように、仕事ばかりじゃなくて色々と勉強する時間をとって、エンドレスに伸びていって欲しいなーなんて思います。

以下雑感。
2位のルーカス・ゲニューシャスはなかなかの不思議君で、微妙な大物感漂うキャラと、美形だかなんだか分からない風貌に似合わず(?)、非常に美しいショパンを奏でていました。
4位のエフゲニ・ボジャノフは、ショパン弾きとしてはいかがなものかと思いますが、間違いなくすごいピアニストだと思うので、他の作曲家で聴いてみたいです。
ミロスラフ・クルティシェフ、選外ではありましたが、センスを感じさせる、洗練された演奏でとても良かったです。思わず、神尾さんとのデュオのチケット買ってしまいました。
もう一人の選外、ニコライ・ホジャイノフも一次の幻想曲で超ド級の名演をぶちかました将来有望株。今後の動向を要チェックですね。
マルチン・コジャクは、ファイナルに進めなくて残念でしたが、日本に来たら聴いてみたいな。
そんなところかしら。

1月の入賞者ガラコンは、仕事の都合で行けるか分かりませんが、まぁいざとなったら遠征しますわ。。。(インゴルフが勝ってたら、12月のN響定期で聴けたであろうに・・・・・・しくしく)

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2010年10月20日 (水)

第16回ショパン・コンクール、というかむしろIngolf Wunder

最近とみに本業が忙しくて、とにかくまとまった文章を書く(頭を使う)気力がわきませんで、ブログ放置状態で失礼いたしました。
まぁもちろん、仕事だけしてるわけでは全くないんですが、明らかにオーバーワーク気味なのに、いつもと全く同じペースで遊ぼうとするから惨いことになるんですよね。。。

それはともかく。

日中寝不足っていうのは甚だしくマズイんですが、困ったことに、現在、第16回ショパン・コンクールが佳境なんでございますよ(佳境というか、今日の深夜が最終日)。
ショパン・コンクールはネットストリーミングで中継を見られ、またアーカイヴ機能もあるので、基本的に夜中に生中継を聴いて、聴けなかったものは昼間(か夜の中継の合間に)、聴き直す、ということが可能なんですね。
おかげで、コンクール期間、ひたっすらショパンを聴き続けておりました。
本選だけだったら10人ですから、協奏曲を10回聴けばすむんですが、予選からとなると、結構耐久レースです。
さすがに、1次予選から全員聴くなんていうことはしませんでしたが。

最初は、これはっていうショパンになかなか出会えないなぁって思ってたんですよね。
ほら、何しろ私のスタンダードって、アレですから。
別にわざわざ比較するつもりは毛頭無いんですけど、やっぱり無意識的にねぇ、なんだかんだとあったりなかったりするわけですよ。

そんなわけで、始まってしばらくは、楽しみつつも、割と冷静というかシビアに見ていたんですが(私が比較的苦手とするロシア系ピアニストが多かったことも一因)、心に引っかかるピアニストが誰もいなかったかというとそんなこともなく。
2次くらいからかなぁ、オーストリアの、Ingolf Wunder(インゴルフ・ヴンダー) というピアニストがなかなか良いぞ、と思い(1次のバラ4なんかも印象は良かった)、3次はかなり一生懸命聴いたんですが、今回必須課題曲になった幻想ポロネーズで涙し、8割がたノックアウトされてしまいました。
そして、昨日(というか今朝だ・・・・・・)、ドキドキワクワクしながら聴いた本選の協奏曲で、すっかり惚れ込んでしまったのでした。
大興奮のあまり中継が終わった後も全く眠れず、頭に血が上りきったまま仕事に行ったという。
ああもう、なんだかアホすぎる。

Ingolf 君の演奏には、(オーストリア出身という先入観はあると思いますが)ウィーン宮廷を彷彿させる貴族的洗練と上手さ、シャープすぎない典雅さやまろやかさがあるのですよね。
でも軟弱、柔弱な音楽かというとそんなことはなくて、色々経験して強く、優しくなりました、という包容力と風格をたたえた演奏。一つ一つの表現がとても丁寧で、歌心たっぷりながら、変にこねくりまわさない素直さと、音楽に対する誠実さが感じられるのも好印象です。

そうだな、ベーゼンドルファーあたりでシューベルト、ベートーヴェンなんかも似合いそうですね。

VIDEO ARCHIVE
こちらのショパン・コンクール公式サイトのVideo Archiveにて、一次から本選まで全部の演奏を見ることができます(公式サイトには他のコンテスタントの演奏も網羅されています)。

