カテゴリー「オペラ座の怪人」の10件の記事

2014年6月27日 (金)

「オペラ座の怪人25周年公演DVD」とJOJ(ジョン・オーウェン-ジョーンズ)

B009A53I32オペラ座の怪人 25周年記念公演 in ロンドン [DVD]
ジェネオン・ユニバーサル 2012-12-05

by G-Tools

このブログ、一応「オペラ座の怪人」カテゴリがあるんですよね、そういえば。

「オペラ座の怪人」25周年記念公演の映像(2011年10月1日・2日/ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールにて開催)。→公式HP
このDVD、2年くらい買って見た時は、セルゲイ・ポルーニンが出ててビックリして(セルゲイ、生で見た時にちょっとアレ?って感じだったんですが、このDVD見ると良いダンサーだなって思うんですよね)、その印象ばかりが印象に残ってしまって他のことをあまり覚えてないという。
もちろん、主演のラミン・カリムリーのファントム、シエラ・ボーゲスのクリスティーヌ、歌も演技もビジュアルも素晴らしいし、美術も超豪華で言うこと無し、ということくらいは記憶にありますが、ハイ。
あ、ラミンの歌は直球勝負で、直情的なファントム、ですかね。

その時にカーテンコールまでちゃんと見たんかな、いや見たと思うんだけど、いまいち覚えいてないんですよね。
というか、サラ(・ブライトマン)とロイド=ウェバー御大のツーショットは覚えているんだけど、ううう、みたいな(多分何かやりながら斜めに見てたと思われる)。

というのはですね、最近、ふと気まぐれに見直してみたら、豪華絢爛な本編のみならず、カーテンコールのゴージャスっぷりに仰天してしまいまして。
ロンドン初代・ファントムのマイケル・クロフォードが歌わなかったのはちと残念でしたが、歴代ファントム+サラ・ブライトマンのパフォーマンスが超素晴らしい~。
まぁ、サラは貫録たっぷりでむしろおっかなかったですが、まぁ彼女の場合出てきて歌うということが大事というか。

歴代&各国ファントムの歌い比べが楽しかった~。
コルム・ウィルキンソン(カナダ初代ファントム)→アンソニー・ワーロウ(オーストラリア初代ファントム)→ピーター・ジョーバック(ペーテル・ヨーバック、この段階のロンドン次期ファントム)ジョン・オーウェン-ジョーンズ→(この段階のロンドン・ファントム)と歌い繋いでいく趣向。
最後は、この公演のキャストであるラミン・カリムリーも参加してマイケル・クロフォードと握手したりで感動的なカーテンコールでした。

以下、感想。

コルム・ウィルキンソンはお爺ちゃんな感じですが、なかなかしっかりしてて、ちょっと泣きが入る感じのファントム。

アンソニー・ワーロウは朗々とした壮年ファントム。
声低めな感じですが、このファントム像、なかなか好きです。

ピーター・ジョーバックは、キャラがちょっと若い感じで、マイケル・クロフォードにちょっと近いかなー。
若々しいんだけど、ちょっと歌謡曲っぽい雰囲気かも(ヘタすると小粒に聴こえるような気がするけれど、実際はどうだろう)。

ジョン・オーウェン-ジョーンズは、桁外れの美声でしかも激ウマですなー。
パパーンと遠くまで声が通る&響く感じで、聴いた瞬間に、ぎょええええ、ナンジャコレ~って笑ってしまいましたよ、本当に。
上品なトランペットって感じのすんごい伸びと響き。
ああああ、この人のファントム、生で見たいわ~~~と盛大に悶えてしまいました。
もし仮に、今ロンドン・キャストだったりした日には、多分ロンドンにとんでたと思います(ちょうど夏の旅行の予定を立てているタイミングでもあり…)。
つか、なんでこの公演、この人が主演じゃななかったんじゃろかー(あ、ラミンが悪いというわけではありません、念のため)。
映像化ってことで、ヴィジュアル重視でラミンだったのかしらねぇ。
怪人だから別にヴィジュアルどうでも良いだろうって気もするんだけど、ラミンの方がすらっとして見えるというか。
もちろん、この時まさに現役ファントムだったわけで、本公演(Her Majesty's theatre)の方があったから無理だったのかもしれませんが(っていうか、この日は本公演はどうしてたんだろう?アンダー?終わってから来たとか…?)。

