総語数160000語、YL8.7
★★★★☆
<ストーリー>
深夜のルーヴル美術館で、館長のソニエールが何者かに殺害され、異様な死体で発見された。ソニエールは死の直前不可解な暗号を残したため、フランス警察は、現在パリに滞在中のハーヴァード大学の象徴学の教授ロバート・ラングドンに協力を求める。現場には暗号解読官のソフィー・ヌヴーも姿を現すが…。
一ヵ月強かかって読了。
今日は映画版「ダ・ヴィンチ・コード」を見に行ったんだけど、本の最後の数十ページは映画館に行く電車の中で読んでて、非常にスリリングだった。内容が、ではなくて、果たして映画開始までに読み終わるのか?!というのがね。最終的には映画館のロビーで読了。やでやで。
さしあたり、舞台が大体馴染みのある場所なので懐かしかった。夜のサン・シュルピスとかも行ったなぁ、そういえば。ちなみに、ここはドラクロワの壁画があります。
内容は、普通に面白かった。エンターテイメントとしては優れものだし、とにかく読み易い。章の区切り方が細かくて、良いところで場面転換するので、ついつい先へ先へと読んでしまう感じである。
ただ、ある程度キリスト教、美術史、建築用語の知識が無いと専門用語で引っかかって辛いかもしれないとは思う。日本語で読まれた方は、その辺どうなんでしょ。
最初、衒学系ミステリかと思って、つい京極みたいなみっしりぎゅうぎゅうな薀蓄を想像してしまったけれど、ちょっと違った。アナグラムはじめ謎解きは別に難しくないし(っていうか、ラングドン、早く気付けよ!みたいな…)、煙に巻かれるようなことも無いし。カテゴリ的には、サスペンスなのかな?何となくオリエンテーリングを思わせるし、ミステリというよりもむしろインディ・ジョーンズか。
ラングドンは抜けてるというか、人が良くて愛すべきキャラクターではあるけれど、ハーヴァードの教授っていうのはもうちょっとCleverではないのかしらん、と思わないではない。それとも、トム・ハンクスで想像するのがマズイのだろうか。
色々てんこ盛りな本作だけど、これで何かを「お勉強」しようというのはちとマズイような気がする(トンデモ本というと語弊があるけど)。ただ、興味の取っ掛かりとしては悪くないだろうし、フィクションとして割り切れば別に問題は無い。どこからどこまでがフィクションなのかというのを吟味するのも、それはそれで楽しいかもしれない。
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