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2011年10月

2011年10月31日 (月)

サバティカル中ですが(続)

目下お休み中のアンデルシェフスキさんですが、先週、すみだトリフォニーとサントリーホールにコンサートを聴きにいらしていたようで、目撃情報多数でございました。
というか、私もがっつりお見かけしましたん。
なんというか、あらまぁお変わりなくお元気そうで、、、という感じでホッとしました。
私ってば、演奏中もアンデルさんばっかり見てましたよ……(ごめん、ルーカス)。

まだ日本にいらっしゃるんでしょうかね。
滞在中、美味しい和食を満喫してくださいませ~(でも体型はぜひとも現状キープを……)。

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2011年10月24日 (月)

サバティカル中ですが

お休み中のアンデルさんですが、音沙汰が全くない訳ではなく、ちょこちょこ露出してます。

ちょっと前に公式HPにラジオ出演と雑誌掲載情報(Pour les mélomanes )があったので、雑誌は出版社のサイトからお買い上げしました。
記事とインタビューと合わせて9ページの大特集で、大変充実しています。
フランス語なのが難ですが、まぁ頑張りますよ……(あーめんど)。

Img_0427

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写真のチョイスがなかなか良く、どれも男前路線で、なんだかまるでイケメンピアニストのようです……。

あ、ラジオもまだ聴けます。
フランス語ですが。
france culuture
44分もあって、喋り倒してます。。。


それから、ネットラジオでコンサートの放送があります。
10月28日(金)14:00(現地時間)、BBC3のAfternoon on 3で、アンデルシェフスキ&ヤニック・ネゼ=セガン&ヨーロッパ室内管弦楽団のモーツァルトピアノ協奏曲第20番を放送。
プログラムは以下の通り(BBCサイト:Afternoon on 3 より転載)。

2.00pm CPE Bach: Symphony No. 1 in D, from 'Vier Orchester-Sinfonien mit zwolf obligaten Stimmen, Wq 183'
Chamber Orchestra of Europe
Yannick Nezet-Seguin (conductor)

2:10pm
Mozart: Piano Concerto no.20 in D minor (K.466)
Piotr Andersewski (piano)
Chamber Orchestra of Europe
Yannick Nezet-Seguin (conductor)

2:45pm
Mozart: Symphony No.39 in Eb (K.543)
Chamber Orchestra of Europe
Yannick Nezet-Seguin (conductor)

多分、今年の1月30日(日)、ザルツブルクのモーツァルトウィーク(音楽祭?)のコンサート。多分。
ヤニックさんのHP


あ、あと忘れないように。
NHKのプレミアムシアターで、2008年のワルシャワライヴの放送があります。
NHKプレミアムシアター
以下、NHKのHPより転載。
10月29日(土) 午後11時30分~午前3時30分
プレミアムシアター
◇NHK音楽祭2011
~華麗なるピアニストたちの競演(3)~
河村尚子(pf)、ヤノフスキ指揮 ベルリン放送交響楽団演奏会
◇ピョートル・アンデルジェフスキ リサイタル・イン・ワルシャワ
◇NHK音楽祭2011
~華麗なるピアニストたちの競演(3)~
河村尚子(pf)、ヤノフスキ指揮 ベルリン放送交響楽団演奏会
<曲 目>
1.歌劇「魔弾の射手」序曲(ウェーバー)
2.ピアノ協奏曲第5番「皇帝」(ベートーベン)
3.交響曲第3番「英雄」(ベートーベン)
<演 奏>
河村尚子(ピアノ)
ベルリン放送交響楽団(管弦楽)
マレク・ヤノフスキ(指揮)
収録:2011年10月12日
NHKホール

◇ピョートル・アンデルジェフスキ リサイタル・イン・ワルシャワ
<曲目>
1.パルティータ 第2番 ハ短調 BWV826(バッハ)
2.仮面劇 作品34 (シマノフスキ)
3.ユモレスク 作品20 (シューマン)
4.パルティータ 第1番 変ロ長調 BWV825 (バッハ)
5.暁の歌 作品133から 第5曲 (シューマン)
<演奏>ピョートル・アンデルジェフスキ(ピアノ)
収録:2008年12月19日
ワルシャワ・フィルハーモニーホール(ポーランド)


アンデルさんの音源の中では、数あるCD、DVDを押しのけてこれが一番好きだったりします。
シューマンのフモレスクは本当に掛値なしの名演で、一時期本当にこればっかり聴いてました。
そんなに頻繁に放送されるものではないので、まだご覧になってない方はお見逃しの無きよう!