まぁそんなわけで、すーかりジョン・オーウェン-ジョーンズのファンになってしまいましたとさ。
大げさではなく、声を聴いて1秒で陥落しました。
今ボチボチ、CDだの動画だのでJOJを聴いてますが、私のミュージカル・ライフ(といってもそんなに量見てませんが)の中で、間違いなく断トツで上手いです。

とりあえず秋には来日するようなので、絶対聴きに行きます!
Bunkamura

そういえば、ロンドンファントム観劇日記があった。→ちょっとロンドン 2日目 その2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005年8月29日 (月)

[映画]オペラ座の怪人 コレクターズ・エディション

B0007D3NK4オペラ座の怪人 コレクターズ・エディション (初回限定生産)
ジェラルド・バトラー ジョエル・シュマッカー エミー・ロッサム
メディアファクトリー 2005-08-26

by G-Tools

「オペラ座の怪人」DVDが到着。映画館でも「ちょっと長いな」と思ったけど、家で見るとますます長い。見てると途中から超豪華なBGMと化していくような。

今回は、内容のレビューではなくて、劇場版から修正された字幕について。一応、ネタバレ注意。







今回の字幕修正の最大の焦点、「情熱のプレイ」。とりあえず「プレイ」は無くなって、「情熱の受難劇」になった。どうしても「情熱」を残したかったと見える。
なお、辞書を引くと「passion play」=「受難劇」なんだけど、必ずしも「受難劇」という意味だけではなくて、passionを「男女の情欲」の意味に取って、文脈によっては男女の性的な行為を指すという話もある。なので、ここの訳語として、「受難劇」が100%の妥当性を持っているのかどうかは議論が分かれるのかもしれない。
それにしても、「情熱の受難劇」って一体どんなだ?

「You are not alone」のところは「あなたに惹かれたことを!」から「あなたが孤独ではないことを!」に変更。

Pitiful creature of darkness.
What kind of life have you known?
God give me courage to show you
you are not alone.

暗闇に息づく何と哀れな生物。
あなたは一体どんな人生を知っているの?
神様が与えて下さった勇気であなたに示そう。
あなたが孤独でないことを!

というわけで、前後の矛盾も無く、ここでクリスティーヌを満たした感情がファントムに対するPity(哀れみ、慈愛)であることが良く分かる訳になった。クリスティーヌ、これで尻軽女とか二股女とか言われなくなるよ。良かったね。

さしあたり、破壊力満点な2点が改善されたことは喜ばしい。恐ろしいことに、「You are not alone」が変わっただけで急に切ないお話に見えてきた。

とはいうものの。

「ファントム・オブ・オペラ」「エンジェル・オブ・ミュージック」「ミュージック・オブ・ザ・ナイト」「マスカレード」等々、「日本語になってません」「字幕は字数制限があるって散々言ってるけど、これだと字数増えてますけど?」なカタカナ多用はそのまま。なんでそんなにカタカナ使いたいかなぁ。音声に合わせようってことなのかもしれないけれど、冠詞が抜けてるところは音と字幕が一致しなくて気持ち悪いし。もちろん、カタカナの方が概念が正確に伝わるというのならその方が良いけれど、そういう訳でもなく、カタカナを使って逆にニュアンスがおかしくなっているところもある。「地を揺るがすその足音 あのドラムの響き!」(太鼓で良いかと。戦鼓のことでしょ?)とか「あなたは舞台のファーストレディー」(ファーストレディーというと大統領夫人をイメージするんですけどね)とか。

最後の三重唱は、3段にしても良いから3人分載せて欲しかった。DVDなんだから、仮に追っかけ切れなくても後で確認できるんだし、大事なシーンの場合、多少文字数が増えたって良いと思うんだけど。

