ハンブルク・バレエ ニジンスキー 2017年10月14日(土)@バーデン・バーデン
バーデン・バーデン、ハンブルク・バレエのニジンスキー、2日目(10/14)感想。
2日目はアレクサンドル・トルシュが主演。
サーシャ目当てではありましたが、せっかくなのでキャスト違いも見に行きました。
ニジンスキー:アレクサンドル・トルシュ
ディアギレフ:エドウィン・レヴァツォフ
ロモラ:シルヴィア・アッツォーニ
ブロニスラヴァ・ニジンスカ:Lucia Rios・ヘイルマン
スタニスラフ・ニジンスキー:アレシュ・マルティネス
タマラ・カルサーヴィナ:Xue Lin
ニジンスキー(『謝肉祭』のアルルカン):クリストファー・エヴァンズ
ニジンスキー(『ばらの精』):クリストファー・エヴァンズ
ニジンスキー(『シェエラザード』の黄金の奴隷):マルセリーノ・リバオ
ニジンスキー(『牧神の午後』の牧神):マルセリーノ・リバオ
ニジンスキー(ペトルーシュカ):Konstantin Tselikov
レオニード・マシーン: Leeroy Boone
キャストが変わって、初日とは全然別の話みたいでした。
トルシュのニジンスキーは、外見も中身も若いです。
というか、幼い感じで、才能はあるけれどそれ以外は子供、みたいな役作りかな。
踊りは柔和で、ちょっと中性的な雰囲気があります(なので、初日の薔薇の精は合ってたと思う)。
線が丸くて、エッジが鋭い感じではなく、柔らかい感じがちょっとバリシニコフを思わせます。
レヴァツォフのディアギレフは傲慢というか酷薄というかで、ニジンスキーのと間にある感情は一体何なのか、と思ってしまうところがありまして。
ディアギレフがニジンスキーに対してかなり支配的、威圧的で、支配する/されるの、ネガティヴな関係に見えました。
初日のイヴァン・ディアギレフとサーシャ・ニジンスキーの間には素直に愛があって、むしろニジンスキーとロモラとの関係の方がよほど屈折してる印象だったので、あれれ?と。
2日目を見ての比較になりますが、イヴァン・ディアギレフとサーシャ・ニジンスキーの組み合わせは、この2人ならではのケミストリー、ポジティヴな関係性があったと思うんですよね。
いかがわし過ぎない色気があったのも良かったなぁ。。。
2日目、ロモラとの出会いのシーンは、割とシンプルなboy meets girl風。
華奢で少女っぽいシルヴィア・ロモラと、少年のようなトルシュ・ニジンスキーの組み合わせで、2人の物語が、あまり打算とかいやらしさを感じさせない、綺麗な愛の物語になってる感がありました。
シルヴィアのロモラは、さすがにトルシュよりもオトナな感じではありましたが、手練手管を駆使してニジンスキーを誘惑する、などという風には当然ならないわけで。
初日の方が牧神がそこにいる意味が納得できる感じで、ニジンスキーがあまりロモラを見ていない感じがあって、牧神によってフェティッシュあるいは性愛の部分がフィーチャーされてたのかな、と。
2日目は、牧神が恋の訪れを象徴しているような印象。
恋の熱狂が去って我に帰るニジンスキーと、牧神が去っていくのがリンクしているような。
ニジンスキー、割と単純に恋が燃え上がって(ディアギレフからロモラに乗り換えて)結婚したはいいけれど、それがディアギレフにバレて怯える、というのがいかにも世間知らずな天才っぽいなぁと思いました。
兄スタニスラフのアレシュは三日連続(お疲れ様・・・)。
ペトリューシュカのシーンがあって兄、そしてハルサイという流れですが、ペトリューシュカはもう少し見せ場になっても良いかな、と思いました(これはダンサーの力量によるような気がする)。
まぁ、盛り上がりの山が2つあって、兄のシーンでグンとテンションが上がって、ピークでハルサイに突入という流れは、それはそれで良かったです。
シルヴィアのロモラは健気で、ロモラとニジンスキーのPDDは切なかったです。
トルシュは全体的に、狂気そのものというよりは、怯えや困惑、恐怖といった、狂気に至る原因の方が前に出てる感じがしました。
サーシャは逆に、常に狂気をはらんでいて、それがグラデーション的に現れる感じ。
2日目は、冷静に見られたらこともあり、その分全体がよく見えたのは良かったです。
どうしても初日との比較になりますが、2日目は主役が牽引というよりは総合力で見せる感じではあったかな。
ロモラの部分が綺麗な愛の物語になっていて(これはシルヴィアによるところが大きかったでしょう)、それはそれでありだろうと思います。
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