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2011年10月19日 (水)

ただ今、秋のDavid Fray祭り開催中

で、ダヴィッド・フレイでございます。

そもそもは、お髭さんファンの友達と、そういえば、パーヴォ・ヤルヴィが今年のパリ管来日公演で連れてくるピアニストはダヴィッド・フレイって若手だね、聴いたことないけどどんなもんかな、などと話していたのがことの起こりでした。
チラシを見る限りお顔だちは割と整っていて、十分イケメン・ピアニスト・カテゴリだろうけれど、腕前は一体どんなもんかね、と疑いの気持ちが無きにしもあらず。
まぁヤルヴィが連れてくるくらいだから悪くはないだろう(ヤルヴィのソリストの趣味は信頼している)とは思ったのですが、とりあえずそのまま放置。

実はアンデルシェフスキ・ファンには(というかピアノファンには、といった方が良いかも)おなじみのブルーノ・モンサンジョン氏がこの人のドキュメンタリーを撮っていて、DVDにもなっているのですが、そのジャケ写がまた盛大にビジュアル系な感じでして、私はかなり引いてしまったのですよね……。
これは、顔だけ良くて腕がイマイチ、という最悪のパターンではなかろうかと。

だって、全然ピアノが上手そうに見えないじゃないですか、このジャケ写(暴言)。

B001HKM8HASwing Sing & Think [DVD] [Import]
Fray Deutsche Kammerphilharmon
東芝EMI株式会社 2008-10-14

by G-Tools

よしんば、それなりに弾けたとしても、なんだか中身が無さそうに見える(大暴言)。

むー、どうにも食指がそそられない……。
(いや、もちろん私だって見目の良いピアニストは大好きですが、それは上手いのが大大大前提なんですよ)

そんなわけで、今年のヤルヴィ&パリ管、行くとしたら諏訪内さんでもダン・タイ・ソンでもなくフレイかな、と思いつつも、チケットが高いこともあってすっかり忘れていたのでした。

ところが、8月にたまたまネットラジオでフレイ君&サロネンのモーツァルトのピアコン20番を聴く機会がありまして、これが予想以上に良かったのです。
素晴らしく元気が良くて溌剌としてて、ものすごい勢いで風のように駆け抜けていて、20番だというのに思わず笑ってしまったのでした。
メカニックについては全く問題無し。
モツコンで問題無しということは、とりあえずは上手い、と思ってしまって良いと思うのですよね。
そして、このエンジン全開な疾走感は、ちょっとアンデルさんを彷彿させるなぁと。←個人的にポイント超高し。
うーむ、もしかしたらすんげー面白いタイプかもしれない、、、と思い、ここでパリ管のチケットをぽちり。
曲目がラヴェルのピアノ協奏曲だったのも、興味を惹かれたところでした。
まぁ、浅はかにフランス人だからフランスものを聴きたいって思っただけなんですが(後からよく見たら、レパートリーはバッハだのベートーヴェンだのシューベルトが多かった)。

その後、Twitterでロマノフスキーファンにしてアンデルさんファンでもある方が紹介されていたバッハの動画に、完膚なまでにトドメを刺されてしまいました(これが例のジャケ写がいまいちなモンサンジョン作品のプロモ映像だったのですが)。

これ、ダヴィッド君がピアノ弾き出して、ものの30秒で陥落してしまったんですよね。
というか、実際は弾き出した瞬間にもう、うわ~~~っと悶絶したくらい、一目惚れならぬ一聴惚れでした。

……そりゃそうだよねぇ、モンサンジョンがわざわざドキュメンタリー撮るくらいだもの、ただのイケメンピアニストであるはずがなかったのですよね。
はぁぁぁ、色々反省。

特に、長調のバッハが素晴らしいです。
明るさと輝き、生彩に富んで幸福感に満ちたバッハ。
抜けるような青空を見上げて切なくなるような、泣き笑いになってしまうような、胸がきゅんきゅんしてしまうバッハ。
そして、「J.S. Bach - Swing, Sing and Think」というDVDタイトルの通り、心がうきうきと湧き立つような歌心とスウィングにあふれていて、それでいて知性の煌めきや、地に足のついた思索のあともしっかり感じさせる音楽なのですね。