今回の字幕修正は、なるべく元の字幕を生かしながら、目立ってクレームの多い箇所は直しました、という感じかな。誤訳も残ってるし、日本語の語法的におかしいところもあるし、全体的に「修正」の限界を強く感じさせる。「修正」である以上、事実誤認や明らかな誤訳、要するに致命的な箇所以外はいじり難いということだろう。確かに、人の原稿に手を入れるというのは非常にデリケートなことだし、ましてや、相手があんな大御所になってくるとやり難いことだろうことは容易に想像ができるのだが。

「キングダム・オブ・ヘブン」の字幕もDVD化に際して修正されるらしいけど、ちょっと心配になってきた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005年6月 9日 (木)

[映画]オペラ座の怪人⑤

前回からどれくらい間が開いたののかあまり考えたくないけど、オペラ座の怪人レビューの続き。

ファントムに比して、歌も外見も端正なラウル。パトリック・ウィルソンは実力派といわれるとおり、とても良い声をしているし、技術的にも危なげ無くて安心して聴いていられる。ちょっと普通過ぎて影が薄いかなぁ、インパクトという点でファントムに負けてるなぁと思ったけれど、この「普通である」、「真っ当である」ということは、「こちら側」と「あちら側」という対比、すなわち、ごくごく常識的な人間であるラウルと、芸術の世界に生きながらも闇の住人でもあるファントムとの対比を明白なものにするという意味で、重要なんだろうと思う。
ところで、オペラ座のCDを何枚か聞いてまわって分かったこと。歌だけに限定しても、巷には素敵なラウルというのはなかなか転がっていないということである。強烈にアホっぽかったり、小賢しそうだったり、のっぺりしてたりで、クリスティーヌがなんで惚れるのかよく分からないラウル君ばかり。そういう意味では、パトリック・ウィルソンはいかにも好青年な感じの爽やかな美声で、好感度という点では断トツである。しかも、ヒラヒラブラウスとか白馬とか剣戟といったベタな王子様系演出もそれなりに見えるのは立派と言うべき。お馬パカランパカランは何故か暴れん坊将軍思い出して笑っちゃったけど、そんなのは多分私だけだろう。

余談だけど、「白馬の王子様」という慣用句、英語だと「knight in shining armor」というフレーズをよく使うようだ。「白馬の王子様」だと個人的には何となく軽装で文弱(というか軟弱)の貴公子のイメージだけど、「knight in shining armor」というと、文字通り完全武装の武闘派男子である。このフレーズを見るたびに、英語的二枚目は単なる優男じゃなくて、馬に乗れるだけでもダメで、ン十キロもあるクソ重い甲冑を着こなしてなんぼってことなのか、とか馬鹿なことを考えたりする。アメリカ人のマッチョ好き、筋肉好きを思い起こすとあながち間違いではないような気もするんだけどなぁ(イギリスはどうなんだろう)。
ジェラルド・ファントムに関していえば、あの濃さは日本人的感性からすると一瞬イロモノ路線に見えなくもないんだけど、その実、マッチョ+キュート+セクシーというわけで、「ファントムにイイ男を!」という製作陣の気合が滲み出ているキャスティングである。その方向性が正しいかどうかは微妙だけど。いや、良いんですよ、映画だからね。。。私もファントム気に入ってるしね。。。

今回、気に入らなかったのが口パク。もちろん口パク(アフレコ)っていうのは当り前なんだけど、あそこまで歌ってないのが丸分かりなのもどうかと思う。ただ口を歌詞に合わせてパクパクされても、こちらはイマイチ盛り上がり切れないんだよなぁ。ああいう舞台的な演出なんだから、もうちょっと実際に歌っている雰囲気があっても良かったと思う。こういうのは役者の問題というよりかは演出サイドの責任だと思うけど、特に気になったのがエミー・ロッサム。なまじ聞こえてくる歌が良いだけに、目から入る情報と耳から入る情報が矛盾しててちょっと気持ちが悪かった。せっかく「主要キャスト吹替え無し」がウリなのに、何も知らないで見ると吹替えだと誤解する人もいるんじゃないかな。勿体無い。

