エトワール・ガラ2014
2014年8月3日(日)14:00開演 オーチャードホール
《プログラムA》
【第1部:約50分】 休憩:20分 【第2部:約35分】 休憩:20分 【第3部:約50分】
「ジュエルズ」より “ダイヤモンド”
振付:ジョージ・バランシン
音楽:P.I.チャイコフスキー
出演:ローラ・エケ&オードリック・べザール
「マノン」第1幕より デ・グリューのヴァリエーションとパ・ド・ドゥ
振付:ケネス・マクミラン
音楽:ジュール・マスネ 編曲:レイトン・ルーカス
出演:イザベル・シアラヴォラ&フリーデマン・フォーゲル
「白鳥の湖」第2幕より アダージョとヴァリエーション
振付:ルドルフ・ヌレエフ
音楽:P.I.チャイコフスキー
出演:アマンディーヌ・アルビッソン&マチュー・ガニオ
「マーラー交響曲第3番」より
振付:ジョン・ノイマイヤー
音楽:グスタフ・マーラー
出演:シルヴィア・アッツォーニ、アレクサンドル・リアブコ(デュオ)
~休憩 (20分)~
「3つの前奏曲」
振付:ベン・スティーブンソン
音楽:セルゲイ・ラフマニノフ
出演:ドロテ・ジルベール&オードリック・ベザール
ピアノ:金子三勇士
「月の光」 *世界初演
振付:イリ・ブベニチェク
音楽:クロード・ドビュッシー
出演:エルヴェ・モロー
ピアノ:金子三勇士
「オネーギン」より“鏡のパ・ド・ドゥ”
振付:ジョン・クランコ
音楽:P.I.チャイコフスキー
編曲:クルト=ハインツ・シュトルツェ
出演:アマンディーヌ・アルビッソン&フリーデマン・フォーゲル
~休憩(20分)~
「アルルの女」より
振付:ローラン・プティ
音楽:ジョルジュ・ビゼー
出演:シルヴィア・アッツォーニ&アレクサンドル・リアブコ
「イン・ザ・ナイト」
振付:ジェローム・ロビンズ
音楽:フレデリック・ショパン
出演:イザベル・シアラヴォラ&バンジャマン・ペッシュ、ドロテ・ジルベール&マチュー・ガニオ、ローラ・エケ&エルヴェ・モロー
ピアノ:金子三勇士
エトガラ最終日の感想です。
Aプロはサーシャ祭、という話もきいておりましたが、確かに!
もう1回くらい見たかった~。
第一部の白眉は、ハンブルク組のマーラー交響曲第3番。
これがまた、壮絶に素晴らしかったです。
始まって早々に涙が出てしまいましたよ。
シルヴィアとサーシャ、まさに珠玉のパートナーシップ。
シルヴィアに触れるサーシャの手の優しいことといったら!
