ちょこっとパリ①
先月、独仏旅行に行って参りました。
生ものは、ハンブルク・バレエの「ニジンスキー・エピローグ」、ピリス&アバド&ルツェルン管のモツコンとブルックナー、エマールのバッハ&クルターグなど。
独仏4都市の旅だったのですが、全行程の旅行記を書く気力も根性も無いので、とりあえずパリだけ書こうかなと。
といっても、パリ3日間、空港⇔市内その他の移動時間を抜くと正味2日くらいの滞在で、しかも一般的な観光地はほとんど行ってませんので、果たして面白いかどうかわかりませんが。
ま、とりあえず。
早朝、パリに着く際に、機長より最低気温6度の機内アナウンス。
ひ~、東京は27度くらいあったのに…。
ただ、去年同じような時期にミュンヘンに行ったら10度くらいで寒くて死ぬかと思ったので、今回はしっかり秋モノのコートを持参したので問題無し。
機内ではほとんど寝ていたので、元気よく市内に向かおうとしたところ、ロワシーバスの乗り場に辿り着かず(要するに迷った……)、あれ、おっかしーなーと。
しょうがないので、目についたRER(高速地下鉄)で市内に入ってしまいました。
この空港からのRER、実は治安が悪いので有名で、私も人様に聞かれたらまず「やめとけ」っていうんですけどね……。
クレジットカードで切符が買えるのは便利なんですけど。
車内の雰囲気はやっぱりイマイチ(そもそも車体自体がきれいじゃないし)、早朝で通勤客ばかりだろうから滅多なことは無いだろうとは思うのですが、やや緊張を強いられる感じ。
まぁそれでも、市内に入る頃にはそれなりな雰囲気になります。
最初北駅で降りるつもりでしたが、とりあえずカフェで朝ごはんでも食べようと、サンミッシェル・ノートルダム駅まで行くことにしました。
まぁ朝ごはんなんてどこでも良いというか、その辺のカフェで食べられるんですが(本当はロワシーバスでオペラ座まで行って、ガルニエのレストランで朝ごはんと洒落込もうかと思っていたのですが)、何しろ着いたばかりだし、パリも超久しぶりなので勝手知ったるところが良いかなと。
パリ左岸、6区オデオン、奥に見えるのがオデオン座。
昔、この辺の宿に泊まっていたこともあり、とても懐かしい界隈。
この辺は学生街も近く、品の良い活気があってとても雰囲気の良いところです。
あ、ちなみにこれは渋滞しているわけではなくて、路駐です…(パリは割とどこもこんなん)。
オデオン座からもメトロのオデオン駅からも近い、レゼティトゥールというカフェへ。
店名は「編集者」という意味ですが、本棚に囲まれた内装が素敵なカフェで一休み&朝ごはん。
朝の9時、まだどこも開いていないので、まったりとこの日の予定を練ります。
メインはポンピドゥーセンターの展覧会を見ることなのですが、ポンピドゥーの開館は11時なのでそれまで少しその辺をフラフラしようかなと。
とりあえず、朝RERから地上に出たあたり、サンミッシェル広場近辺まで戻ります。
向こうに見えるのはノートルダム大聖堂。
本当はシテ島のサント・シャペルに入りたかったのですが、開館前にかなりの人数が並んでいて断念(あ、でもサント・シャペルのステンドグラスは本っ当に綺麗なので、初めての方は並んででも入ることをお勧めします)。
そこからノートルダム大聖堂に向かいますが、ここも昔見たからまぁ良いか、と、入口から中をちょろっと覗いて終了。
で、サント・シャペルもノートルダムも素通りしてどこに向かうかというと、おいしいアイスを食べるべく(最低気温6度なのに……)、シテ島の東、サン=ルイ島のアイスの有名店ベルティヨンへ。
サン=ルイ島は高級住宅街とのことで、隣のシテ島とは違って観光地観光地した感じではありませんが、お店はなんやかやとあります。
まだ開店前の時間帯なので、静かーな感じでしたが。
開店直後に飛び込み、散々悩んだ挙句にワイルド・ストロベリーと塩バターキャラメルをチョイス。
いやー、マジで美味でした。
橋の上で寒々しく食しましたけど。
さて、サン=ルイ島から橋を渡って右岸へ。
サン=ルイ島の北側はマレ地区といって、貴族の古い館が点在しているので街歩きにぴったりの場所なんですが、修復キャンペーンでもやってたんでしょうかね、外からもまともに見られる建物があまり無くてですね。。。
まぁでも腐ってもパリ、瀟洒な貴族の館でなくても普通に綺麗というか、そぞろ歩きでも十分目に楽しい感じなのはさすが。
マレ地区のシナゴーグ(ユダヤ教会)。
アール・ヌーヴォーの建築家エクトル・ギマールによるもの。
パリ市庁舎を通り過ぎて、ポンピドゥーへ向かいます。
これは何かというと、ポンポドゥーセンター前(裏?)の広場に面した建物の壁画。
どーん、という感じで結構インパクト大。