さて、もはや映画の細部を全く覚えていないので、DVDを見直してなんか思うところがあったらまた書くということで、まとめもオチも何も無いまま連載終了。長かった。。。とりとめなくてすみません。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2005年5月21日 (土)

オペラ座の怪人DVD発売決定

B0007D3NK4オペラ座の怪人 コレクターズ・エディション (初回限定生産)
ジェラルド・バトラー ジョエル・シュマッカー エミー・ロッサム パトリック・ウィルソン
メディアファクトリー 2005-08-26

by G-Tools
B0009PIVR0オペラ座の怪人 通常版
ジェラルド・バトラー ジョエル・シュマッカー エミー・ロッサム パトリック・ウィルソン
メディアファクトリー 2005-08-26

by G-Tools


8月26日発売。今頃、字幕屋さんが修正を頑張ってる頃だろうか。
それにしても、特典映像付のコレクターズ・エディション、良いお値段だな。定価9,975円。しかも初回限定生産だし。UK版(特典映像約4時間、送料込みで約3000円くらい)輸入に心が揺れる今日この頃。国内版の特典映像もかなり充実しているようだけど、これで万が一、字幕が直ってなかったら返品しても良いですかー。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2005年5月16日 (月)

こんな記事が(「オペラ座の怪人」の字幕に関するJapan Timesの記事)

最近、ファントムにとり憑かれたせいなのか英語の話題に乏しく、段々ブログ名に偽り有りになりつつある。
何とかしないとなぁと思っていたところ、Japan Timesに字幕がらみでこんな記事が載ってたので、反省と共に「英文和訳」にチャレンジ(って、これもファントム絡みだけど)。さほど突っ込んだことは書いてなかったんだけど、せっかくえっちらおっちら和訳したのでアップしときます。
かなり荒っぽい素人訳であることはあらかじめご了承下さい。なお、記事内に登場する週刊新潮の該当記事は未読です。
あ、「ここ変だよ~」というのはじゃんじゃん教えて頂けると嬉しいです。

元記事
The Japan Times: May 15, 2005
A phantom loss in translation
By Geoff Botting

「オペラ座の怪人」は、オペラ座を恐怖に陥れ、出演者達を苦しめる-それらは皆愛する女性のためになされる-1人の醜怪な容貌の音楽の天才の物語である。

物語は1870年代のパリに初登場し(註1)、古典的なエンターテイメント作品になっている。ミュージカルとして上演される一方、何度も映画化がなされている。現在広く知れ渡っているアンドリュー・ロイド・ウェバーによるミュージカル作品は1986年に始まり、ブロードウェイと世界中の劇場を満員にして上演が続いている。

そして、ジョエル・シュマッカーによるエミー・ロッサム主演の「オペラ座の怪人」が昨年末に公開された際に大きな興奮を巻き起こしたのは、少しも不思議なことではない。

「オペラ座」ファンは、総じて落胆しなかった。映画版は、壮麗な演出によってのみならず、ウェバーの人気の高い、批評家にも称賛された舞台版の忠実な解釈に基く作品として、賞賛を勝ち取ってきた。

しかし、日本の一部のファンにとっては、興奮に落胆が入り混じることになった。付随する「翻訳」(註2)が忠実とは程遠いからだ、と週刊新潮は述べる。問題は字幕にあり、多くの場合において元々の英語の台詞の真の意味を伝えていないということらしい。

例えば、元々の台詞「You are not alone(あなたは1人ではない)」が、「I am attracted to you(私はあなたに惹かれている)」という意味に該当する日本語になっている。同様に、「angel in hell(地獄の天使)」が「angel of music(音楽の天使)」になっている。これだけではない。

あるウェブサイト(註3)からは多くの批判が上がっており、そこでは映画中の翻訳上の欠陥とされるものの詳細を示すリンクを提供している。このサイトは「オペラ座の怪人字幕改善委員会」と称するグループによって主催されている。

