アリーナ・コジョカル ドリーム・プロジェクト Aプロ
2014年7月21日(月)15:00開演 ゆうぽうと
◆第1部◆
「オープニング」
振付:ペタル・ミラー=アッシュモール 音楽:アレクサンドル・グラズノフ
アリーナ・コジョカル
オヴィデュー・マテイ・ヤンク、ロベルト・エナシェ、堀内尚平、クリスティアン・プレダ、ルーカス・キャンベル
「眠れる森の美女」より グラン・パ・ド・ドゥ
振付:マリウス・プティパ 音楽:ピョートル・I. チャイコフスキー
ローレン・カスバートソン、ワディム・ムンダギロフ
「HETのための2つの小品」
振付:ハンス・ファン・マーネン 音楽:エリッキ=スヴェン・トゥール、アルヴォ・ペルト
ユルギータ・ドロニナ、イサック・エルナンデス
「エスメラルダ」
振付:マリウス・プティパ 音楽:チェーザレ・プーニ
日高世菜、ダヴィッド・チェンツェミエック
「ラプソディー」より
振付:フレデリック・アシュトン 音楽:セルゲイ・ラフマニノフ
吉田都、スティーヴン・マックレー
〈本日の特別プログラム〉 「ゴパック」
振付:ロスチフラフ・ザハーロフ 音楽:ヴァシリー・ソロヴィヨフ=セドイ
ワディム・ムンタギロフ
「リリオム」より ベンチのパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:ミシェル・ルグラン
アリーナ・コジョカル、カーステン・ユング
◆第2部◆
「白鳥の湖」 第2幕より
振付:レフ・イワーノフ 音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
アリーナ・コジョカル、ヨハン・コボー
東京バレエ団
◆第3部◆
「海賊」 ディヴェルティスマン
振付:マリウス・プティパ 音楽:リッカルド・ドリゴ
アリーナ・コジョカル、ユルギータ・ドロニナ、日高世菜、ローレン・カスバートソン
ヨハン・コボー、スティーヴン・マックレー、ダヴィッド・チェンツェミエック、
ワディム・ムンタギロフ、イサック・エルナンデス
コジョカルのドリーム・プロジェクト第2弾。
2012年の第1弾は(〆切地獄だったので)Bプロだけ見たんですが、今回もAプロのみです。
オープニングはアリーナとルーマニア国立バレエの男性ダンサーたちで、お星さま背景のキラキラした雰囲気で始まりました。
男性ダンサー、カワイイ系、マッチョ系色々いますな。
今回は、コボーさんがルーマニア国立バレエ団の芸術監督である関係で、同バレエ団からダンサーが何名か参加していました。
ローレン&ワディムの眠りGPDD。
うーん、ローレン、ちょっと重いというか、キレが悪かったような。
彼女は基本的には優雅さが持ち味だろうと思うんですが、時々大味というかもっさり気味であれー?って思ってしまいました。
それともサポートがいかんのか、あれは。
サポート付ピルエットで回転がピタッと止まらなかったり、フィッシュダイブがどうもピリッと決まらんのですよね。
二人ともソロは良いんですけど、アダージョがどうにもこうにも……。
ローレンのヴァリエーション、手の表情が細かくて、華やかな雰囲気で良かったのになー。
HETのための2つの小品。
振付は結構面白いし、二人とも良いダンサーだと思うし、特にイサックは体の線が綺麗だと思いましたが(ものすごいスケスケの衣裳を着ていた)、モダンをやるにはちょっと大人しいかも?
