« Happy Birthday Mr. Zimerman! | トップページ | クリスチャン・ツィメルマン ピアノリサイタル »

2012年12月 7日 (金)

クリスチャン・ツィメルマン ピアノ・リサイタル 2012

2012年12月4日(火)19:00開演 サントリーホール

<プログラム>
ドビュッシー:版画
 1.パゴダ 2.グラナダの夕べ 3.雨の庭
ドビュッシー:前奏曲集 第1集 より
 2.帆 12.吟遊詩人 6.雪の上の足跡 8.亜麻色の髪の乙女
 10.沈める寺  7.西風の見たもの

-------------------休憩------------------ 

シマノフスキ:3 つの前奏曲(「9つの前奏曲 作品1」より)
ブラームス:ピアノ・ソナタ 第2番 嬰へ短調 作品 2


川口公演に続いて、12月4日(火)のサントリーホールのリサイタルに行ってきました。
今回のメイン公演のうちの一つと言えましょう。
ツィメルマンさんの場合、(私の経験上)必ずしも地方だから悪い、サントリーだから良いということは無いんですが(むしろ地方の方が面白いことはままあるような)、やはり地方を巡り巡ってあれこれやった後に満を持してサントリー、という側面はそれなりにあるでしょうから、やっぱりこちらも気合いが入るというか。

で、待望のサントリー。
ちょっとお客さんの入りがイマイチでしたね。
今回、東京と近郊の公演が多いということはあると思いますが(埼玉×2、東京×4、神奈川×1で、しかも全部大ホール)、1公演余計だったのでは?と思わせる空き具合でした。
まぁ11月の有名演奏家来日ラッシュを経て、皆様のお財布は瀕死というかすでにお亡くなりというケースも多いでしょうから、致し方ないとは思うのですけど。
私も海外遠征までしてしまったので、ヤンソンス&バイエルンやマリインスキーは泣く泣く諦めましたさ……。
正直、チケット代が15000円を超えると、アレもコレも、ができなくなってくるのですよね。
いくらコンサートゴウアーだからといって(いや、いくつも行きたいからこそ)、7000円、8000円、せいぜい10000円くらいまで妥当な線だとしみじみ思いましたわ。

というのはさておいて。

今回の来日は、サバティカル明けであること、体調があまりよろしくなさそうであること(咳をしている)、楽譜を置いている等々、心配な要素がいくつかあったのですが、このサントリーのリサイタル、いやーツィメルマンさんさすが!と脱帽いたしました。
川口リリアも相当に素晴らしい公演で、ほっと一安心したところではあったのですが、さらに調子を上げてきたというか、見事なまでにびったりサントリーに照準があったな、と。

この日は本当に大当たり、ビンゴ!と叫びたいような快演っぷりで、まぁ元気なこと元気なこと。
完璧に全開モードだったのではないかと思います。
あんなに元気なツィメルマン、私は久々に聴いたような気がいたします。
もちろん、前回のショパンプログラムの時だって素晴らしい公演、いかにも充実した日というのはありましたが、それともちょっと違うというか。
思い切りの良さ、胸のすくような豪快さがあり、ピアノの鳴りもよく(音のレインジも広く)、陽性のエネルギーに満ちた演奏であったと思います。

サントリー=風呂場音響とはよく言ったものだと思いますが、前半のドビュッシーでは風呂場をものともせず、いや風呂場を生かした、さすがのコントロールでした。
正直、音の響き方や音色そのものにおいては川口リリアの方が圧倒的に素晴らしいものがあったのですが(まぁ好みの問題は大きかろうと思いますが)、サントリーはサントリーで会場の音響にしっかり合わせた演奏をしているのだろうなと。
川口と比べると少しウェットな、しっとりした響きで、そういう意味でも「風呂場」な印象が強かったのですが、音が混濁して団子になる一歩手前の、素晴らしく芳醇な音の立ち上がりと響き、伸びと減衰の妙を存分に味わえたドビュッシーでございました。

「吟遊詩人」なんかでは、とても肩の力が抜けているというかむしろやりたい放題というか、遊び過ぎだろうと。
ご機嫌でしたね。
川口ではあまり印象に残っていない「亜麻色の髪の乙女」は、この日は、素直に、こんなに良い曲だったんだーと思いました。

後半はロマン主義の香るシマノフスキとブラームスのエモーショナルな演奏をたっぷり。
シマノフスキは、繊細さよりも情熱的な部分が印象に残りました。
トリのブラームスのソナタ第2番、キリッ、バリッとした充実の演奏で、久々に凄すぎて笑いが止まらないアワー突入。
ブラームス若書きのソナタですが、必ずしも若々しさ、青さを押し出した演奏ではなく(まぁその辺はやろうと思っても無理、ということかもしれませんが)、見通しの良さとスケールの大きさを両立させたダイナミックな演奏でした。
重厚過ぎず、優美さもありながら、聴く者をねじ伏せるような貫録、格のようなものを感じさせるバランスは、今まさに円熟期にあるであろうツィメルマンならではだろうなぁと思った次第。

それにしてもツィメルマンさんのブラームスは外れが無いなぁと。
いっそのこと、オールブラームスプロでも良くってよ…(集客は厳しいかな)。

そんなわけで大満足、川口リリアで「もうサントリーなんか行かなくても良いんじゃ」と思ったものですが、来て良かった!と心から思ったコンサートでございました。

ツィメルマンさん、前半のカテコでも大分ご機嫌な感じでしたが、最後に投げキスもしてましたね。
良かった良かった。

今日は地震があったし、すごくビックリしたんじゃ?などとも思うのですが、最終日まで気持ちよく演奏していただけたらと思います。

私はあとは明日の所沢、来週のTOCに参ります。
今回はやる気が、、、と言いつつ、なんだかんだで4公演。
やっぱりね、と思われてるかたもいらっしゃると思いますが、前回よりは相当少ないんですよ、これでも……。

ま、頑張ります。

|

« Happy Birthday Mr. Zimerman! | トップページ | クリスチャン・ツィメルマン ピアノリサイタル »

Pianist: Krystian Zimerman」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/74079/56271731

この記事へのトラックバック一覧です: クリスチャン・ツィメルマン ピアノ・リサイタル 2012:

« Happy Birthday Mr. Zimerman! | トップページ | クリスチャン・ツィメルマン ピアノリサイタル »