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2011年10月19日 (水)

ただ今、秋のDavid Fray祭り開催中

で、ダヴィッド・フレイでございます。

そもそもは、お髭さんファンの友達と、そういえば、パーヴォ・ヤルヴィが今年のパリ管来日公演で連れてくるピアニストはダヴィッド・フレイって若手だね、聴いたことないけどどんなもんかな、などと話していたのがことの起こりでした。
チラシを見る限りお顔だちは割と整っていて、十分イケメン・ピアニスト・カテゴリだろうけれど、腕前は一体どんなもんかね、と疑いの気持ちが無きにしもあらず。
まぁヤルヴィが連れてくるくらいだから悪くはないだろう(ヤルヴィのソリストの趣味は信頼している)とは思ったのですが、とりあえずそのまま放置。

実はアンデルシェフスキ・ファンには(というかピアノファンには、といった方が良いかも)おなじみのブルーノ・モンサンジョン氏がこの人のドキュメンタリーを撮っていて、DVDにもなっているのですが、そのジャケ写がまた盛大にビジュアル系な感じでして、私はかなり引いてしまったのですよね……。
これは、顔だけ良くて腕がイマイチ、という最悪のパターンではなかろうかと。

だって、全然ピアノが上手そうに見えないじゃないですか、このジャケ写(暴言)。

B001HKM8HASwing Sing & Think [DVD] [Import]
Fray Deutsche Kammerphilharmon
東芝EMI株式会社 2008-10-14

by G-Tools

よしんば、それなりに弾けたとしても、なんだか中身が無さそうに見える(大暴言)。

むー、どうにも食指がそそられない……。
(いや、もちろん私だって見目の良いピアニストは大好きですが、それは上手いのが大大大前提なんですよ)

そんなわけで、今年のヤルヴィ&パリ管、行くとしたら諏訪内さんでもダン・タイ・ソンでもなくフレイかな、と思いつつも、チケットが高いこともあってすっかり忘れていたのでした。

ところが、8月にたまたまネットラジオでフレイ君&サロネンのモーツァルトのピアコン20番を聴く機会がありまして、これが予想以上に良かったのです。
素晴らしく元気が良くて溌剌としてて、ものすごい勢いで風のように駆け抜けていて、20番だというのに思わず笑ってしまったのでした。
メカニックについては全く問題無し。
モツコンで問題無しということは、とりあえずは上手い、と思ってしまって良いと思うのですよね。
そして、このエンジン全開な疾走感は、ちょっとアンデルさんを彷彿させるなぁと。←個人的にポイント超高し。
うーむ、もしかしたらすんげー面白いタイプかもしれない、、、と思い、ここでパリ管のチケットをぽちり。
曲目がラヴェルのピアノ協奏曲だったのも、興味を惹かれたところでした。
まぁ、浅はかにフランス人だからフランスものを聴きたいって思っただけなんですが(後からよく見たら、レパートリーはバッハだのベートーヴェンだのシューベルトが多かった)。

その後、Twitterでロマノフスキーファンにしてアンデルさんファンでもある方が紹介されていたバッハの動画に、完膚なまでにトドメを刺されてしまいました(これが例のジャケ写がいまいちなモンサンジョン作品のプロモ映像だったのですが)。

これ、ダヴィッド君がピアノ弾き出して、ものの30秒で陥落してしまったんですよね。
というか、実際は弾き出した瞬間にもう、うわ~~~っと悶絶したくらい、一目惚れならぬ一聴惚れでした。

……そりゃそうだよねぇ、モンサンジョンがわざわざドキュメンタリー撮るくらいだもの、ただのイケメンピアニストであるはずがなかったのですよね。
はぁぁぁ、色々反省。

特に、長調のバッハが素晴らしいです。
明るさと輝き、生彩に富んで幸福感に満ちたバッハ。
抜けるような青空を見上げて切なくなるような、泣き笑いになってしまうような、胸がきゅんきゅんしてしまうバッハ。
そして、「J.S. Bach - Swing, Sing and Think」というDVDタイトルの通り、心がうきうきと湧き立つような歌心とスウィングにあふれていて、それでいて知性の煌めきや、地に足のついた思索のあともしっかり感じさせる音楽なのですね。