エスメラルダ。
はじめて見る二人。
日高さん、手が長~い。
確実なテクニックで、余裕綽綽という雰囲気もあり、そこが大人のイイ女風というか、ちょっと妖艶に見えたゆえんでしょうか。
ダヴィッドはちょっと無愛想に見える(印象が薄い)。
ラプソディー。
都さんとスティーヴン、ハイ、個人的メインディッシュでした。
これはもうもう、別格。
てっきり、二人で踊る短い演目かと思っていたんですが(NHKで以前放送したのがそうだったので)、スティーヴンの鬼のようなソロがあって、嬉しい驚きでした。
それにしても、なんであんなに上手いのかしら。
この演目、曲はラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」ですが、パガニーニが悪魔に魂を売り渡して超絶技巧を手に入れたた云々というエピソードを彷彿させる、文字通り悪魔的な上手さでした。
これだけ踊れる人、他にいないよー。
もう、他のダンサーでは見られないかも。
二人で踊るシーンももちろん素晴らしかったです。
都さんもスティーヴンも動きそのものにポエジーのあるダンサーなので、抒情的な部分が流れるように素晴らしく、爽やかな風が感じられるような、まさに至福の時間でした。
都さんの卓越した音楽性は今更いうまでもないけれど、スティーヴンの音楽性も群を抜いています。
細かいところまで、ピタリピタリと合わせてきて(もはや「合わせる」って次元をこえていますが)、これはラフマニノフも墓の下で喜んでいるだろうなーと。
文字通り、音楽が視覚化されているような感じでした。
ワディム・ムンタギロフのゴパック(日替わりプログラム)。
これはコサックかな。
ウクライナかな?
眠りではお行儀が良い感じが前面に出てましたが(ノーブルで良かったですが)、こちらは弾けるような生きの良さ、爽快さがあり、目が覚めました。
ちょっとやんちゃな感じもあって、これなら王子様以外もイケるかもねー。
リリオム。
カールステンはつくづくバレエ・ダンサーに見えない風貌だな。。。
性格俳優って感じ。
でも、踊りは意外と好きです、実は(踊ったらスゴイんです、的な)。
アリーナは、少女っぽさを残しつつも、踊りと演技が大きくてインパクト強し。
二人の心の機微というか、どこかもどかしい感じ、その時々の距離感がよく出ていて、良かったです。
アリーナのノイマイヤーの全幕、見てみたいです。
白鳥第2幕。
アリーナのオデットは華奢な印象ですが、アームスの使い方なんかはあまり白鳥っぽくは見えないです。
とはいえ、高雅な雰囲気はあり、薄幸な役は良く似合うなぁと。
コボーさんは、体形はそんなに太くなくて安心したんですが、ひたすらサポートに徹していました(まぁ白鳥2幕の王子はそういうもんですが)。
足はアレはサポーターなのかな(踊れるんかいな、、、と不安に)。
海賊ディヴェルティスマン。
皆さん、これでもか、と踊りまくってて、楽しかったです(あ、コボーは相変わらずアリーナのサポートのみでした)。
日高さん、ピルエットの軸が綺麗で、ものすごく安定しています。
テクニシャンですねー。
スティーヴンはランケデムで大活躍でしたが、ああいう衣装を着てると、ローザンヌを思い出しますね。
この日はぐっとニヒルな表情で、悪役っぽさ満載でしたが(ただ、彼の場合は踊りがスカッとキレが良過ぎて、上手いは正義というか、ヒーローっぽく見えてしまうようなところはありますが)。
あー、それから、最近?大分体格ががっしりしましたね(段々少年ぽさは無くなってくるかなー。ちょっと寂しい)。
でも踊りが重くなったということはなく、やはり爆発的に上手い!です。
あ、コンラッドのワディムもテクニシャンだということがよく分かりました。
滞空時間の長い複雑なジャンプを軽々と決めていて、ブラボーでした。
アリのイサックも良かったんだけど、この面子の中で見ると、やっぱり少し地味というか線が細いような(ダヴィッドもちょっと影が薄い…)。
ユルギータも上手い、というか堅実な感じだなぁ。
プログラム的にどうか?と思った第2弾でしたが、終わってみれば非常に楽しかったです。
そして、日替わりプロ、翌日がスティーヴンだということが分かり、ラプソディももう一回見たいし!ということで、突発的に当日券で行くことに…。
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