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2017年7月 6日 (木)

Piotr Anderszewski Piano Recital

今更ですが、備忘録として(もう大分忘れてますが)。

Piotr Anderszewski Piano Recital 安德佐夫斯基鋼琴獨奏會
2017年3月12日(日)19:30 National Concert Hall 國家音樂廳(台北)

<プログラム>
Mozart: Fantasia in C minor, K. 475
Mozart: Sonata No. 14 in C minor, K. 457
Janáček: On an Overgrown Path, Book II
Chopin: Three Mazurkas, Op. 56
Chopin: Three Mazurkas, Op. 59
Chopin: Polonaise-Fantasie, Op. 61

Piotr Anderszewski Piano Recital

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ピョートル・アンデルシェフスキ、台北リサイタルに行ってきました。
ナショナルコンサートホール、キャパは2074席だそうで、結構大きなハコでした。
3階席の販売は無しで、8割くらいの入りでしたかね。

前半はモーツァルトで、1785年出版の幻想曲k.475とソナタk.457。
ソナタの前奏としての幻想曲という意味合いもあってか、幻想曲からソナタは間髪入れずの演奏でした(プログラムにも、連続演奏の記載あり)。

それにしても、昏い。
左手が下支えしていて、重心が低い。
CDの印象よりも大分重厚。

幻想曲は、地を這うような導入。
ウェットな響きは、暗闇の中、湖面を滑るように進む舟を想像させる。
単調から長調に切り替わって、おや浮上するか?と思わせるものの、どうにも浮かびあらない。
希望の光が無いわけではないけれど、あちこち彷徨った挙句、結局は救われない、そんな音楽。

アタッカでソナタへ。
いやそれにしても堅牢なモーツァルトですこと。。。
力強くて骨太な印象で、ベートーヴェン的。
タッチがやや重たいように思ったけれど、これは意図的なものなんでしょう。
3楽章を聴きながら、モーツァルトは「悲しい」のかもしれないけれど、アンデルシェフスキのモーツァルトは、疾走する哀しみではないのだなぁと思う。
後半の間(ま)の取り方のせいだと思うけれど、さっと過ぎ去ってしまう悲しみではなくて、暗い奈落を目にするような、そしてその時が永遠に止まるような、そんな気にさせられました。

黒アンデルさん炸裂で、これはもう、ピアニストのインナーワールドにみっちり付き合う時間だなと。
やり過ぎ感が無くも無い、濃密かつへヴィなモーツァルトでした。


休憩後はヤナーチェク。
繊細なピアニシモで、オーガンジーを何枚も重ねるように、不思議な響きを何層もふわりと浮かび上がらせる至芸。
見事に手の内に入った演奏で、支離滅裂というか、話題が前触れもなくコロコロと変わるかのようなヤナーチェク節を、実にナチュラルに、スムーズに表現。
話題も気分も目まぐるしく変わるのに、音楽の流れに違和感が無いのが不思議。
音楽のアクセントの位置、リズムの重心が独特だと思うけれど、とっちらかった感じにならないのはさすがです(リズムなんかは、言語的な近さも関係あるのかな、と思ったのですが、そんなに近くも無いのかな)。
とはいえ、切迫感、奇矯さ、唐突さといった要素も、随所で見事に前に出てきます。
そして、アンデルシェフスキは、横の旋律の作り方だけではなく、縦の表現(和音)も上手いです。
横の線というか、面的なものを、和音で上から切り裂くような印象。
なんかそういう意味では、ヴィジュアルな演奏でした。

マズルカはお国モノと思ってきくと、え?え?え?と思うかもしれません。
ポーランドの田舎の土っぽい民族舞踊とも、フランスの貴族的洗練ともちょっと違うよなぁ、、、と。
たとえが正しいか分かりませんが、何となくバルトークっぽいなと。
最近思うのは、彼はショパンよりバルトーク、ヤナーチェクの方がしっくりくるということ。

ポロネーズ・ファンタジーは、良かったんですが、一部見通しが悪い気がしたのと、ここぞというところでするっといかれてしまった感が。
うーん、期待値が高過ぎたかな。
冒頭の入り方とか、リズム感なんかは素晴らしいと思ったんですが。
次に期待、というところでしょうか。

次はワルシャワで聴く予定です。
(秋に西日本に来ますが…)

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