カテゴリー「Ewan Mcgregor」の27件の記事

2009年7月 4日 (土)

[映画]天使と悪魔

公式HP

ひたすらざっくりいきます。

相変わらずオリエンテーリングな映画だなー、と思いましたが、前作よりは面白く見られました。
っていうか、そもそも「ダ・ヴィンチ・コード」のことはもう何も覚えてなくて、しかも大して面白くなかった、とかそういう印象しか残ってないんで。。。

とりあえず、私はカメルレンゴ・ユアンを堪能しました。
いやー、冒頭でユアンが出てきた時は、正直「うわ、オッサンになったなー!」って思ってしまったんですが(すんません……)、なかなかどうして、腐っても童顔ですね。
無垢な感じとか、あの妙にホワホワしたしゃべり方とか、がっつりツボに入りましたー。
かわゆいです。
予告見た限りではどうかな?と思ってた聖職者役のいでたちも、思いもかけずバッチリはまってました。
ある部分、ジェダイっぽく見えたのは、まぁご愛嬌でしょうかね(坊主のくせに○○飛ばすし……)。

原作を読んだ方からは、カメルレンゴ的に惜しい!という声も聞くんですが、うーん、ここは一つ原作読んでみますか。。。

ところで、今回ますます、ラングドンの使えなさ加減に拍車がかかってませんかね。
ラテン語、イタリア語がダメってのは、あの手の学問をやる上では致命的ではないかと思うのですが。
これが007だったりすると、ラテン語を女性の物理学者に読んでもらうシーンなんかは、「こ、コイツ、たらし込みに入ってる…!(本当は読めるくせに!!!)」な感じになるんでありましょうけれど、ラングドンの場合、あ~、こりゃ本当に読めないんだな、、、な空気が漂うんですよね。。。
本当にハーヴァードの先生なんでしょうかね。
インディ・ジョーンズがプリンストン大の先生って方が、まだ納得できるような気がしてきます
(この比較もいかがなものかと思いますが)。


さて、原作、邦訳と原書、どっちを読んだもんか。洋書700頁はさすがにちょっとハードルが高い。。。

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2007年10月 1日 (月)

[映画]ミス・ポター

<ストーリー>
1902年、ロンドン。裕福な法廷弁護士の娘であるビアトリクス・ポター(ルネー・ゼルウィガー)は親がすすめる縁談を断り続け、32歳で独身。彼女には動物たちを題材とした絵本を出版するという夢があった。スケッチを持ち込んだ出版社の反応はいずれも芳しくなかったが、ある時、ウォーン兄弟の経営する出版社が出版を承諾してくれた。母親のお守りをしていた末っ子のノーマン(ユアン・マクレガー)が家業を手伝いたいと言い出したために、これ幸いとばかりにビアトリクスの絵本の仕事をあてがったのであった。そうした「事情」はあったものの、ノーマンはビアトリクスの生み出すピーター・ラビットの世界にすっかり魅了され、ビアトリクスの良き理解者として情熱をもって仕事にあたった。そして、出版された『ピーター・ラビットのおはなし』はベストセラーとなり、シリーズ化が決定する。
ビアトリクスは、自宅のクリスマスパーティにノーマンと姉ミリー(エミリー・ワトソン)を招待する。ビアトリクスの両親にとって、出版業を営むノーマンは「身分違い」であったが、パーティの夜、ダンスを踊るために手を取り合ったビアトリクスとノーマンは単なる仕事上のパートナー以上の感情を抱く。


ピーター・ラビットの原作者、ビアトリクス・ポターの伝記映画。多少の映画的脚色はある模様。

キャッチコピーが「ビアトリクス・ポターの恋と波乱に満ちた人生を描く」である割には、いわゆる映画的な派手さに欠けるような気がしないでもないが(でもこれはどちらかといえばキャッチコピーの問題)、「佳品」という言葉が良く似合う作品であった。
英国の田園風景はやはり格別。
ピーター・ラビットは、こういう風景の中から生まれたのね、と思わず納得させられる穏やかな美しさであった。
20世紀初頭における「女性作家の生き方」の描き方も、好感度が高い。
この辺は、ビアトリクスを演じたルネー・ゼルウィガーの功績が大きいと思うけれど。
いわゆるspinsterで、少女のまま大人になったようなところもあって、それでいて唯々諾々と親の言うことをきくような大人しい女性ではなくて自分のやりたいことがはっきりしている、というあたりの雰囲気が良く出ていた。
ゼルウィガーが英国女性らしいかと訊かれると、ちょっと違うような気がするんだけれど、生き生きしてて魅力的なのは確か。
嫌味が無くて良いですね。