ポンポドゥーの周り(レアール界隈)は少し雰囲気が変わって、カジュアルというか、ザワザワした感じになるかな。
ポンピドゥーセンター、開館11時前に長蛇の列ができていてぎょっとしたのですが、意外とさくっと中に入れ(セキュリティチェックの列でした)、チケットを買うのも長蛇の列でしたがそんなに待たずに買え、無事お目当ての「ゲルハルト・リヒター:パノラマ」展に辿り着きました。
リヒターはドイツの現存の画家ですが、ドイツの国民的画家というのみならず、現代絵画における最重要画家のひとり。
ロンドン(テート・モダン)、ベルリン(新国立美術館)、パリ(ポンピドゥーセンター)を巡回する大回顧展で、リヒター80歳を記念して開催されたもの。
最後の会場の会期最終日間近ということもあって、会場は大盛況でした。
客層もバラエティに富んでいて、まさに老若男女という感じ。
外国からのお客さんも結構いたのではないかと思います。
で、私はこの日の夕方に飛行機に乗って移動しなくてはならなかったのですが、結構みっちり見てたらここでタイム・アップ。
常設のマティスを見たいーとかブランクーシのアトリエ(ポンポドゥー付属)を見たいーとかいろいろあったんですが、あまり無理をせずにさくっとオペラ座から(今度こそ)ロワシーバスに乗り、とりあえずパリを後にしたのでした(というか、夜行便で早朝に着いているし、まだ移動があるので無意識的に体力・気力温存を図ったというか)。
ロワシーバスですが、安全だし綺麗だし景色は見えるし安いし(片道10ユーロ)で、かなり快適でした。
渋滞もなく、割とさっさとシャルル・ドゴールに着いてしまい、なんだかちょっと勿体なかったような(やっぱり貧乏性)。
まぁでも、時間に余裕があったおかげで、スマホから2月のコンサート(アンスネス&サロネンでベト4、ルトスワフスキ、ベト7という個人的盆暮れ正月クリスマス公演)のチケ取りなどでき、結果オーライでございました。
パリまで来て何をやってるんだか、と思わないではありませんでしたが。
そんなわけで一旦パリを後にして、ドイツへ。
機中爆睡でしたが、それでも夕方パリから飛んでその夜にコンサートに行くというのは、なかなかエグかったな~(遠い目)。
たぶん続く。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
わーい、パリだパリだ(←行ったことないのに盛り上がる奴)
なるほどね~、と、メモしておきたい情報が既に山盛りです。
RERが危険ってのは、異国の地下鉄大好き(バスは苦手)な私にとっては、むむむ、なのですが、空港から直で市内に「はいどうぞ」なバスも楽しそうな気がしてきました。
ちらちらと調べてみると、ごく普通の市バスも2路線ほど空港・市内間を走っているそうですね。カルネ3枚でOKとか。でも、観光客向けではない、と詳しいサイトには載っていました。
ヘルシンキの冬の朝7時、市バスで空港に向かった(好きでバスに乗ったのではなく、市内・空港間の鉄道路線がない)のですが、そりゃあもう見渡す限りどこまでも真っ暗でしたよ(日の出は10時近くなので当然といえば当然ですが)。
市バスですから、旅行者専用の路線ではないので通勤の人もがしがし乗ってくるし、あちこち停まる。景色が見えないので、何処で降りるんだ私、と、心細いのなんのって。でも、かの地のバスの運転者さんは、特に何もお願いしなくても「ターミナル1だよ!」と教えてくれました。嗚呼、北欧の良心と親切をかいま見た瞬間でした。空港会社が走らせているバスではこんな体験はできなかっただろうなぁ~。
投稿: パインツリー | 2012年10月 9日 (火) 20:02
パインツリーさん
バス、良かったですよ。
ロワシーバスの他に、エールフランスバスというのもあり、凱旋門に着く路線と、リヨン駅を通ってモンパルナス駅に着く路線があります。
どれかに着けば、パリ市内であればまず不便は無いと思いますが、でっかい荷物を持ってそこからさらにメトロに乗って宿までたどり着くのは面倒、、、という方はいらっしゃるかもしれません。
エールフランスバスは忘れましたが、ロワシーバスは運転手からチケットを買えるので、小銭が無くてバスのチケットが買えない!というようなことは無いと思います。
値段はRERが安いですが(9.25ユーロ)、ロワシーバスが10ユーロなので変わりません。
エールフランスバスはもう少し高いですが、往復割引は有るようです。
路線バスは安いですが、時間はかかるでしょうし、あちこちとまるのはかなりストレスフルだと思います。。。
ハンブルク、ミュンヘンあたりは、空港から市内に入る地下鉄、超綺麗でしたが、あのイメージでRERに乗ると、確実に後悔すると思います^^;。
投稿: 青猫 | 2012年10月11日 (木) 00:00