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2014年1月 8日 (水)

ラファウ・ブレハッチ ピアノ・リサイタル

ラファウ・ブレハッチ ピアノ・リサイタル
2013年12月16日(月)19:00開演 横浜みなとみらいホール

<プログラム>
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第9番 二長調 K.311
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第7番 二長調 Op.10-3
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ショパン:夜想曲 第10番 変イ長調 Op.32-2
ショパン:ポロネーズ 第3番 イ長調 「軍隊」/第4番 ハ短調
ショパン:3つのマズルカ Op.63
ショパン:スケルツォ 第3番 嬰ハ短調 Op.39

ジャパン・アーツ公式サイト

本当は12月14日(土)のTOCの行きたかったんですけど、そちらは完売。
さすがショパコン優勝者ブランド強しというか、相変わらず人気あるな~と思いましたが、みなとみらいの方は平日ということもあってか、入りは7〜8割だったかと。
(きっと、週末みなとみらい、平日TOCの方が効率よくチケットはけるんだろうな、などと思ってみたり)

前半はモーツァルトのソナタ9番とベートーヴェンのソナタ7番。
しかし、音が綺麗ですね、ホント。
端正で品のある、だけど芯のしっかりしたピアニズム。
モーツァルトもベートーヴェンも端正で明るく、一つ一つの音が光彩を放っているようでした。
以前は線が細くて心配になるようなところもあったけど、大分雰囲気が変わったような気がします。
諸々、以前よりしっかりしてきたように感じるけれど、それは彼の(あるいは最大の)長所である繊細さを犠牲にするような類の強さやパワーではなく、例えるとインナーマッスルがしっかりしてきているような感じかと。

後半はショパン尽くし。
軍隊ポロネーズは、CDよりも断然良かったです。
毅然としていて、貴族的で優雅でもありました。
イメージは馬に乗った近衛兵かな(どこか品よく、エリートっぽいのね)。
4番は威厳も感じさせる演奏。
マズルカは可憐だったり飄々としていたり、やるせない哀切を帯びたりと、多彩な表情を見せつつも、若さも枯淡も感じさせないのが少々不思議でもありました。
あえて言うなら、普遍的ということになるんでしょうが、あるいは、若いけれど達観してる風でもあるのが結果的に年齢不詳な雰囲気につながっているのかもしれません。

スケ3は落ち着きとスケールを感じさせる堂々たる演奏でした。
しっかりしたフォルテを聞かせながらも、節度と端正さは失わず。
強奏しても全く下品にならないのは、本当に素晴らしいと思います。
中間部でふわっと旋律が浮き上がる様は、夢幻的なまでに美しかったです。

本編は20時35分に終了、アンコールでショパン3曲はサービスかな。
太田胃散で終演でした。

これを書くとファンの反感を買うような気がするんですが、最近のブレハッチはなんか普通のピアニストになってしまったな、と思っていたんですよね。
普通に上手くて音が綺麗なピアニストというか。
その根底にあるのは、ブレハッチってショパコン時の演奏が結局一番良かったんじゃ?という、ぬぐいきれない思いだったわけですが。
それは、20歳という年齢と、母国でのコンクールの尋常ではないプレッシャーや緊張感を耐え忍ぶが故に生まれる奇跡のような詩情やリリシズム、そしてショパンやポーランドとの同一性みたいなものであったと思うのですけれど。
もちろん、コンクールの時が一番良かった=成長していない、ということでは全くないんですが、これはもう一種のノスタルジーみたいなものなので、しょうがないというか。
そういった一期一会ともいえる輝き、あるいは若さゆえの危ういような煌めきが年月と共に(当然)失われていくのが残念でもあったんですが、この日は素直に「今」が素晴らしいと思えたし、未来も見えたような気がします。

とても良いコンサートでした。


とかいいつつ、過去記事を見返したら、2009年の時はかなり褒めてますね、私。
そうか、2010年にリリア川口でリサイタルを聴いてうーん、、、って思ったんだな、確か(レビューも上げず)。

まぁ1回くらい波長が合わなくても聴き続けるのは大事ですね、というお話。

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