そもそも、フランス人の若造(この時は27,8歳?)が、ドイツのオケ相手にバッハを弾き振りするというのは、おそらくは、生半可な勉強では上手くいきっこないことなんですよね。
オケの面々、最初はいかにもお手並み拝見って思ってるのが透けて見えるようで、ちょっと揶揄するような、もしくは「ふん」っていう表情を見せていたりするし。
そこをDavid君が、一生懸命コンセプトを説明したり、旋律を歌ったり(どうでもいいですが、これがまた音痴なんですわ……)、あの手この手でオケを動かそうとするのですが、そのひたむきさや、段々オケが動かされて音楽ができあがっていく様子が、意外なほどこちらの心を揺さぶります。
弾き振りの場合、ソロ部分だけじゃなくてオケパートも勉強して、自分のトータルなビジョンをオケの人々に納得させるわけだから、いやはや本当に大仕事だわな、と頭が下がってしまいました。

あ、ちなみに、動いてるダヴィッド君は、ジャケ写のようなホスト系イケメンではなくて、もっとキュートで、ナチュラルに知的な、可愛げのある好青年でございますよ。

ここで、埼玉彩の国のリサイタルのチケットもぽちり。
これ↓
ピアノ・エトワール・シリーズ Vol.16 ダヴィッド・フレイ

今回はモーツァルトとベートーヴェン。
もうちょっと派手なプログラムの方がチケットははけるとは思うけれど、ここで下手にショパンやリストなんかを弾かれてもねぇ、、、とも思うし、まぁ難しいところかも。
アンコールでバッハ弾いてくれないかな……(ボソ)。

ヴィルトゥオーソ的な意味でどのくらい弾けるかっていうのはよく分からないんですけど、アンドラーシュ・シフとかデイム・ミツコとか、それこそアンデルさんみたいな、テクニックをひけらかすよりも確固とした音楽性で勝負ってタイプではないかなーと予想しています。
誰かさんみたく根の暗い深堀りタイプではないと思いますが、陽性の拘り屋さんという感じで、本当に期待大です。

しばらくは、ダヴィッドダヴィッドとうるさいと思いますが、あしからずご了承ください。

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2011年10月17日 (月)

David Fray 祭り

詳細は別記事で書こうと思ってますが、現在、絶賛David Fray(ダヴィッド・フレイ)祭り開催中。
ダヴィッド・フレイ君、1981年生まれ(30歳)の若手ピアニスト君です。
おフランス生まれですが、レパートリーはドイツものが多いようですね。

B000LPRNVSDavid Fray (Partita in D / Douze Notations Pour Piano)
Johann Sebastian Bach
Virgin Classics 2007-04-25

by G-Tools
¥1,549
バッハとブーレーズという妙な組み合わせ。
B001HKM8HASwing Sing & Think [DVD] [Import]
Fray Deutsche Kammerphilharmon
東芝EMI株式会社 2008-10-14

by G-Tools
¥ 2,016
アンデルシェフスキファンにはお馴染のブリューノ・モンサンジョン先生によるドキュメンタリー。 バッハのピアノ協奏曲の弾きぶりの収録の様子を追いかけています。 私はこれでドはまりしました…。
B001GXY92UBach: Piano Concertos
Johann Sebastian Bach
Virgin Classics 2008-09-30

by G-Tools
¥ 1,398
こちらはCD。
B004KB4S8KDavid Fray Records Mozart [DVD] [Import]
David Fray
東芝EMI株式会社 2011-04-25

by G-Tools
¥ 2,018
モーツァルトのピアノ協奏曲。 これはまだ聴いてません。。。
B000EQ4G5UDavid Fray Plays Schubert & Liszt
Schubert Liszt Fray
Atma Classique 2006-08-15

by G-Tools
¥ 1,509
ドイツもの以外はどんなもんじゃ?と思い、リストのソナタを収録のこのCDも買ってみました。

2011年合計:¥55,720

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2011年10月 2日 (日)

Romanovsky opent 25-jarig jubileum Meesterpianisten

Romanovsky opent 25-jarig jubileum Meesterpianisten

Sunday, 25 September 2011 8:15 PM
Concertgebouw: Grotezaal

Alexander Romanovsky (piano)

J. Haydn Sonate in Es, Hob.XVI: 52
Brahms Variaties in a op een thema van Paganini, op. 35

Rachmaninoff Etude-tableau in c, op. 39 nr. 1
Rachmaninoff Etude-tableaux in g, op. 33 nr. 8
Rachmaninoff Etude-tableau in fis, op. 39 nr. 3
Rachmaninoff Etude-tableau in b, op. 39 nr. 4
Rachmaninoff Etude-tableau in es, op. 39 nr. 5
Rachmaninoff Etude tableau in es, op. 33 nr. 6
Rachmaninoff Etude-tableau in D, op. 39 nr. 9
Rachmaninoff Tweede sonate in bes, op. 36


