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2018年4月

2018年4月 9日 (月)

【新譜】Shostakovich: String Quartet No. 3 Piano Quintet

B07B6JHHKSShostakovich: String Quartet No. 3 Piano Quintet
Belcea Quartet Piotr Anderszewski
Alha 2018-04-06

by G-Tools

ベルチャ・カルテットとアンデルシェフの新譜。
アマゾンは在庫切れになってますが、HMVでは4/13発売になってます。

ピョートル・アンデルシェフスキ、ベルチャ四重奏団
ショスタコーヴィチ:
1. ピアノ五重奏曲ト短調 Op.57
2. 弦楽四重奏曲第3番ヘ長調 Op.73

outhere musicのサイト(サンプル音源あり):
outhere music


トレーラー


ショスタコのピアノ五重奏曲、ネトラジで最初聴いた時は、ぴおとるさんがショスタコ?!って思いましたが、去年ワルシャワのコンサートのアンコールで最終楽章第3楽章を聴いて、それがすっごくカッコ良かったので、CD発売はすごく楽しみです。

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ピョートル・アンデルシェフスキ ピアノ・リサイタル@ヤマハホール

ピョートル・アンデルシェフスキ ピアノ・リサイタル
2018年03月18日(日)
開場13:30 開演14:00
ヤマハホール
ピョートル・アンデルシェフスキ ピアノ・リサイタル

<プログラム>
J.S.バッハ/平均律第2集ハ長調(第1番) ※当日追加
W.A.モーツァルト/幻想曲 ハ短調 K.475
W.A.モーツァルト/ピアノ・ソナタ 第14番 ハ短調 K.457
L.ヤナーチェク/草陰の小径にて 第2集
J.S.バッハ/イギリス組曲 第6番 ニ短調 BWV811

Dyj0ohhumaajui

アンデルシェフスキ@ヤマハホール、当初発表のプログラムに追加が有り、バッハの平均律第2集ハ長調(第1番)が加わりました。

この日は(当然?)ヤマハのピアノ。
音が大きくて、輪郭が丸い楽器。
ホールの音響もあるのか(決して良いとは思われず…)、一枚幕がかかったような、こもった印象もありました。
足元をよく見てなかったけれど、ソフトペダルを踏むとかなりくぐもった音になる楽器だったのかも?
前日のトリフォニ―とあまりにも音の傾向が違い、かなり面食らいました。

前半、ハ短調のモーツァルト2曲の昏ーい世界に、ハ長調の平均律が加わって、プラマイややマイナスくらいの感じだったでしょうか。
ゆったり穏やかなプレリュードに骨の太いフーガの組み合わせからモーツァルトの幻想曲へ、天国から一転して地獄へと思いきや、あれ?そんなに昏くないか、、、と思い直し。
モーツァルトハ短調2曲は太くて丸く、音が篭り気味。
だけど演奏自体は完璧に手の内に入っていて、ダイナミクスもエモーションも非常に振幅が大きかったです。
極めて濃密で、雄弁な表現。
ソナタ2楽章は薄膜がありつつも、温かく慰撫するような雰囲気でした。
これはこれで、丸い音色に合ってたかも?
ただ、3楽章はちょっと鈍重に響いたかな。

ともあれ、前半を聴いた限りでは、お元気そうで(すみだより元気)、一安心。

ヤナーチェクは、あれ、これタイトルIn the mistsじゃないよね?と思わず突っ込みたくなるほど、ここ霧の中???なスタートでした。
茫洋とした景色が広がっていたのが、段々視界が晴れていくような効果といえば効果、なんでしょうかねぇ…。
精妙で繊細な響きが際立ったすみだの演奏とは大分印象が異なりました。
神秘性はやや減じた分、奇矯さやスラヴの民族色、力強さが前に出て聞こえたような。
ぴおとるさん@倉敷で聴いた時にはスラヴのインナーワールド&モノローグって書いたけど、この日はもっと強靭で外向きな演奏だったような気がします。