さて、私はユアン目当てだったので、ユアン=ノーマンの感想。
見る前は、あの髭はどうもいただけない、なんて思ってたけれど、なんだ、しっかり可愛いじゃないか。
末っ子らしい甘ちゃんな雰囲気を若干感じさせつつ、ひたむき&前向きにお目目キラキラ、ビアトリクスに対しては「僕はあなたのファン第一号です!」といわんばかりで、まるでワンコみたいだし。
むー、反則だー(だむだむ)。
20世紀初頭という時代設定のせいもあるけれど、イイ大人のくせして恋愛に不器用でなおかつまっすぐな感じがまるで一昔前の少女マンガのようで良いではないか。
もうちょっと出ずっぱりだったら文句無しだったんだけどな。。。


こじんまりとしてるけれど、切なく、温かみのある映画で、私は好きです。
DVD早く出ないかな。

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2007年3月 1日 (木)

Favourite Beatrix Potter Tales

0723258856Favourite Beatrix Potter Tales (Miss Potter)
Beatrix Potter Renee Zellweger Emily Watson
Frederick Warne 2006-11-30

by G-Tools

諸般の事情により英語読書ができないので、せめて耳だけでも、と思い積んでたCDを引っ張り出してきた。
内容は以下の通り。

The Tale of Peter Rabbit (Renee Zellweger)
The Tale of jemima Puddle-Duck (Ewan Mcgregor)
The Tale of Two Bad Mice (Emily Watson)
The Tale of Mr.jeremy Fisher (Lloyd Owen)

カッコ内は朗読者で、いずれも映画「Miss Potter」の出演者。
BGMがなかなか可愛らしくて、ほのぼのした雰囲気のCDである。
一つ一つがそんなに長くないし、ナレーターが変わるからメリハリが付いて、飽きずに聴けて良いかもしれない。
どれも発音は明瞭で聴き易い、ハズ。
ハズ、というのは、意外と難しかったので。
Peter Rabbitの世界に馴染みが無いからかなぁ。。。

映画を見たら、聴き取れる情報量が増えるかも。
早く公開しないかな<Miss Potter

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2006年12月26日 (火)

Favourite Beatrix Potter Tales

ユアンとルネー・ゼルウィガーの共演作として、Miss Potterが公開間近。UKは1月5日。USは、12月29日:Exclusive、1月5日:Limited、1月12日:Nationwideと三段階になってる。こういう場合は、12月29日が先々行上映、1月5日が先行上映、1月12日が全国公開と言えば良いのかな。
それはそうと、日本はいつ?

ユアン、オビ髭は大変良かったけど、あの髭はどうなんでしょうねぇ。イマイチかわいくないっつーか…(まぁ、髭生やしてて、なおかつあれだけかわいくなっちゃうユアン=オビも変っちゃ変だけど)。見慣れればOKかしら。

0723258856Favourite Beatrix Potter Tales (Miss Potter)
Beatrix Potter Renee Zellweger Emily Watson
Frederick Warne 2006-11-30

by G-Tools

さて、出演者がビアトリクス・ポターのお話を読むという企画CDを発見し、ジャケがあまりにかわいいので即決ぽち。ピーターラビット、読んだことないんだけれど、テキスト無くても大丈夫かな?
ところで、ルネーさんは、どこのアクセントで朗読すんだろ。。。

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2006年7月 3日 (月)

[映画]STAY ステイ

stay: 滞在、残留、延期、停止、中止、支え、頼り、支柱

うーん、感想の書き難い映画だ。ネタバレせずにちゃんと書く自信が無いので、簡単に。粗筋書くのもちょっとどうよ、という映画なので、ホント簡単に。

良い映画だと思う。独特の世界が構築されている。

確かに、一見して分かり難い映画ではある。見てる間中、?だらけで、ひたすら幻惑的な映像に翻弄される感じ。何が現実で何が虚構なのか。そもそも、この映画の主体は一体誰なのか。もっとはっきり言えば、「誰の」物語なのか。
謎解きをしようとか伏線をチェックしようとか、いわゆる普通のミステリを見るつもりで見るとラスト、腹が立つかもしれない。