このブログだけを見ている方にとっては藪から棒な話なんですが、わたくし、アムステルダムのコンセルトヘボウまで、アレクサンダー・ロマノフスキーのリサイタルを聴きに行ってきました。

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このリサイタル、ロマノフスキーのコンセルトヘボウ・デビュー・リサイタルにして、Meesterpianistenシリーズ2011/2012シーズン・Meesterpianisten25周年のオープニングという、なんだかとってもめでたい感じのコンサートだったようです。
そして、行く前は「憧れのコンセルトヘボウ(大ホール)でロマノフスキーだわ~、あ、コンセルトヘボウ・デビューよね」ってくらいの認識だったのですが、蓋を開けてみたら、このMeesterpianisten、超名ピアニストが名を連ねるシリーズのようで(プログラムに今までの登場ピアニストが列挙してあるのですが、まぁ豪華なこと。今シーズンだけでも、ブロンフマン、ポリーニ、キーシン、ヴォロドス、ソコロフ、ルプー、ペライア、ツィメルマン等が毎月かわるがわる登場する)、本当に大きな舞台へのデビューだったのね、、、とホロリとしてしまいました。

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さて、初めてコンセルトヘボウの中に入りましたが、赤絨毯に赤い椅子、オフホワイトを基調とした内装で、ゴージャスだけれどゴテゴテはしておらず、適度にモダンな雰囲気のある、とても素敵な空間でした。ステージが結構高い、というのは、行く前に写真で見て分かっていましたが、実際、やっぱり高かったです。平土間は傾斜も(多分ほとんど)無いので、1階席でピアノはどうかな~と思い、2階席をチョイスしました。

ホールに入って、2階からステージを見下ろすと、あれれれ、ステージ上にもぐるりと補助席が置かれてるじゃありませんか。

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私がチケットを買った時(7月)はガラガラで、座席も選びたい放題だったので、ちょっと心配になってしまったものですが、なんだー、席埋まってるんだ…(ほっ)。
果たして開演時間にはほぼ満席になり、ホールはむぎゅうっとした空気に満たされました。
ステージを見ると脇にドアなど無く、はて、ロマノフスキーさんはどっから現れるんだろう…と思っていたら、ステージ右後方、お客さんも使う普通のドアから入ってきて、階段をぽてりぽてりと降りてきて、ちょっと意表を突かれました。

遠目なのであまりよく見えませんでしたが、きちんとホワイトタイに燕尾服を着こんでいて、まぁそういうタイプなんだろうね(今時珍しいというか生真面目というか)と思いましたが、またそれがよく似合ってましてねー。本当、どこぞの大公か伯爵ですって言われたら信じてしまうんじゃなかろうか。

前半はチャイコン一次でも演奏したハイドンのソナタとブラームスのパガニーニの主題による28の変奏曲。
ハイドンは、チャイコンの時よりも元気がよく、のびのびしていて快活。それはもう恐ろしいくらい指が回りまくってて、とてもノって弾いているのが伝わってきます。まるで音の一つ一つに羽でも生えているかのようでした。そして、一々感心してしまうほど鮮やかな指さばきなのですが、上手さが決して嫌味に響かず、とてもエレガントで端正な印象です。

コンセルトヘボウは世界でも指折りの音響の素晴らしさをうたわれていますが、ピアノには響きが芳醇過ぎるというか、まぁ要するに豊かに響き過ぎるのではないかという印象を持ちましたが(オケで聴いたらそりゃぁ素晴らしいでしょうが)、あの響きで音がダンゴにならず、個々の音の粒が明晰に届いてくるのは、さすがの打鍵の精度の高さ。

さて、次のブラームスになると、ハイドンの典雅さとは打って変わって、豪華絢爛、きらんきらんした響きが耳を打ちます。ああ、ロマン派の音だわぁ。
それでもって、最初から全開モード、トップギアに入って、(緩やかな曲想であっても)一瞬たりともダレたり緩んだりすることがありません。変奏曲ってややもすれば聴き手を飽きさせてしまうものだと思うのですが、ロマノフスキーは聴く人を自分の音楽の世界にしっかりと引き込んで離さないのですね。見事な集中力と体力、膂力といったところでしょうか。
いやー、若いって良いなーって本気で感心してしまいました。