トリはキレまくりの英国6番。
プレリュードの対位法が鮮やかに冴えまくっていて、息もつかせぬほど。
ただ、中間のアルマンド、サラバンドなんかは割とあっさり目で、Doubleは昨日と違う曲に聴こえちゃったかなぁ…。
プレリュード、ジーグといった緻密な技術で構築する曲が圧倒的でした。

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アンコールはこちら。
ショパンのマズルカ、しみじみ味わい深くて良かったです。
お国モノらしくナチュラルなショパン、というよりももう一歩踏み込んで、マズルカ的なリズムを厳し目にとってるような演奏。
あと一歩でやり過ぎ感が出ちゃうかもしれませんが、でもそこが良いんですよね。


すみだではサイン会はありませんでしたが、ヤマハでは狭いロビー?でサイン会がありました。
順調に回復のご様子で良かったです。

人間なので、不調の時もありましょう。
ファンなので、病める時も健やかなる時も、とは思いますが、次は体調万全でいらしていただけますように。

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2018年4月 4日 (水)

Happy Birthday Piotr !!

Happy birthday Piotr!!
I wish your great fortune & good health.
I am looking forward to your performances in Japan this autumn.

(ヤマハのレビューがまだ書けておりませんが…)

4月4日はアンデルシェフスキさんのお誕生日です。
ぴおとるさん、おめでとうございます。
善き1日、健康でハッピーな1年になりますように。

秋の来日が楽しみです(リサイタルあると嬉しいなっと)。

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2018年4月 2日 (月)

ピョートル・アンデルシェフスキ ピアノ・リサイタル@すみだトリフォニ―ホール

トリフォニーホール・グレイト・ピアニスト・シリーズ2017/18
ピョートル・アンデルシェフスキ ピアノ・リサイタル
2018年3月17日(土) 18:00開演(17:30開場)
会場:すみだトリフォニーホール 大ホール

公式HP:トリフォニーホール・グレイト・ピアニスト・シリーズ2017/18 ピョートル・アンデルシェフスキ ピアノ・リサイタル

日本公演直前のロンドン公演(協奏曲)をインフルでキャンセルの報(LSOの公式ツイッタのアナウンス)がツイッタ上を飛び交い、少々騒然としたようでしたが、ぴおとるさん、無事に来日されて本当に良かったです。
3月頭から死にそうなハードスケジュールだったので、多少は心配しつつ、まぁでもなんだかんだで日本公演は来るだろう、、、と(根拠なく)思ってたんですが、インフルとはね。。。


「オール・バッハ・プログラム」
平均律クラヴィーア曲集第2巻より前奏曲とフーガ6曲
イギリス組曲 第3番 ト短調 BWV808
イギリス組曲 第6番 ニ短調 BWV811
という事前発表でしたが、最終的なプログラムはこちら。

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どれもバッハ弾きの面目躍如という演奏でしたが、中でも、弾くよ、と秋にアナウンスしていた(そして本当に弾くのか???と若干ヤキモキしていた)平均律が、生煮えなどということも全くなく、とってもとっても良くて、雑味の無い素晴らしいバッハでした。
ハ長調はゆったり始まり、フーガも明るさがあって光のバッハという印象。
変イ長調(17番)は優しいまっすぐなバッハ。
えぐみの無い、白いバッハだったなぁと。
平均律の嬰二短調(8番)、前の2曲は長調だけどこれは短調。
ぴおとるさんは明るいバッハも良いけど、短調のバッハが真骨頂かもしれない、と思わせる演奏でした。
嬰二短調のフーガがしみじみ良かったです。
この世にバッハの音楽とぴおとるさんしかいないというような純度の高さで、ふと、これは神様と繋がる音楽だなと思い至りました。
神といっても、純粋な信仰心の発露というシンプルな話ではなくて、神なき時代、世界で、それでも垣間見える神的なもの、真実、というニュアンス。
これは、あるいは宇宙の真理とか理(ことわり)と言い換えられるかもしれません。
孤高といえば孤高の音楽なんでしょうけれど、全く冷たくないし、近寄りがたいというのともちょっと違う。
本人すぐそこにいるんだけど(私最前列だったので)、宇宙へのドアや窓が開いてるのを間近に眺めるというか、ぴおとるさんが宇宙へのドアを開けてくれて、私は開け放たれたドア越しに宇宙の深淵を垣間見る、そんな感じじでした。
ああいうバッハは他ではなかなか無いんじゃないかと思います。