「(「オペラ座の怪人」の)字幕は、登場人物たちの性格を歪めており、物語の魅力を深刻に損なうほどである」と「委員会」はウェブサイト上で不満を漏らす。

いったいだれが責任を問われるのかについては、はっきりしている。戸田奈津子、映画の字幕作成において名高い翻訳家である。

戸田は68歳、日本ではとびぬけて著名な字幕翻訳家である。その長いキャリアにおいて、彼女は1000以上の映画を手がけたとされ、日本で公開された主要なハリウッド映画のほとんどがそうであると信じられている。

しかし一方では、彼女はその仕事の質に関しては厳しい批判の対象となってきた。「オペラ座」の騒動は、一番最近のケースに過ぎない。

同様の論争は2~3年前にも噴出しており、映画「ロード・オブ・ザ・リング」一作目において、台詞に誤訳があるとされた。

Todaは「オペラ座」に関する非難に対して、映画の翻訳は常に骨の折れる職人芸であると抗弁する。

「映画(字幕)を翻訳する際には、様々な制約があります」と彼女は週刊新潮に語る。「直訳しても文章になりませんし、意味が伝わりません」「ある程度自由な翻訳が必要になります」と彼女は説明する。

しかしながら、映画評論家の北川れい子は、芸術的に考慮するべき問題は別としても、不正確な翻訳は深刻な問題であるとする。

「もし、字幕が本当に悪い訳であるなら、その映画は欠陥商品ということになるでしょう。若い世代は、ますます、英語を学びに映画を見に行くようになっていますから、字幕は厳しくチェックされる必要があります」と彼女は言う。

一方、不満たっぷりの「オペラ座」ファンは、監督のジョエル・シュマッカーに誤訳疑惑について知らせたが、日本人の映画記者某によれば、監督は次(註4)は違う翻訳家を雇うという返事をしたという。

その上、別の翻訳家が元々の字幕の間違いを直すために呼ばれたという。その仕事には多少時間がかかるかもしれない(註5)。

註1 原文は、The story, which debuted in Paris in the 1870s, has become a classic piece of entertainment.物語の舞台の1870年代と原作の出版年(1910)とを混同?
註2 "version"という言葉をわざわざ使ってる。version=「訳文」という意味だけど、脚色、翻案されたもの、作りかえられたものというニュアンスも込められてるのかな?映画が「舞台版の忠実な解釈」に基いているのに、字幕は「作りかえられている」という皮肉かも。
註3 元記事にはリンク有り。
註4 次って何のコト?なんか微妙に話がズレてる気が。。。
註5 DVDのこと?

| | コメント (7) | トラックバック (2)

2005年5月15日 (日)

[映画]オペラ座の怪人④

さて、ファントム。おそらく、今回主要キャスト3人の中では最も賛否両論激しいキャスティングだろう。ごつくて足音デカそうで、オペラ座に隠れ住んでるというにはちょっと存在感があり過ぎ。地下で筋トレでもしてるんですか?と思わず質問したくなるようなマッチョぶりである。そもそもPhantomって、亡霊、幽霊って意味だよね?そりゃ、あちらの亡霊は足音しても全然おかしくないけどさ、でもさ・・・。もうちょっと得体の知れなさみたいなものがあっても良いんじゃないのかとか、ちょっと生々し過ぎて普通の男にしか見えねーぞとか、思考がややとぐろを巻く。

でも、それよりもさらに悩ましかったのがお歌。ジェラルド・バトラーの声も歌い方も、ちっとも「音楽の天使」って柄じゃなくて、相当荒っぽい。特に高音のぶら下がりっぷりは、何というか、豪快。映画館では華麗な映像美にまんまと懐柔されつつも、「うーん、これは果たしてアリなのか?」と、終始釈然としなかった。ファントム像としてどうのこうの以前に、彼の歌唱力をロック調(Byパンフ)という言葉で弁護するのはキツイと思うけどな。