ちなみに、あの落とし方で、「そうだったんだ!」とストンと腑に落ちた方、どのくらいいますか。私は「もしかしてこうかな?」と思いつつ家に帰って、公式HPで答え合わせをしたんだけど。

答え合わせをして、その後内容を反芻、再構成して、、、とかなり後を引く映画ではあるのは確かである。
いまだに思うのは、「彼」は結局、「赦し」を得られたのだろうか?ということ。何ともいえない哀しさを覚える。


さて、俳優陣。主役3人がこれだけ粒揃いだと嬉しくなってしまう。
ナオミ・ワッツは、相変わらず、こういう粒の大きくないインディペンデント風の作品が似合う。彼女が出ると、途端にアート系映画に見えてくるような気がするほど。「私、女優なのよ」という(不必要な)オーラが出てないのが良いですね。
ライアン・ゴズリングも、危うい青年の役に非常に説得力があって、しかも、危うい中にもどこか共感を呼ぶものを感じさせる、とても繊細な演技だった。
ナオミ・ワッツもライアン・ゴズリングも、非常にデリケートで複雑な雰囲気をかもし出していて、それが不可思議な映像世界によく合っていたように思う。
一方、ユアンはというと、全然悪いわけではないけれど、もうちょっとインパクトが欲しかったかな、という気分が若干あったりする。まぁ、3人の中ではキャラクター的には一番普通な役ではあるし、物語の構成を考えれば(他の2人に対して)あれくらいの比重で良かったのかも、という気がしなくもないけれど。
それより、私は、ひたすらズボン丈が気になってたよ…。あれ、可愛いと思うけど、別にそこで可愛いくする必要無いから。


ところで、橋というのはやっぱり、「境界」の暗喩なんだろうか。

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2006年4月25日 (火)

Unexpected Dreams: Songs From the Stars

B000EHQ8ICUnexpected Dreams: Songs From the Stars
Various Artists
Rhino / Wea 2006-04-25

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1.Summertime -- Scarlett Johansson
2.Sweetest Gift -- Ewan McGregor
3.In My Daughter's Eyes -- Taraji P. Henson
4.My Heart Is So Full of You -- Jennifer Garner
5.To Make You Feel My Love -- Jeremy Irons
6.Goodnight My Angel -- John Stamos
7.Little Child -- Lucy Lawless
8.Wish Song -- Marissa Jaret Winokur
9.Greatest Discovery -- Eric McCormack
10.No One Is Alone -- Victor Garber
11.Night Shift -- Julia Louis-Dreyfus
12.Golden Slumbers -- Nia Vardalos
13.Lullaby in Ragtime -- John C. Reilly
14.Goodnight -- Teri Hatcher


ちゃんと発売日に着ましたよ。大人の為の子守歌(?)集。バックはロサンゼルス・フィルのメンバー。フルオケではなく、比較的シンプル。

さて、これを聞いて眠くなれるか否かという機能性は置いといて、やっぱり目玉はユアンのお歌(少なくとも私的には)。
というわけで、ユアンの「Sweetest Gift」。甘々ですな、これ。ユアンって普段喋る声と歌う声の印象が結構違うけれど、なんか歌声の方が圧倒的に良い声だなぁと思ったりして。なんか無茶苦茶SweetでLovelyなヒトみたいよ、ユアン(普段はそうではないと言いたいワケでは無いのだが、素ユアンと歌ユアンは別人格のような気がしてならない私)。

前後するけれど、トップバッターのスカーレット・ヨハンソンは、ハスキー・アンニュイ・セクシー路線で、すごく予想通りで笑ってしまった。なんかヘレン・メリルとか、白人系のジャズシンガーを彷彿とさせるような。お嬢さん、まだ21歳だよねぇ?

あとは「Golden Slumbers」は好きな曲なので、入っててちょっとビックリ&嬉しい。

これでヒュー・ジャックマンが入ってたりしたら言うこと無いんだけどなぁ、と無いものねだりをしつつ、何となくお休みなさいモードへ。。。

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2006年4月 9日 (日)

Unexpected Dreams: Songs From the Stars

B000EHQ8ICUnexpected Dreams: Songs From the Stars
Various Artists
Rhino / Wea 2006-04-25

by G-Tools

映画スターやTVスターが大人用の子守唄を歌うコンピレーションアルバム。ビッグネームは、ユアン、スカーレット・ヨハンソン、ジェレミー・アイアンズあたりかな?