英国組曲は3と6で、6の方が良かったかと思います。
3ももちろん全然悪くなかったけれど、貯金で弾いてるかなぁとちょっと思ってしまいました(辛口で失礼)。
6は長いけれど切れずに食らいついてるというか、一生懸命弾いている感も。
英国6については、「これ以上の演奏はもう金輪際無いよね」というピョートルさんの神演奏を、結果的には3回も聴いちゃってるので(サントリー、ケーテン、倉敷)、基準が上がっててコメントが難しいところはあります。
とは言え、英国6のDouble、鬼のような繊細さには魂を持ってかれました。
弱音の完璧なコントロールと精妙な歌い回し、深々とした語り口で、綻びの無いまったき世界になっていたなぁと。宇宙を音楽で読み解くと、きっとこうなるんだろう、と思わせる演奏でした。


辛いことを言うと、特に前半かな、気持ち左が立って聞こえてこないとか、左手のピアニシモの鳴り損ねなんかもああって、あれれ?と思った部分は無きにしもあらず。
若干モノフォニーな印象がありました(特に平均律のプレリュード)。
まぁ、楽器の塩梅とか聴く位置の問題もあったろうと思いますが、鳴り自体は良かったので、ピアニシモの鳴り損ねはちょっと勿体無かったような。
指回りも、水も漏らさず、という感じではないところもあり、まぁ病み上がりだしねー、と思ったりもしましたが、この辺はあくまでも本人比なので、周囲の厳しめピアノクラスタの皆様の評価は上々でございました。


アンコールはこちら。

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アンコールのバガデルもマズルカも絶品でしたが、白眉はヤナーチェク。
途中、3曲目くらいから、お、これは全曲コースだ、明日のリハだーと思ってニヤニヤが止まりませんでしたが、結果、まさかの全曲演奏、しかも思いっきりガチ演奏でした。
不穏、不可思議な音の連なりを不穏なまま最高に美しく響かせる至芸を堪能いたしました。
翌日はヤマハピアノだったので、すみトリの音響&スタインウェイでヤナーチェクを聴けたのは本当に良かったと思います。


色々不安要素はありましたが、良いコンサートでした。
ゴリゴリ攻め攻め、アグレッシヴで鋭利なバッハ(良い時の英国6とか)も良いですが、ちょっと違う方向も見せてもらったなぁと思います。
今までの、シャープで動的なバッハから、形の謹厳さはそのままに、もっと大きな世界へ、という印象がありました。

今回は、直前の来るの?来ないの?騒ぎ?で、チケット売りのラストスパートが厳しかったでしょうから、仕方ないかなぁとは思うんですが、もうちょっとチケットが売れても良かったと思います。
今までももちろん素晴らしいバッハ弾きだったと思うけれど、平均律ではまた違うステージに上がったなぁ、という印象もあり、今がピアニストとして一番充実している時期だろうし、本当に勿体ない。
バッハが渋いとかそういうことではないと思うんですよね。
たとえばシフだったら完売コースだろうし、知名度の問題なんでしょうかねー。
人気が出過ぎてチケットがとり難くなっても困るんですが、週末だしもうちょっと入って欲しかったです。

翌日のヤマハホールのリサイタルは完売で安堵。

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