と、これだけケチョンケチョンに書いといてなんだけど、慣れというのは恐ろしいもので、よくよく聴いてたら「まぁいいや」という気分になってきた。あの乱暴な歌い方も体育会系ファントムには合ってて、トータルとしては矛盾のないファントム像になってるような気もするし(あまり神秘性のないパワー勝負なファントム、という意味で)。あとは伝家の宝刀「これは映画だしね!」を抜けば、これはこれでとても面白く、心穏やかに聴ける。ミュージカルの生舞台だったら暴れてるけどね。。。

むしろ問題は歌ではなくて、やたらと高い男前度の方。若くてフレッシュというにはあまりにも暑苦しいし(あの容姿にあの衣装はあまりにもヘヴィーでしょ)、ものすごいハンサムでもないんだけど、仮面をしてても流れ出てくるあの色気はちょっと犯罪的というか、ある意味、破壊的というか。ファントムが無闇やたらに色気を振りまけば振りまくほど、話が至極単純な三角関係に堕してしまうと思うのは私だけだろうか。ひたすら「セクシーに!」と注文を出したという監督、その辺どーなんでしょ。
クリスティーヌがファントムに惹きつけられて止まないのは、いろいろ理由はあるけれど、まずは彼が音楽的・芸術的な絶対者、至高の存在だからであって、あまりそこに色恋、特に肉欲を強く思わせる要素が入ってくるのはマズイような気がする。もちろん、世間には芸術性に惹かれる=色恋が成立するという事例は多々存在するけど、クリスティーヌにとってのファントムは「偶像」であって(ファントムにとってのクリスティーヌもそうだけど)、偶像というのはあくまでも崇拝・憧憬の対象。言ってみれば、地上の愛=俗愛ではなくて、天上の愛=聖愛の世界であって、いわゆる色恋とはちょっとニュアンスが違うと思うんだけど。と、また思考がとぐろを巻いてくる。

とはいえ、「The Point of no Return」はそんな私の釈然としない思いを粉砕して余りある名場面だ。思わず私は、ファントムとクリスティーヌの結び付きの深さを見せ付けられて、愕然として目に涙を浮かべるラウル君に同情してしまったよ。このシーンが官能美に満ちたド迫力シーンになったのは、ひとえにジェラルド・バトラーの暑苦しいまでの存在感と色気があったればこそ。

そんなこんなで、結構気に入ってるジェラルド・ファントムだったりする。

すいません。。。まだ続きます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005年5月13日 (金)

[映画]オペラ座の怪人③

さて、この映画のキモ、キャスティング。主要キャストに「シカゴ」みたいにダンスらしいダンスが無いだけまだマシだっただろうけど、歌えてしかも大画面のアップに耐え得る容姿という条件はかなり厳しいはず。それに、「オペラ座の怪人」の主役二人の歌はかなりハードというか、あれ、生舞台でやるのって技術的にも体力的にも相当シンドイんじゃないだろうか。舞台人というのは本当、偉大だね。かといって、才能があって見てくれの良いミュージカル俳優をキャスティングすれば良いというほど単純な話ではない(パトリック・ウィルソンはその路線だけど)。舞台でオーラバリバリの人がスクリーンでも魅力的かというと多分そうではなくて、映画俳優と舞台俳優とでは(TV俳優もだけど)、求められる資質や才能はさほど一致しない、というのが私の印象。その辺のことを考えると、「オペラ座の怪人」はミュージカル映画だったらこの辺に着地するんだろうな、というあたりに上手くおさまっていると思う。