今回、優秀なコンテスタントはいるけれど、圧倒的に飛びぬけた人がいなくて(某優勝候補は、ショパン弾きとしては私の好みでは全くなく)、正直、1位無しで良いんじゃね?くらいの気分でした。
それが、Ingolf 君の3次の幻想ポロネーズを聴いたら、これがまた演歌ではないのに不思議と泣かせる演奏でして、こういう(表現的な)難曲をここまで説得力をもって聴かせることのできる人に、是非とも勝って欲しいなぁなどと思い始めまして。
まぁでも、ちょっとインパクトに欠けるかなぁ無理かなぁ、もっと派手なのもいるしなぁなどと、かなりグルグルしておりました。

本選の協奏曲が超絶に素晴らしければ、あるいは可能性があるかも、、、とも思っていたのですが、こればっかりは、予選の段階では全く予測がつかないのですよね(若い人は大体オケと合わせる機会が少ないので、経験不足ゆえに大崩れする例もあったりするため、予選の印象だけでは図りがたい部分がある)。
そんなわけで、期待半分不安半分で、今朝(早朝)の本選ストリーミングに挑んだ私でしたが、Ingolf 君の協奏曲1番を聴いたら、「あ、もう、今回の(私の)ショパコンはこれでおしまいでもいいや」って思ってしまいました。
ホント清々しいくらいに。

要するに、超絶に素晴らしかった。

このタフなコンクールを予選から本選まで勝ち進むのがどれだけ過酷か、、、数々のコンクール猛者たちが容赦なく落とされて次のステージに進むことができないのを見ていれば、なんとなく想像はつくってものです。
だから、本選ともなれば、それはもう壮絶なプレッシャーがかかることでしょう。
優勝、入賞という文字が目の前にちらついて、いろいろと欲が出るかもしれない。
Ingolf 君って、前回の2005年のショパン・コンクールにも出ていたんですね。
当時は本選には進めなかったから、今回は満を持して、ということでもあったでしょう。
そういう状況で、力むな、というほうが無理だし、緊張して、固くなって当然。

だけど、このIngolf 君ときたら、、、本当に、無私というか無欲というか、目の前にある音楽だけに心を向けて、真摯に音を紡いでいたのではないかと思うのです。
胸が痛くなるような切なさいっぱいの第1楽章を経て、2楽章くらいからなにか一皮むけたような感じ。
そして、3楽章がもんのすごかった。
まるで大輪の花が開いたような、いや違うな、新たな世界に足を踏み入れたような、というべきか。
練習通りに弾けてるというよりも、練習よりもよく弾けてたんじゃないの?ってくらいすごかった(練習がどんなかを知ってるわけではないけれど、練習であれだけのハイテンションで弾かないような気がする)。
とにかく、この3楽章は、Ingolf 君、ピアノを弾くのが楽しくて楽しくて仕方がないという感じでした。
私は、このショパン・コンクールの本選という大舞台で、こんなに嬉しそうに、幸せそうにピアノを弾く人がいるのか・・・!と驚愕し、大変陳腐な表現ではありますが、心底感動し、猛烈な幸福感に包まれてしまったのでした。
Ingolf 君、協奏曲1番に対する好き好きオーラもダダ漏れ状態で、いやあの分かったからさ、そんなに幸せそうに笑み崩れるなよー、、、と思わず突っ込みを入れてしまったほど(7分58分あたりとか、どう考えてもデレデレし過ぎではないかと思う・・・)。
これでもし腕が悪かったら話になりませんが、まぁ快演も快演、ノリにのってて跳ねるは弾むは、しかも決めるべきところは気持ち良いくらいに決まるは、鮮やかなことといったらありません。
最後のしめも、文句無しのパーフェクトでしたね。
何かが憑いてた、という風にいえるかもしれないけれど、それよりはむしろ、音楽の女神の加護を受けながらも、自力で階段を上ってドアを開けた、そんな印象でしたかしら。

もうね、コンクールの演奏じゃなかったですよ。
音楽の神様に愛されて、背中に羽が生えちゃったな、という感じ。
まだ演奏の終わってないコンテスタントも3名ばかりいるし、当然、順位とか色々あるんですけど、これだけの演奏をされちゃったら、諸々のことがどうでも良くなります。
なんだか憑き物が落ちてしまったような気分です。

