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2012年11月12日 (月)

ヘルベルト・ブロムシュテット バンベルク交響楽団

2012年11月11日14:00開演 兵庫県立芸術文化センター 大ホール

プログラム
モーツァルト:ピアノ協奏曲第17番 ト長調 K.453

ブルックナー:交響曲第4番 変ホ長調「ロマンティック」(ノーヴァク版)


アンデルさんの2公演目に行ってきました。
すみません、諸事情によりアンデルさんのことのみにて失礼。

サントリーから兵庫までの間にせっせと練習してるのかな~と思ったら、どうやらラドゥ・ルプーさんのTOCリサイタルに出没してらしたようで(ま、同じカジモトだしね)、あらまぁ余裕ですわね、、、と思わないではなかったのですが(いや別にそれくらいは良かろうて……)。
余談ですが、ルプーさん、私は兵庫で聴こうと思ったら前日の夜に急遽キャンセルされてしまい涙でございました。
これは浮気をするなという神様の思し召しなんだろうか。

さて、モツコンの感想、サントリーと同じことを書いてもアレなんでざっくりいきます。

あ、椅子なんですけど、前回リサイタル時もその辺の椅子(会議室用みたいなの)を使ってましたが、今日はオケの人たちと同じ椅子を二段重ねにしてました(一つでは低かったのだと思われる)。
なんか不安定な気もするんだけどそんなこと無いのかな。。。

演奏を比較すると兵庫の方が好印象ではありましたが、一週間で劇的に変化したなどということは無く、どちらが良いかは聴き手の好みの範疇かと思われます。
兵庫の方が、全体的に勢いがあって面白い感じではありました。
まぁ、アンデルさんってスロースターターじゃないかと思うのですが、サントリーで1回やって、2回目で少しこなれて「えーい、やっちゃえ」的な元気の良さが出てきたのかなぁと。
逆にいうとすこーしばかり大味風味。
2楽章などは霊性と言いましょうか、妙なる響きが生み出す神秘性、みたいな部分はサントリーの時よりはやや減じていたように思いました。
まぁその辺もあくまでも比較の問題であって、誤差の範囲内ではないかと思いますが。

常日頃アンデルさんをよく聴いているのである意味慣れがあったのですが、この兵庫公演では、あ、このモツコン、よくよく聴くと全然フツーじゃない……とまるで天啓のように気づいたりもしまして(遅いよ)、改めてにやにやしてしまったというか、なんだかものすごく嬉しくなってしまったりもして。
よく考えてみたら、こういう風にモーツァルトを弾く人って全然いないんですよね。

そんなわけで、この日のモツコンも楽しく拝聴いたしました。

で、アンコール。
これがねぇ、何というか、やっぱりただでは帰らせてくれないアンデルさんでありましたよ。
シューマンの幻想曲第3楽章で、この曲って今シーズンの新レパートリーなんですね。
続く中国公演の練習台だろうとも思いましたが、なんにせよ、ここで披露してくれて感涙でありました。

そして、つくづくと、この人は類稀なるシューマン弾きであるよなぁと唸らされてしまいました。

この第3楽章、幻想曲の中では緩徐楽章に当たり、基本的には大変に流麗で美々しい旋律に彩られた夢幻的な曲想です。
冒頭などは、アンデルさんが弾くにはちと甘口でロマンチック過ぎるというか、ストレートに綺麗過ぎやせんか、と思わないような旋律が綴られています。
しかしこの方が単純に旋律の美しさに耽溺するはずもなく、やっぱりアンデルさんはアンデルさんだった、としか言いようのない演奏でした。
たゆたうような詩的情緒の中、諦観と抑えがたい激情の間を行き来するような複雑な感情の陰影のようなものをごく自然に紡ぎ出しており、なんとも切なく、胸がつぶれるよう思いにとらわれてしまいました。

ちょっとブラームスの後期作品を連想してしまったかな。

わけもなく、そしてどうしようもなく哀しかったのは、こういう曲に完全に共鳴してしまうピアニストのことを思ってのことなのかな。
この辺はちょっとまだ自分でもよくわかりません。

ダメだな、サバティカル前のコンサート以来、ショーマンというカードを切られると、私はすこぶる弱いんですよね。
アンデルさんの伝家の宝刀といえばバッハだと思いますが、シューマンはどうも妖刀っぽいというか、魅入られてツボに入り過ぎるようなところがあって、もちろん冷静な判断などできるはずもなく、どうにも困ったものです。

一つ言えるのは、休み明け後、比較的すぐの来日ということで、正直色々心配をしていたのですが、あのシューマンを聴いて、あ、これなら私なんぞが心配するのは僭越以外の何物でもないよな、ということ。
やっぱりすげーわ、この人、と尊敬の念を新たにしたのでした。

しかし、ここまでできてるのなら、日本でリサイタルやってくれれば良かったのに……。
(復帰一発目のリサイタルが日本というのが嫌だったのか、はたまたホールの都合か、その辺の事情は全く分かりませんがー)

そんなわけで、たった一曲で危うく腰が抜ける寸前というか、私にとっては破壊力抜群のアンコールで、かなりヘロヘロになってしまいました。
ともあれ、良いものを存分に聴かせてくださってありがとうございました。
3楽章って10分くらいはあるので、アンコールとしては大分長かったのですが、何とも贅沢な時間でありました。

次の来日はいつなんでしょうかね。
そんなに延々と待てないよー。
(というか待つつもりもないんですが)

とりあえず、今週始まる中国ツアー(リサイタル)、ぜひとも頑張っていただきたいものです。

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