可憐で白い衣装がよく似合うエミー・ロッサムのクリスティーヌ(どうでもいいけど、「Think of Me」の衣装は、ヴィスコンティの「山猫」がモデルのようですが、私には「エリザベート」のシシィに見えて仕方がなかった)。ものすごい美女というわけではないけど、逆にそれが温かみになっていてストーリー展開的には説得力があるような。
そして、あの容姿にあの声が同居しているというのは、もう僥倖と言っていいだろう。元々クラシック畑出身で、NYのメトロポリタン歌劇場の子供コーラスでも歌っていたというだけのことはあって、難しいことも軽々こなしている感じだし、よく伸びる高音に瑞々しさと透明感に溢れる素晴らしい声質。贅沢を言えば、ちょっと声の良さに頼りすぎているというか、もうちょっと表現に幅や陰影が欲しいような気もするけど。クリスティーヌが複雑な三角関係に揺らぐ心情みたいなものをもう少し歌そのものから感じ取れれば良かった。クリスティーヌが二人の男の間で何を考えているのかよく分からないという批評を見かけるけど、この辺は演技力の問題というよりも、(音楽的な)表現力の問題だろう。ただ、それを十代の歌手に要求するのはあまりにも酷であることも確かで、年齢を考えれば120点満点。5年後くらいに、是非ファントム生舞台で彼女のクリスティーヌを見てみたい。女優業に専念とかいって、歌、やめないでね。

終わりそうにないな、この文章。なんでこんなにダラダラ書いているのか自分でも謎なんだけど、まだまだ(?)続く。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005年5月11日 (水)

[映画]オペラ座の怪人②

というわけで、冒頭のパイプオルガンによって高らかにミュージカル宣言をした「オペラ座の怪人」。文字通り、ミュージカルそのものだった。ミュージカル嫌いの人にとったらすごくつまらない映画かもしれない。
これは予想だけど、演出も舞台とあまり変わらないんじゃないだろうか。例えば、ファントムとクリスティーヌがオペラ座の地下に舟で降りていく時に、燭台がニョキニョキと水中から生えてくるシーン、これ絶対舞台でもやってるだろ!と思わず映画館で突っ込んでしまったけど、どうやらその通りらしい。舞台で見たら、きっとすごく幻想的なんだろうけど、映画では「ファントム、いったい何がしたいんじゃー!」と微妙に笑うシーンと化している気がしなくもない。まぁそれは置いといて、総じて、場の転換とか幕の切れ目も分かるし、オリジナルの舞台がどんなものか容易に想像がつく感じ。舞台版を見てない私でも、脳内上演ができそうだ。

じゃぁ生舞台見に行った方がいいんでないの?という声が聞こえてきそうだし、私もそれはあえて否定しないんだけど、わざわざ映画にしたからには、やっぱり映画ならではの良さがあって然るべきで。シャンデリアがスワロフスキーだとかいう即物的な話は脇にのけといて、とりあえずは360度縦横無尽のカメラワークか。目まぐるしく視点を変えるカメラワークの妙は、座席の位置によって見る方向が決まってしまう舞台では絶対に味わえないし、手の込んだセットや華やかな衣装にカメラが寄ってってくれるのも嬉しい。
小刻みなカメラワークで追っかけていくオペラ座の裏の部分のワサワサした感じや、いかにも世紀末の劇場らしい、いかがわしい雰囲気も良かったなー。劇場好きな私にとっては、実はあの豪華絢爛そのもののオペラ座のセットだけでも結構満足だったりして。基本的には、セットのモデルはオペラ・ガルニエらしいけど、全部が全部ガルニエってわけじゃないらしい。色々なんだかんだ+αして、不吉な予感を漂わせようと努めたということで、ゴシック・ホラーの舞台らしい怪しげな魅力に満ちたオペラ座になっている。確かにガルニエそのまんまじゃ、あまりにも小奇麗に過ぎるかもしれない。

やっぱり核心に至らないまま続く。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005年5月 9日 (月)

[映画]オペラ座の怪人①

ちょっと古いハコだったので音響がイマイチで残念だった。もちっと映画館を選ぶべきだったかも。まぁ大画面で見られただけ良かったけど。

最初にお断り。私は舞台の「オペラ座の怪人」は全く見たことございません。1年くらい前にGRの「The Phantom of the Opera: Level 1 (Oxford Bookworms Library)」を読んだけど、ストーリーは既に忘却の彼方へ。さらにここ数ヶ月は映画雑誌をチェックする暇も気力も無かったし、ネット上のレビューなども読まないようにしていたので、予備知識は限りなくゼロに近い状態での鑑賞となった。
(あ、字幕に関してはイロイロ噂を聞いていたので心の準備はできてたんだけど、例の「The Point Of No Return」の迷訳ではやっぱり椅子からずり落ちそうになった。あんたら、今から何始めるつもりだ。。。)