ライヴで聴けて、あの瞬間に立ち会えて、本当に本当に幸せでした。
Ingolf君、ありがとう!
12月と1月、日本に来てくれるのを楽しみに待ちます(まぁ12月に来るためには優勝必須なんで、そういう意味では是非とも勝っていただきたいのですが・・・)。


本日の本選はこちらからどんぞ。
Online Broadcasting
ショパン・コンクール最終日です。
私も夜更かし頑張ろう。

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2010年10月18日 (月)

クリスチャン・ツィメルマン&ハーゲン弦楽四重奏団 2010年

2010年10月5日(火)19:00開演 東京文化会館大ホール

<プログラム>
バツェヴィッチ ピアノ五重奏曲第1番
第1楽章 モデラート・モルト・エスプレッシーヴォ~アレグロ
第2楽章 プレスト
第3楽章 グラーヴェ
第4楽章 コン・パッシオーネ

ヤナーチェック 弦楽四重奏曲第1番「クロイツェル・ソナタ」
第1楽章 アダージョ~コン・モート
第2楽章 コン・モート
第3楽章 コン・モート[アダージョ]

シューマン ピアノ五重奏曲 変ホ長調 作品44
第1楽章 アレグロ・ブリランテ
第2楽章 イン・モード・ドゥナ・マルチア、ウン・ポーコ・ラルガメンテ
第3楽章 スケルツォ、モルト・ヴィヴァーチェ
第4楽章 アレグロ・マ・ノン・トロッポ

2010年のツィメルマン祭り終了です。

当初、サントリー、武蔵野、東京文化の予定だったのですが、不可抗力でサントリーに行けず、その代わりにトッパンホールに突撃をかけて成功し、結局3公演。
行くまではテンションが全く上がらなかったんですが、結果的にはすんごい堪能してしまった。。。

何が良かったかって、とにもかくにも、ルーカス兄!(え、ツィメルマンじゃないのー???)
あ、ハーゲン・カルテットは(今更ですが)ハーゲン家の兄弟姉妹、ルーカス(1stVn)、アンゲリカ(2ndVn)、ヴェロニカ(Va)、クレメンス(Va)によって結成されたカルテットで、2ndVnのみライナー・シュミットにメンバー・チェンジし、現在に至る、、、ということで、ルーカス兄とは1stヴァイオリンのルーカス・ハーゲンのことです。

武蔵野もトッパンも良かったんですが、東京文化に行ったら、すっかりルーカス兄に惚れてしまいました。
コンサート自体は、トッパンホールが絶品&文句無しだったんですが、東京文化は最前列で、これが意外と良かった。
位置はクレメンス(Vc)の下、ルーカス(1stVn)の正面のあたりで、直接音がビシビシ飛んでくるところ。
場所柄、アンサンブルが溶け合う感じはありませんでしたが(どうしても音が個別に聞こえてきててしまうので)、それがむしろお家で室楽を聴いているような雰囲気でもあり、大変贅沢でございました。

ルーカス兄、何しろ真正面なので、音がストレートに飛んできて、しかも距離も大変近いこともあり、音色と表情の変化が、本当に手に取るように聴こえてきました。
彼はあまりソリスティックな感じではなくて、地味というかいぶし銀系なんだとは思いますが、その実、大変なテクニシャンなんですね。
右手も左手も本当に上手です。
音程(左手)の正確さもさることながら、あの音色の多彩さは、右手のボーイング技術の高さゆえでしょう。
表現の引き出しが豊富で、あまりにくるくると音の表情が変わるので(しかも顔は結構ポーカーフェイスなのが可笑しくて)、思わず笑ってしまいましたよ。
基本的には鋭利ですっきりした音質で、性格もすごくマジメなんだろうなぁ、、、と思わせる音なんですが、やろうと思えば柔和にも激しくも、どんな音色やフレージングも自由自在で、ほとほと感心してしまいました。

休憩時間には、ツィメルマンなお友達に「ヤバイ、ルーカスに惚れそう・・・」とうわごとのように繰り返し、終演後には「今日は私、ほとんどピアノ聴いてないわ。もうルーカス兄でお腹一杯(はぁと)」という、ツィメルマンファンにあるまじき暴言まで吐いた私。
いや、ツィメルマンのお顔はちゃんと見てて「素敵ー」って思ってましたけどさ。。。

私はヤナーチェクがあまり得意ではないのですが、そのヤナーチェクの弦楽四重奏曲があまりにも良過ぎた(特にルーカスとクレメンス弟)のが、決定打でしたね。
緊張感に満ちて、迸るような感情の発露の中に官能性も感じさせる、とても描写的なヤナーチェックでございました。