そろそろ発売日が近付いてきたので、やっと密林で予約完了(別にヤル気が無いわけではなくて、あまり前に予約を入れてもその分早く到着するわけではない、という話があるので)。

久々にEwan君のお歌が聴けるかと思うと楽しみ。なお、ネット上にはサンプル音源も転がっているようだけれど、何となく自粛。CDをデッキに入れて、「どんな曲かな~」とワクワクドキドキ待つあの瞬間が良いのだ。

このCD、寝つきが非常に悪い私の救世主になってくれないものか…(多分無理。余計目が冴えるような気がする)。

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2006年2月 2日 (木)

ちょっとロンドン3日目 その3

結局、Tate Modernはどの地下鉄駅からも均等に遠く、Southwark駅とBlackfriars駅とどちらが最寄駅なのか微妙。とりあえず、南方のSouthwark駅は明らかに道がごちゃついてて不安だったこともあり、高校生の集団がゾロゾロと北に向かって歩いていくのに何となくくっついていってしまった。ちょっと考え無しか。それでも、建物の後ろ側(テムズ川側)に回ってMillennium Bridge(ミレニアム橋)を渡り、無事Blackfriars駅まで出られた。そこから地下鉄でPiccadilly Circusに移動して、Piccadilly Theatre(ピカデリー・シアター)へ。

Guysanddolls1
ここは夜のネオンが素敵。

受付で無事チケットを受け取った後は、いったん外に出た。前日のHer Majesty's theatreといい、ここといい、劇場内で何かをしようにもロビーはとにかく狭いし、飲み食いをするような場所も無い(休憩時間なんかはバーが利用できるのかな)。
近くのホテルの中のお店で軽く燃料補給をしてから、劇場に戻ってプログラムとか舞台写真集などを買ってみる。ファントムもそうだったけれど、プログラム(俳優プロフィールが中心)と舞台写真集が分冊で、どうせなら一冊にまとめて欲しいところ。ただ、舞台写真集は初日が開かないことには話にならない(写真が撮れない)だろうから仕方が無いんだろうけれど。
ぷらーっとしてたら、日本人の女性に声をかけられてしばし歓談タイムとなった。今回、孤独を感じるような長さの旅では全く無かったのだが、思わぬところでユアン談義ができて大変楽しく、開演に向けていやでもボルテージが上がる。彼女は複数回「Guys and Dolls」観劇予定だそうで(「レ・ミゼラブル」「Billy Elliot」も見たそうだ)、なんかすごく羨ましい。
場内は赤を基調にしており、いかにもミュージカルらしい華やぎのある劇場である。客席の雰囲気も、ファントムよりも良かった気がする。っていうか、ファントムは全体的にお客のマナーが悪かったんだよな。。。
席は一階席の後方でまずまずセンターに近く、角度的には問題無し。もう少し舞台に近ければなーとは思ったけれど、チケットを取れてこの場に来られただけでも良しとしなくては。

さて、いよいよGuys and Dolls開演。

舞台は1930~40年代ニューヨークの下町。サイコロ賭博師のネイサン・デトロイト(Douglas Hodge)は、凄腕の賭博師スカイ・マスターソン(Ewan Mcgregor)に「スカイは、次に出会った女性を自分に恋させることができるか」という賭をしかける。自信たっぷりのスカイだったが、ネイサンが指差した女性はサラ・ブラウン(Jenna Russell)、救世軍の堅物軍曹だった。

いやー、楽しかった!
ストーリーは4人の男女のラブコメでどうということもないんだけれど、コメディ色が強く、笑うシーンが多くてすごく楽しめた。時々笑いに、というか英語についていけなくてかなり切なかったけれど。

実をいえば、チケットを押さえてからずっと私の頭を離れなかったのは、ユアンがお休みをしやしないか、ということだった。何せ週に8公演だし、長丁場の終盤だから疲労もピークに達しているだろうし、冬場だから風邪とか喉まわりの不調なんかも心配だった。何しろ、私は今までに芝居やバレエで代役にあたったことが複数回あるし、例えば一ヶ月の公演であれば、楽日が近いと役者の喉が半潰れなんていうのはよくあること。なので、ある程度の覚悟はして行ったのだが、ロビーにはキャスト変更のお知らせもなくてまずは一安心、実際にユアンが舞台に登場した時には心底ホッとしたものである。ちなみに、このユアン初登場シーンでは、後方で「ひーっ」と盛大に息を呑んでるお姉さん方がいたけれど、まぁ気持ちは分からないではない。