前髪が乱れるほどの(ってチャイコン実況をTwitterで追いかけてた人にしか分からないネタですが、彼は前髪を結構しっかり固めてるそうなんです)熱演に、前半が終わった段階で、もんのすごい拍手が沸き起こりました。ホールの音響が良い分、拍手の聴こえ方もゴージャスで、どわぁぁぁんっっって感じに響きます。
そして、なんと、会場総スタンディングオベーション。前半の段階で総スタオベなんて初めてです、私……。
コンセルトヘボウのお客さんは特別熱いのでしょうか?

後半は、十八番であろうラフマニノフ。
「音の絵」は、基本的にはCDを出しているop.39が中心ですが、間にop.33-8とop.33-6を挿入していて、少し変化をつけたという感じでしょうか。
そしてトリにソナタ第2番というがっつりプロ。

それにしても、私、今後ロマノフスキー以外の人のラフマニノフを聴けなくなるんじゃないかなぁ……。
不明瞭なところのない、大きな手で鍵盤を掴み切っているラフマニノフ。
具体な情景描写というよりも、「音の景色」ともいうべきものがぶわーっと眼前に広がり、耳(頭)の中を音の奔流が満たすこの感じ、クセになってしまいます。
ロマノフスキーの「歌」、すなわちフレージングや間の取り方に関しては、文字通り文句のつけようがない感じ。細部を云々する以前に、この曲はこういう曲なんですね、とストンと納得できてしまう。それを説得力というのだと思いますが。
非常にメロディアスで、音楽が停滞せず、見事なまでに「流れて」います。
アラベスク模様のように有機的で、緻密な流麗さの中にも、あたかも生き物のようなうねりや水面のような揺らめきがあります。

それにしても、この人こんなに上手かったんだっけ?と首をひねってしまうほどの、鬼のようなヴィルトゥオーゾっぷりでした。チャイコンの時ももちろん上手いとは思いましたけれど、ファイナリストの中で抜群にメカニックが強いというわけではなく(まー、あの時はレベルがすごく高かったんですけど)、押しても引いてもビクともしない超絶鉄壁系かというとそうではない、という印象だったのですが、いやいや、ものすごく上手いよ、この人。下手すると(?)、馬車馬・曲芸系ですよー。一見あの通りのスッとした細身の優男さんなんですが、フォルテ、一体どこまで出るのかしら...と笑ってしまうほどの豪腕っぷり。
コンセルトヘボウは大き目のホールなので、おそらくは強弱のレインジをかなりフォルテ寄りにしていたのではないか、とも思うのですが、CDやネットで聴いた時よりも大分線が太い印象でした。

そんなわけで、ソナタ2番の腰の入りようも尋常ではなく、大人のロマンチックかつ骨太ハンサム、いやハードボイルドか?と。
ラフマニノフはこうやって弾くんですよ、という演奏。本当に素晴らしかったです。

お客さんも大喜びで、万雷の拍手とはこのことか、というくらい盛り上がり、当然のように総スタオベでした。
アンコールはショパンの遺作のノクターンハ短調(涙)、ラフマニノフの前奏曲op.23-5(超カッコいい)、バッハのバディネリ(なんか可愛らしい)の3曲でした。
ロマノフスキーが弾き終って、引っ込んでまた出てくるたびに皆総立ちで、ブラヴォーに加えピューピュー口笛も飛び出る有様。
前半のスタオベの段階ですでにそういう雰囲気だったけれど、素晴らしい演奏に対する称賛というだけではなく、お客さんが皆で「ようこそ、コンセルトヘボウへ!われわれは心からあなたを受け入れますよ」と、若くて才能のあるピアニストを温かく迎え入れて、その前途を祝福しているかのようでありました。

ロマノフスキーはコンクールという「試合」には負けたかもしれないけれど(4位を負けたというのは語弊があるかもですが)、「勝負」にはこれからいくらでも勝つチャンスがある。こうやってひとつひとつコンサートを積み重ねていけば、全く心配することはないし、お客さんに愛される演奏家になっていくんだろうな、そんなことを確信をして、じんわりと温かく幸せな気持ちになりました。

私も、心からの祝福を送りたいと思います。
ロマノフスキーさん、素晴らしいコンセルトヘボウ・デビュー、本当に本当におめでとう!

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