武蔵野で聴いた時には、ハーゲンは総じて音が鋭利だと思ったけれど、この日は大分まろやかに聞こえて、バツェヴィチもヤナーチェクもゲルマンから中欧(スラヴ)な雰囲気になったなぁと思いました。
シューマンはトッパンに比べて、アンサンブルが若干緩やかでしたね。
ズレてたとかそういうことではなくて、全体的に自由度が高くて、皆さんのびのびしてて、これはこれで良かったです。

まぁそんなわけで、次来日する時はまた行くぞ!なハーゲンカルテットでした。
ツィメルマン・サバティカル前の聴き納めとしても、とても良い演奏会でした。

来年は少し寂しくなりますが、でもアンデルさんは来日してくれそうなので、実はあまり寂しくないかも。。。(浮気者)


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ハーゲン プロジェクト 2010 ハーゲン・クァルテット with クリスティアン・ツィメルマン トッパンホール

2010年10月1日(金)19:00開演 トッパンホール

<プログラム>
ルトスワフスキ:弦楽四重奏曲(1964/70)
Introduction
Main movement

シューマン:弦楽四重奏曲第3番 イ長調 Op.41-3
Ⅰ Andante espressivo
Ⅱ Assai agitato
Ⅲ Adagio molto
Ⅳ Allegro molto vivace

休憩

シューマン:ピアノ五重奏曲 変ホ長調 Op.44
Ⅰ Allegro brillante
Ⅱ In modo d'una Marcia. Un poco largamente
Ⅲ Scherzo. Molto vivace
Ⅳ Allegro, ma non troppo


サントリーのリベンジと、ルトスワフスキを聴きたい、というのもあって、トッパンに行ってきました。
当日券というのは意外とあるものなんですよねー。ほほ。
ツィメルマンの出番はシューマンのみで、他よりも1曲少ないわけですが、いやー、頑張って行って良かったです。
もう最高!!!でした。
トッパンホールはこじんまりとした(408席)木調の、音響の優れたホールで(永田音響設計さんですね)、こういうところで超一流の室内楽を聴けるのは、本当に至福の体験です。

この日はハーゲンの調子も上々だったし、ツィメルマンも伸び伸び元気、しかもとても集中度の高い、締まった演奏を聴かせてくれました(一曲集中?)。


前半はハーゲンのみ。
ルトスワフスキの弦楽四重奏曲は、気が付いたら、あれ、1stVnが弾き始めてるぞ、、、という風情の不可思議な始まり。
Introduction と Main movement の2楽章形式で、切れ目なく演奏される、とプログラムにあったので、楽章の切り替わりが分かるかな?と思ったのですが、その辺はきちんとプログラムに解説があり、「突然、全パートが羽虫の大群のように唸り始めたら、そこから第2楽章」。
・・・本当にその通りでした。
ポイントさえ分かればとても分かり易いです。
曲の構造としては、各パートがいくつかのフレーズ(51の番号付きセクション)をそれぞれ勝手に(!)弾いていて、ただし、4者がどのポイントでそのフレーズを弾き始めるか、弾き終えるか、また4者がどこで合致するか、というのは決まっていいる、ということだそうです。
各奏者が演奏する旋律と、合わせる箇所がピンポイントで決まってて、ポイント間の縦の線はフリー、ということでしょうかね。
そんなわけで(?)、通常のアンサンブルの「合わせよう!」という集中とはちょっと違う、不可思議な緊張感が絶えず漂っていました。
ハーゲンの生真面目というか端正な音楽性と相まって、なんだかとても面白かったです。
楽譜がどうなっているのか、どうやって練習するのやら、ちょっと気になりました。

シューマンの弦楽四重奏曲は初めて聴く曲で、もはや、ええとどんな曲だったっけ、、、という状態(予習しないから・・・・・・・)。
すみません。
えーと、とても優美で流麗なアンサンブルでしたよ。
何しろ、ルーカス兄のヴァイオリンが、ものすごく品が良くて、それでいて表情が豊かでして、本当にうっとりだったのでした。
とても典雅なシューマンで、宮廷で聴いてるような錯覚を覚えた幸せ体験でした。