なお、ここんとこオビ=ワンとLWRばかり見てたので、ヒゲの無いつるっとした顔のユアンはちょっと新鮮だった。あと、やっぱり舞台は重労働ということなのか、思ったよりもずっと細身に見えてそれもちょっと驚き。それにしても、出てきた瞬間に「ほわぁぁぁ…」とハートを飛ばす代わりに「あー、やっぱ猫背だよ…」などと思ってしまう私は本当にファンなのか。まぁそれでも、「こうして改めて見ると、すごく整った顔してるよなぁ」と感心したりもしたのだけれど。

ユアンのスカイ・マスターソンは映画版のマーロン・ブランドのそれとは全然違ってて、ちゃんとユアンなりのスカイになっていた。マーロン・ブランドのスカイはすごく斜に構えてて、ちょっとヤバ目な色気がたぷたぷしている感じだったけれど、ユアンの方はもう少し爽やかというか、危険度低めな感じというか。普段のやんちゃな可愛いさはやや控え目で、胡散くさ過ぎることのない適度な非堅気っぷりがなかなか良く、ハンサム度も割と高かった気がする。うーん、さすがにちょっと落ち着いたというか、大人になったのか?
ユアンは役によって結構声を変えるけれど、今回はやや低めに押さえたような感じで、なおかつニューヨーク訛りなので普段と雰囲気が全然違った。あえていえばベルベット・ゴールドマインのカートのような少しざらっとした声で、ちょっと悪い感じを出していた(んだと思う。喉の問題ではないと思うのだが)。
ユアンの歌は確かに線が細いといえば細いけれど、音程がびたーっと合っていたのには感心した。まぁ、LWRでギター片手にちょろっと歌っているのを見るだけでも、ものすごく音感があるということは分かるのだけれど。クリスチャンの時よりも低い方がよりしっかりしてたような気がするけれど、高い方もばっちりで、やっぱり伸びがある。スカイの最大の見せ場である「Luck Be A Lady」のラスト、キメの高音は「え、そこまで出るの?」って感じで、場内も相当盛り上がってた。
事前にユアンの出番が少ないということをきいていたのだが、確かに出ずっぱりという感じではなかった。まぁ、映画の通りといえば映画の通りだったので特に不満は無いのだけれど。

そういう意味では、このGuys and Dollsは「ハリウッドスター・ユアンの一人舞台」では全くなくて、主役はあくまでも4人。特にGuysよりもDollsの方が歌もダンスも見せ場が多くて、その分インパクトがあった。しかも、ネイサンが役作りなのか、常にトホホな雰囲気を漂わせており、その分Dollsのパワフルさが際立ったというか。
女性陣は、サラ・ブラウン役のJenna Russell、アデレイド役のJane Krakowski共々、抜群に歌が上手く、思わず「さすが本場…」と唸ってしまった。ビクともしない揺ぎ無い音程に、表情豊かで緩急自在な歌いっぷりで、音楽の彫が非常に深い。特にアデレードのナンバー(「Adelaide's Lament」だったかな)は、字余りというかメロディに対して歌詞がギュウギュウづめの難曲だけど、それを見事に歌いこなしていた。なおかつダンスシーンではコケティッシュな魅力も振りまきまくり、まさにエンターテイナーという感じ。いや、すごかったです。

個人的な印象としては、ユアンはやっぱり映画で一番輝く人だと思うのだが、このメンツに混じってさほど見劣りしないというのは本当に立派だと思う。それに、いわゆる舞台人のオーラとはちょっと違うけれど、やっぱりスターらしい華があって魅力的。何より、あれだけ歌って踊ってくれたら、ファンは文句無いでしょう。

宿に帰っても興奮冷めやらず、1回しか見られないことや次の日に帰らなくてはいけないのがなんとも悲しく、その晩は全然眠れなかったのであった。完全に帰国時鬱発症である。

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2006年1月18日 (水)

