カテゴリー「Pianist: David Fray」の2件の記事

2011年11月21日 (月)

David Fray 予習

ダヴィッド君のコンサート(リサイタルとパリ管公演)が近づいてきたので、ちまちま予習をしています。

リサイタルのプログラムは、モーツァルトとベートーヴェンのみで、私は普段、モーツァルトもベートーヴェンも一部の例外を除いてあまり聴かないので、これはもうしっかり予習せねば、、、と。

彩のくにさいたま芸術劇場 ピアノ・エトワール・シリーズ Vol.16
ダヴィッド・フレイ

<プログラム>
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第8番 ニ長調 KV 311
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第15番 ニ長調 作品28 「田園」
モーツァルト:幻想曲 ハ短調 KV 475
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第21番 ハ長調 作品53「ヴァルトシュタイン」

どーでしょう、この色気の無さは。
若いんだし、もうちょっとこう、華やかなものを、そうじゃなければ、せめてバッハかシューベルトあたりを弾いて欲しいなぁ、なんて思うんですが、本人の意向を尊重するとこうなる、ということらしい。
まぁなんというか、媚びないというか、若いのにしっかりしてる、ということなんだと思いますが。
方々でイケメンピアニスト、イケメンピアニストって書かれてますけれど(カジモトさんは「ピアノの貴公子」ってキャッチつけてたかな……)、あまり見てくれに惑わされない方が良いというか、かなり「見かけによらない」人なんじゃないかなぁ、と思ったりして。
まぁ実際聴いてみないと、何ともいえない部分もありますケド。


リサイタルについて、ダヴィッド君インタビュー。


そんなわけで、予習。

B0000CNTLWComplete Piano Sonatas: Fantasies & Rondos
Wolfgang Amadeus Mozart
RCA 2003-11-25

by G-Tools

モーツァルトのソナタと幻想曲はアリシア・デ・ラローチャで。
文字通り、珠を転がすような、絶品モーツァルト。


B0027DQHB4Live in Paris [DVD] [Import]
Beethoven Vardapet Chopin Bach Sokolov
Ideale Audience Intl 2010-06-01

by G-Tools

ベートーヴェンのソナタ「田園」はグリゴリー・ソコロフで。


B000ICM0YYBeethoven Sonatas
Ludwig van Beethoven
Deutsche Grammophon 2006-11-14

by G-Tools

エミール・ギレリスのソナタ集も。
「ワルトシュタイン」はこちらで。


「田園」は、緩やかな楽章はシューベルトの音楽のようだ、とDavid君も上の動画で言ってますけど、ふんふんなるほど、確かにシューベルトだ。
シューベルトも得意とするダヴィッド君がどんな風に弾くか、とても楽しみです。


ついでに、パリ管とやるラヴェルのピアノ協奏曲も。

ダヴィッド君、ラヴェルP協について語る。

サロネン&パリ管との共演は、つい最近、arteで配信していたものを視聴しました。
この時もラヴェルのピアノ協奏曲でしたが、パーヴォとやったらまた違うんだろうな。

東京は11月27日(日)ですが、京都は一足早くて11月23日(水・祝)ですよね。
行かれる方、ご感想お教え下さい~。


さて、予習ディスクとしては。

B00006BGSMラヴェル:ピアノ協奏曲
ブーレーズ(ピエール)
ユニバーサル ミュージック クラシック 2002-09-25

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まぁやっぱりこれになるかと。


ダヴィッド君、鹿児島でのリサイタルも素晴らしかったようですし、週末がとても楽しみです。

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2011年10月19日 (水)

ただ今、秋のDavid Fray祭り開催中

で、ダヴィッド・フレイでございます。

そもそもは、お髭さんファンの友達と、そういえば、パーヴォ・ヤルヴィが今年のパリ管来日公演で連れてくるピアニストはダヴィッド・フレイって若手だね、聴いたことないけどどんなもんかな、などと話していたのがことの起こりでした。
チラシを見る限りお顔だちは割と整っていて、十分イケメン・ピアニスト・カテゴリだろうけれど、腕前は一体どんなもんかね、と疑いの気持ちが無きにしもあらず。
まぁヤルヴィが連れてくるくらいだから悪くはないだろう(ヤルヴィのソリストの趣味は信頼している)とは思ったのですが、とりあえずそのまま放置。

実はアンデルシェフスキ・ファンには(というかピアノファンには、といった方が良いかも)おなじみのブルーノ・モンサンジョン氏がこの人のドキュメンタリーを撮っていて、DVDにもなっているのですが、そのジャケ写がまた盛大にビジュアル系な感じでして、私はかなり引いてしまったのですよね……。
これは、顔だけ良くて腕がイマイチ、という最悪のパターンではなかろうかと。