しょっぱな、あの超有名なパイプオルガンの「じゃーじゃじゃじゃじゃじゃーんじゃじゃじゃじゃじゃーん」という曲が流れるあたりで「うわー、こりゃミュージカルだわ」と度肝を抜かれる。当り前だー!と突っ込む人多数かもしれないけど、あまり深く考えずに一応「映画」を見に来たつもりだった私には、カウンターパンチみたいなものだった。だって、あの曲、どっからどう聴いても映画音楽じゃないし。もう、舞台の曲以外の何モノでもない。大仰でケレン味たっぷりで、それも今風ではなくて、1980年代の匂いプンプンの音楽。普通だったら、あの映像にあの音楽は絶対に付かない。ありえん。あの、廃墟のような1919年のオペラ座から栄華を誇った1870年代、華やかなりし頃のオペラ座へ、モノクロからカラーへ映像が変わっていくシーンは、最新のCG技術を駆使した洗練された映像美で本当に水際立った印象なのに、音楽が超コテコテのベタベタ、というミスマッチ。ただ、ミスマッチではあるんだけど、個人的には音楽に引っ張られたおかげで「あ、これはミュージカルなのね」と早々にチャンネルを切り替えられ、すんなり作品世界に入り込めたのはとても良かった。映画の場合、自然と表現がリアリズムを追求する方向に向かうと思うんだけど、下手するとミュージカル特有の非現実感との間で空中分解する危険性もあるから、バランスを取るという意味では、この音楽のベタベタ感は意外と効果的なのかも。っていうか、音楽の自己主張がメチャクチャ強いよね。。。

全然、核心に至ってないけど長くなりそうなので続く。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005年5月 8日 (日)

The Phantom of the Opera CD2種

「オペラ座の怪人」をGWに滑り込みで見て、結構、いやかなり気に入った。もう1回くらい映画館で見ても良いなぁという気持ちもあるんだけど、それもなかなか物理的に難しいので、心はすっかりDVDへ。発売日いつかな~、なんてウキウキしてたけど、ちょっと待て。なんか忘れてる。

そう。サントラ。私としたことが、今の今までサントラの存在に思い至らなかったのは全くもってどうかしてた。いつもだったら、映画館出るなりCD屋にダッシュするような類の映画なのに。不覚。やだなぁ、ボケたかなぁ。というわけでアマゾンさん、いつもいつもお世話になります。。。

B00065L706The Phantom of the Opera (2004 Movie Soundtrack) (Special Extended Edition Package) [COLLECTOR'S EDITION]
Andrew Lloyd Webber Simon Lee Alison Skilbeck Chris Overton
Sony 2004-11-23

by G-Tools

1枚モノの、いわゆる普通のサントラ(抜粋版)もあるようだけど、こちらは全楽曲と台詞や効果音入りの2枚組の長尺版。短いのと長いのと2種類ある場合、とりあえず長いヴァージョンに手が伸びるのは指輪ファンの悲しい性(さが)か。Special Extended Edition の文字が妙に目にマブシイ。狙ってんのか?もしかして…。

勢い余って、こちらもぽちっ。オリジナルのLondon(舞台)ヴァージョン。こちらもハイライト版があるけど、「迷ったら長い方を」という指輪の掟(呪い?)により、2枚組をチョイス。

B00004YTY2The Phantom of the Opera (Original 1986 London Cast)
Andrew Lloyd Webber Michael Reed David Firth John Savident
Polydor 2000-07-24

by G-Tools

サラ・ブライトマンのクリスティーヌが素晴らしいだろうことは聴く前から想像つくんだけど、四季も含め「オペラ座の怪人」の舞台を全く見てない私としては、この機会に是非原点を押さえなくては、という気分満々。

届いたら、「オペラ座の怪人」マラソン突入。

| | コメント (2) | トラックバック (1)