Long Way Round

0751536806Long Way Round
Ewan McGregor Charley Boorman
Time Warner Paperbacks 2005-05-16

by G-Tools

総語数108720、YL7
★★★★☆

俳優Ewan McgregorとCharley Boormanの、約三ヶ月半に渡るバイクによるユーラシア大陸横断旅行記。
2人はロンドンを出発後、ヨーロッパを抜けて、ウクライナ、ロシア、カザフスタン、モンゴルを横断し、マガダンから空路アンカレッジへ、そして最終目的地ニューヨークへとひた走る。

途中若干放り投げていたこともあり、4ヶ月以上かかって読了。

とりあえず、人死にが出なくて良かったね(というのは、当事者たちが一番強く感じたことだと思うけれど)。
いわゆる「セレブ」による旅行記や旅のドキュメンタリーというと、何か軽々しいものを想像してしまうけれど、これはなかなか凄い。もちろん、彼らが自分たちの旅を一つの「プロジェクト」(ビジネス)として成立させることができたのは彼らがセレブであるからで、それは非常に特権的なことではあるけれど、だからといって2人が楽をしているかといえば決してそうではない。タイトルどおり、様々な物事がスムーズに運ばず、物理的にも精神的にも、まさに「回り道」の連続なのである。

この旅の過酷さというのは、TVシリーズの方を見てもよく分かるし、映像でダイレクトに迫ってくるだけに非常にインパクトは大きい。ただ、TVはやはりTVなわけで、必要以上に深刻さを打ち出すことはせず、基本的には「心躍る大冒険」的な作りであるように思う。もちろんそれが嘘だとか、「やらせ」だとかいう気はさらさらなく、この旅が「未知の世界に飛び込む、エキサイティングなバイク旅」であるのは、間違いなく真実なんだと思う。ただ、真実というのは決して一つではないし、また、どんな事柄にも明と暗はあるわけで、TV版は「明」の側から旅を捉えて描いている、そういうことなんだと思う。もちろん、「暗」の部分が全く描かれていないわけではないけれど、バランスとしては完全にテレビ番組として「面白い」作りになっている。まぁ当たり前といえば当たり前なのだが。

では書籍版の方はどうなのかというと、TV版を単純に文字化したものではなくて、トーンがちょっと異なる。
形式としてはユアンとチャーリーが交互に一人称で語るスタイルで、従って、完全にユアン視点・チャーリー視点で旅が記述されている。一人称であるだけに、その時々の心情はかなり正直に書かれていて、2人ともしょっちゅうホームシックにかかるし、泣き言も多く、よく怒り、よく沈む。そう、本当によく落ち込むのだ。そういう意味では(バイクによってユーラシア大陸横断を達成した意義はさて置き)かなりアンチ・ヒロイズム的であるし、決してカッコ良くcoolな旅行記ではない。

つくづく、ユアンは俳優(というかスター)として、セルフ・イメージのコントロールにはかなり無頓着だと思うし(「敢えて」そうしているのかもしれないけれど)、俳優じゃなくても、普通もう少し見栄を張ろうとするものなんじゃないだろうか、と思ったりするのである。もちろん、「飾らない」ことは別に悪いことではないし、カッコ悪いことも平気で書き連ねる彼らの姿勢は潔いと思う。そして、彼らの正直さは個人的には大変好ましいと思うのだが、それでも、「おいおい、旅に出たいって言ったのはあなたでしょ~」と突っ込みたい瞬間も多々あったりするのである。ただ、「強い信念を貫き通して云々」なノリよりも、挫けて凹んで、「本当にこの旅には意味があるのか?」と逡巡しながらも、それでも前に進むという方がよっぽど説得力があるし、親近感も沸くというもの。普段のやんちゃなユアンとは違う、ぐるぐると思い悩む鬱々ユアンも新鮮で良い、というのはファンの贔屓目かな、とは思うけれど。

さーて、DVDのロング・バージョン字幕付きもしっかり見直さなくては。
DVD(UK版)については、こちら。
Long Way Round 新編集版(UK版)

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2005年12月 1日 (木)