文字通り、宝物を扱うかのように繊細なサポートに、溜息が出てしまいます。
サーシャとシルヴィアのそれぞれの踊りの質の高さは言うまでもありません。
一つ一つのステップ、パ、挙措はとんでもなく端正なのに、とても情感豊かで、時としてものすごくロマンチックに見えます。
技術と音楽性、表現力、どれをとっても群を抜いていました。
まさに至芸でございましたよ(終わってもしばらく、うっとりと夢見心地でした)。
一応頭に戻ってジュエルズ。
ローラ・エケとオードリック・ベザールは、大柄で舞台映えする二人だなぁと。
ローラは堂々としているし、硬質な美しさがあって演目に合っていたと思います。
可憐なタイプではなさそうなので、クラシックのお姫様はどうかなぁ。
オードリックは、首から背中のラインがイマイチな時があり、それがちと気になりました。
マノン。
イザベルのマノンは、天使のような美少女、というのとはちょっと違うと思いますが、コケティッシュな魅力たっぷりで良いのではないでしょうか。
何より足が魔性過ぎて怖い…。
あの足だけで、完璧なファムファタルを具現してるのではないでしょうか(まぁでもファムファタルだったらカルメンの方が良さそうか…?)。
フリーデマン、あのワンコ笑顔はデグリュー(ボンボン)には良いと思います。
白鳥の湖2幕、王子ソロ付。
マチューが絵に描いたような王子様で眼福でした(マチューの王子様って初めて見たかも?)。
どこを切り取っても、完璧なまでに美しい~、甘口~。
アマンディーヌのオデットももちろん綺麗でしたが、イマイチ印象に残らないというか、こういってはなんだが王子の方が麗しいなぁと・・・。
アマンディーヌ、良いダンサーだろうと思うし、身長もそこそこあるので舞台映えはすると思いますが、押し出しがちょっとというか、なんかあまり特徴が無いような(タチアナはカワイイ感じで良かったと思いますが)。
三つの前奏曲。
うーん、これあまり面白くな、いや、ドロテは何をやっても綺麗だと思いましたが。
イリの月の光、新作。
ああ、イリっぽいなぁと。
イリの振付は上手い人が踊ると楽しいですね、見応えがあって。
もっと緩やかな、たゆたうような振付を想像していたけれど、結構運動量の多い振付でした。
演奏のテンポはやや遅め。
音楽としてはどうなんだってところはありますが。
エルヴェは長身で手足も長いし、ものすごく舞台映えするなぁ。
オネーギン。
よく知ったダンサーならともかく、このシーンだけ見てもよく分からん、というのが正直なところ。
真打ち登場?サーシャ&シルヴィアのアルルの女。
いやはや、凄かった…。
サーシャ、フルスロットルで、文字通り渾身、入魂のパフォーマンスでした。
冒頭からいっちゃってる感たっぷりの虚ろな眼差しのフレデリ(サーシャ)に、必死に語りかけるひたむきなヴィヴェット(シルヴィア)。
愛を請いすがる女と、心ここにあらずでどこまでも相手を見ない男、という構図。
サーシャ、全然話きいてないよね、という感じで、シヴィアが不憫で不憫で。
この演目、こんなに物語性があったのね、とびっくりしてしまいました。
最初、シルヴィアは出番少なくてちょっともったいないかな?と思っていたんですが、純情可憐な乙女の雰囲気たっぷりで、その分、この演目の悲劇性が際だっていました。
そして、サーシャの演技が、というか、目がとにかく怖い。
最初の虚ろな感じもそうなんだけど、後半さらにヤバい感じに。
この人、狂気を演じさせたら天下一品ですわ…。
壮絶。
サーシャの踊りってどこまでも「きっちり」なんだけれど、それでいて爆発的というか、凄みのある演技も相まって、後半のテンションのあげっぷりが素晴らしかったです。
会場も大盛り上がりでした。
イン・ザ・ナイト。
微妙にアルルの女で色々使いはたしてしまったんですが。。。
三組それぞれの色があり、オペラ座らしいエレガンスが感じられて良かったと思います。
バンジャマン、Aプロで踊るのこれだけか!と思ってしまいましたが。
ドロテ・マチュー組は、本当に麗しいですね。
眼福、眼福。
演奏は、うーん、ロビンズの演目を見ると、割といつも思うんですけど、ショパンに聴こえねェ……(これはロビンズのせいかもしれませんが。ショパンの楽曲を使うにあたって、あまり深く考えてなかったんじゃないだろうか。ショパンの楽曲の民族的なリズム感みたいなものもうちょっと敏感だったら、ああいう振付にはならないかもね、と思ったり)。
ABプロともに、オペラ座らしい洗練・エレガンス・華やかさを堪能。
そして、ハンブルク組は別格というか異次元というか、いやもう本当にこの二人で全幕を見たいです(遠征の妄想が数日頭を巡っておりましたが…)。
何はともあれ、ダンサーの皆様、暑い中来日してくれてありがとうございました!
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