そもそも、フランス人の若造(この時は27,8歳?)が、ドイツのオケ相手にバッハを弾き振りするというのは、おそらくは、生半可な勉強では上手くいきっこないことなんですよね。
オケの面々、最初はいかにもお手並み拝見って思ってるのが透けて見えるようで、ちょっと揶揄するような、もしくは「ふん」っていう表情を見せていたりするし。
そこをDavid君が、一生懸命コンセプトを説明したり、旋律を歌ったり(どうでもいいですが、これがまた音痴なんですわ……)、あの手この手でオケを動かそうとするのですが、そのひたむきさや、段々オケが動かされて音楽ができあがっていく様子が、意外なほどこちらの心を揺さぶります。
弾き振りの場合、ソロ部分だけじゃなくてオケパートも勉強して、自分のトータルなビジョンをオケの人々に納得させるわけだから、いやはや本当に大仕事だわな、と頭が下がってしまいました。

あ、ちなみに、動いてるダヴィッド君は、ジャケ写のようなホスト系イケメンではなくて、もっとキュートで、ナチュラルに知的な、可愛げのある好青年でございますよ。

ここで、埼玉彩の国のリサイタルのチケットもぽちり。
これ↓
ピアノ・エトワール・シリーズ Vol.16 ダヴィッド・フレイ

今回はモーツァルトとベートーヴェン。
もうちょっと派手なプログラムの方がチケットははけるとは思うけれど、ここで下手にショパンやリストなんかを弾かれてもねぇ、、、とも思うし、まぁ難しいところかも。
アンコールでバッハ弾いてくれないかな……(ボソ)。

ヴィルトゥオーソ的な意味でどのくらい弾けるかっていうのはよく分からないんですけど、アンドラーシュ・シフとかデイム・ミツコとか、それこそアンデルさんみたいな、テクニックをひけらかすよりも確固とした音楽性で勝負ってタイプではないかなーと予想しています。
誰かさんみたく根の暗い深堀りタイプではないと思いますが、陽性の拘り屋さんという感じで、本当に期待大です。

しばらくは、ダヴィッドダヴィッドとうるさいと思いますが、あしからずご了承ください。

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Pianist: David Fray」カテゴリの記事

コメント

お帰りなさい♪ フレイ君、気になりますね~。 確かにイケメンです。はい。
私のお気に入りのドイツ人ピアニスト、セヴェリン・フォン・エッカーシュタイン君より若いと!
気になる・気になる・・・で、DVD手に入れてしまうかもしれません。
・・・セヴェリン、君を忘れたわけではないけれど。

投稿: Malta | 2011年10月27日 (木) 23:36

Maltaさん

お久しぶりです。
ダヴィッド君、いけめん、、、でしょうかねぇ。
かっこいいというより、むしろ可愛げがあるタイプというか、30オトコとは思えないキュートさがあるなぁと。

バッハ、良いですよ。
まず演奏が良いです(トリルのセンスの良さにクラクラしてます…)。
ドキュメンタリーも良いです(さすがモンサンジョン先生)。

セヴェリン・フォン・エッカーシュタイン、お名前を初めてききました。
Youtubeでチェックしてみます!

投稿: 青猫 | 2011年10月28日 (金) 01:29

こんにちは!まだ、ダビッド君のDVDは聴けていないのですが、青猫様のお勧めなのでそのうちぜひ。インタビューを見る限り、イケメンというよりはたしかに好青年でした♪ Severin von Eckardstein君 は、ぜひ青猫様のご意見もお伺いしたいです。DVDも2枚出ています。なかなか来日してくれないのですが、何故か隣国には良くいらしているのですよ。とっても端正な若きビアニストで、メトネルのCDが個人的には一番気に入っています。日本でのリサイタル時にはぜひ足をお運びくださいませね。

投稿: Malta | 2011年11月17日 (木) 22:56

Maltaさん

Severin von Eckardstein(日本語の表記が一定しないようで、ちょっと検索しにくいですね…)、Youtubeでチラホラ聴いてみました!
細身で上品なピアニズム、でしょうかね~。
全部聴いたわけではありませんが、スクリャービン、洗練された風情があって良さそうな印象です。

David君は、今のタイミングなら、DVD聴かれるよりも埼玉のリサイタルにいらした方が早いかも、ですよ(ボソ)。

投稿: 青猫 | 2011年11月21日 (月) 16:08

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