[映画]スター・ウォーズ エピソード3 / シスの復讐 DVD

B0000AIRN3スター・ウォーズ エピソード3 / シスの復讐
ヘイデン・クリステンセン ジョージ・ルーカス ユアン・マクレガー
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2005-11-23

by G-Tools

ロンドン・レポートの途中だけど、ちょっと休憩(早くも息切れ。スタミナ無いもんで)。EP3のDVDを特典・コメンタリ含め、大体見終わったので、ひとまず雑感など。

本編。
画面がとことん明るい。全体的に色調がクリアで明るいし、何より光り物の主張がかなり強い。光り物の代表格のライトセーバーなんぞ、刃と刃を合わせた時の発光のド派手さといったら、このままホワイトアウトしたらどうしよう(しません)ってな光り方をしていたりする。
EP3は暗い、暗いといわれるけれど、私がいまいちそれに賛同し切れないのは、どう頑張っても陰陰滅滅という雰囲気を醸し出し得ない、あの綺羅綺羅しい映像のせいもあるんだよね(そういうところ、「ブレードランナー」なんかとは全然違うよな…)。良くも悪くもカリフォルニア産って感じである。まぁそれはそれで良いんだけど。

字幕は別物?ってくらい直っていた。「掃除が大変だ」「地の利」はじめ、誤訳というか変な訳も修正されていたし、全体的に自然な日本語になっている(エクスクラメーションマークがやたら多いような気はするのだが)。EP3も字幕改善運動とかあったのか、それともいよいよ20世紀Foxが心を入れ替えたのか分からないけれど、「やればできるじゃん」ってなものである。願わくは、劇場公開時にも頑張っていただきたいものである。

特典。
ムスタファーの師弟対決がらみのメイキングが充実しているのが非常に嬉しい。何しろ、あの死闘のシーンが無かったら、ここまでEP3に嵌ってなかったような気がするチャンバラ好きな私なので。しかし、つくづくユアンとヘイデンの立ち回りは立派なものである。ユアンは本当、EP1とは別人のようだし。動きのキレもさることながら、殺陣でそれぞれのキャラクターや精神状態、心情みたいなものがちゃんと表現されているっていうのもスゴイ(あのシーン見る度にオビに「あーもう、この分からず屋がー!」という吹き出しを付けたくなる私)。

Webドキュメンタリー、実は一つも見たことが無かったので(←やる気が無いのか、私は)、収録されてて良かった。
「偉大なるジェダイ・マスターへの道」はユアン尽くし。ユアンってかなりのワーカホリックなんだろうけど、皆さん褒め殺しか?ってくらい褒めている(何となくLotRのヴィゴ氏の褒められ方とかぶるような)。
ところで「ユアンはアレックのマネだけじゃなくて、新たな魅力を加えてくれた」とかいわれてたけど、新たな魅力って、生真面目なのに妙にボケてるところとか、やればできるのにいまいちピリッと見えないところとか、中間管理職的に不憫なところとか、謙虚なくせに微妙に態度がでかいところとか、素のユアン的可愛気がはみ出ているところとかですか?

ユアンといえば、特典映像全般に渡って割と満遍なく登場してて、ぼけっとしてるとついつい見逃すので油断大敵である。監督と話している後姿があまりにもふつーでスタッフかと思ったら声がユアンでビックリ、とか。

Webドキュメンタリーでは、「魅力の尽きない仕事 エピソード3の音楽」も良かった。ロンドン交響楽団の演奏シーンを見てしみじみと、「英雄たちの戦い」は合わせるのがすごく大変そうだなぁと半ば同情したりして。弦楽器はかなりご愁傷様って感じである。
それにしても、今回のサントラは出来が良い。ジョン・ウィリアムズって、割と職人芸的に100点満点中80点なスコアを書くというイメージがあったのだが(失礼だな。いや、「手堅い」という意味の褒め言葉でもあるんだけど)、今回はさすがに気合の入り方が違うというか、文字通り渾身のスコアである。マーラー的であり、時にストラヴィンスキーやベルリオーズを思わせるところもあったりして、少々混沌としててなおかつ格調が高い曲調は、貧しいと批判されがちなEP3のドラマ性を約3割はアップさせている(3割アップさせてアレかい!)。「まるでサイレント映画のように音楽で物語る」ともいわれていたけれど、元々ルーカスって台詞が無い方が演出が上手いと思わせる瞬間が結構あるのだが、でもそれって実はルーカスの演出の良し悪しではなくて、単に音楽に騙くらかされているだけなのでは?という考えが頭をよぎったりもするのである。まぁ、それだけジョン・ウィリアムズの音楽が雄弁で分かりやすいということです。

特典見てたらEP1やEP2も見たくなってしまったんだけれど、新三部作のボックスはいつになるんだろうか。六部作ボックスはできれば止めて欲しいなぁ。旧三部作ボックス持ってるし。

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