そして、メインディッシュのシューマンのピアノ五重奏曲。
これがもうもうもう、素晴らしかった~。
ツィメルマンの集中度が非常に高くて、ぎゅぎゅっと締まった鉄壁&磐石のピアニズム。
そして、完璧に合った、超緊密なアンサンブル。
明朗で爽やか、若々しさもありながら、百戦錬磨の余裕と円熟味、そして包容力のある音楽。
私の今後の音楽ライフでこれ以上のものに出会えるだろうか、、、と思ったくらい、超充実の名演でございました。
あまりにお腹一杯で、もう東京文化は行かなくても良いか、と思ってしまったくらい。

とはいえ、やっぱり最終日、行かないわけにはいかない東京文化、しっかり行きましたので続きます。

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2010年10月 3日 (日)

クリスチャン・ツィメルマン&ハーゲン弦楽四重奏団 武蔵野市民文化会館 大ホール

2010年9月30日(木)午後7時開演 武蔵野市民文化会館 大ホール

プログラム
バツェヴィチ:ピアノ五重奏曲 第1番
ヤナーチェク:弦楽四重奏曲 第1番「クロイチェル・ソナタ」
休憩
シューマン:ピアノ五重奏曲 変ホ長調 作品44


9月28日(火)のサントリーも行く予定だったんですけど、諸般の事情で行けませんでした(しくしく)。
まぁ、よしんば行けたとしても爆睡必至だったし、仕方ないか、、、いややっぱり行きたかった・・・(サメザメ)と、心が千々に乱れた週半ば。

とりあえず武蔵野は行けて良かったです。
諸般の事情の続きで、ひたすら眠かったけど(注:断じて演奏者のせいではありません)。

席は会場の真ん中あたりで、音のバランスは良好。
ただ、武蔵野は、弦を聴くには少々デッドでした。

今回、ヤル気が無くてコンサート直前が大変に忙しくて、予習が全くのゼロ状態なので、シューマン以外は曲を追っかけるだけで精一杯でした。
あと、何しろ眠かったので、全体的に霞がかかっててよく覚えてません(すみません)。

覚えてない、といいつつ、印象を適当に。

まず、ハーゲン弦楽四重奏団、初めて聴きましたが、上手いです。
色んな意味で、ものすごく上手い。
個々人の技量も高いし、アンサンブルにも隙がありません。
技量が高いだけに基本的にきちんとした演奏、という印象ですが、正確なだけの平板な演奏ではなくて、厚みがあって、エネルギー量も素晴らしい。
ピアノのツィメルマンともよく合ってました(ツィメルマンがきっちり合わせていた、というべきか)。

バツェヴィチは、意外とピアノの出番が少ないな、という印象(不満というわけではありませんが)。
2楽章はオベレクのリズム、なんでしょうかねぇ、ピアノソナタ2番の3楽章に似たところがあったように思います。

ヤナーチェク、プログラムに解説は無し。
A4片面ならともかく、B4の裏表で作ってるんだから、少しでも曲目解説入れてくれれば良いのになぁ。
ヤナーチェクって、聴いてて曲がどこに向かっていくのかよく分からないようなところがあるのですよね。
進行方向がまっすぐではなくて、あっちこっちに行ったり来たりするようなイメージ。
結構、支離滅裂、分裂気味にも聞こえます。
ハーゲンの演奏は、それでも見通しが良かった、んじゃないでしょうか。
終始緊張感を保ちつつも、エモーショナルで熱量たっぷりのヤナーチェクだったと思います。

後半はシューマンのピアノクインテット。
私、この曲好きなんですよね。、
と声高に言うまでもなく、お好きな方は多いと思いますが。
ハーゲンとツィメルマンの演奏は、輝かしく、喜びに満ちた、そして大人のゆとりと風格も感じさせるものでした。
ロマンチックだけれど甘すぎず、芳醇なワインのような奥深い味わい。

ハーゲンは普段と比べてどうかっていうのは分かりませんが、ツィメルマンの方はいつものばちーっとした緊張感はなくて、普段は独りのピアノの人が室内楽をやると肩の力が抜けるのかなぁ、などとも思いました。
全体的に、タッチがちょっと重いような、それでいて流してる?というところもありましたが、室内楽&リラックスモードの音作りなのかしら。。。
まぁ、雨も降ってたしね。

あ、そういえば、老眼鏡(多分)をお召しでしたね。
・・・・・・似合い過ぎ(うふ)。


ツィメルマンさんは、8月のザルツブルクの公演をキャンセルしたという話もきいていたので心配していたのですが、とりあえず元気そうだし、また楽しそうに弾いてて、まずは安心しました。
ツィメルマンさんは今回、割と無理の無いツアー日程ですが、ハーゲンの皆様はハードスケジュールのようなので、お疲れが出ませんように。。。

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