だって、全然ピアノが上手そうに見えないじゃないですか、このジャケ写(暴言)。

B001HKM8HASwing Sing & Think [DVD] [Import]
Fray Deutsche Kammerphilharmon
東芝EMI株式会社 2008-10-14

by G-Tools

よしんば、それなりに弾けたとしても、なんだか中身が無さそうに見える(大暴言)。

むー、どうにも食指がそそられない……。
(いや、もちろん私だって見目の良いピアニストは大好きですが、それは上手いのが大大大前提なんですよ)

そんなわけで、今年のヤルヴィ&パリ管、行くとしたら諏訪内さんでもダン・タイ・ソンでもなくフレイかな、と思いつつも、チケットが高いこともあってすっかり忘れていたのでした。

ところが、8月にたまたまネットラジオでフレイ君&サロネンのモーツァルトのピアコン20番を聴く機会がありまして、これが予想以上に良かったのです。
素晴らしく元気が良くて溌剌としてて、ものすごい勢いで風のように駆け抜けていて、20番だというのに思わず笑ってしまったのでした。
メカニックについては全く問題無し。
モツコンで問題無しということは、とりあえずは上手い、と思ってしまって良いと思うのですよね。
そして、このエンジン全開な疾走感は、ちょっとアンデルさんを彷彿させるなぁと。←個人的にポイント超高し。
うーむ、もしかしたらすんげー面白いタイプかもしれない、、、と思い、ここでパリ管のチケットをぽちり。
曲目がラヴェルのピアノ協奏曲だったのも、興味を惹かれたところでした。
まぁ、浅はかにフランス人だからフランスものを聴きたいって思っただけなんですが(後からよく見たら、レパートリーはバッハだのベートーヴェンだのシューベルトが多かった)。

その後、Twitterでロマノフスキーファンにしてアンデルさんファンでもある方が紹介されていたバッハの動画に、完膚なまでにトドメを刺されてしまいました(これが例のジャケ写がいまいちなモンサンジョン作品のプロモ映像だったのですが)。

これ、ダヴィッド君がピアノ弾き出して、ものの30秒で陥落してしまったんですよね。
というか、実際は弾き出した瞬間にもう、うわ~~~っと悶絶したくらい、一目惚れならぬ一聴惚れでした。

……そりゃそうだよねぇ、モンサンジョンがわざわざドキュメンタリー撮るくらいだもの、ただのイケメンピアニストであるはずがなかったのですよね。
はぁぁぁ、色々反省。

特に、長調のバッハが素晴らしいです。
明るさと輝き、生彩に富んで幸福感に満ちたバッハ。
抜けるような青空を見上げて切なくなるような、泣き笑いになってしまうような、胸がきゅんきゅんしてしまうバッハ。
そして、「J.S. Bach - Swing, Sing and Think」というDVDタイトルの通り、心がうきうきと湧き立つような歌心とスウィングにあふれていて、それでいて知性の煌めきや、地に足のついた思索のあともしっかり感じさせる音楽なのですね。

そもそも、フランス人の若造(この時は27,8歳?)が、ドイツのオケ相手にバッハを弾き振りするというのは、おそらくは、生半可な勉強では上手くいきっこないことなんですよね。
オケの面々、最初はいかにもお手並み拝見って思ってるのが透けて見えるようで、ちょっと揶揄するような、もしくは「ふん」っていう表情を見せていたりするし。
そこをDavid君が、一生懸命コンセプトを説明したり、旋律を歌ったり(どうでもいいですが、これがまた音痴なんですわ……)、あの手この手でオケを動かそうとするのですが、そのひたむきさや、段々オケが動かされて音楽ができあがっていく様子が、意外なほどこちらの心を揺さぶります。
弾き振りの場合、ソロ部分だけじゃなくてオケパートも勉強して、自分のトータルなビジョンをオケの人々に納得させるわけだから、いやはや本当に大仕事だわな、と頭が下がってしまいました。

あ、ちなみに、動いてるダヴィッド君は、ジャケ写のようなホスト系イケメンではなくて、もっとキュートで、ナチュラルに知的な、可愛げのある好青年でございますよ。

ここで、埼玉彩の国のリサイタルのチケットもぽちり。
これ↓
ピアノ・エトワール・シリーズ Vol.16 ダヴィッド・フレイ

今回はモーツァルトとベートーヴェン。
もうちょっと派手なプログラムの方がチケットははけるとは思うけれど、ここで下手にショパンやリストなんかを弾かれてもねぇ、、、とも思うし、まぁ難しいところかも。
アンコールでバッハ弾いてくれないかな……(ボソ)。

ヴィルトゥオーソ的な意味でどのくらい弾けるかっていうのはよく分からないんですけど、アンドラーシュ・シフとかデイム・ミツコとか、それこそアンデルさんみたいな、テクニックをひけらかすよりも確固とした音楽性で勝負ってタイプではないかなーと予想しています。
誰かさんみたく根の暗い深堀りタイプではないと思いますが、陽性の拘り屋さんという感じで、本当に期待大です。

しばらくは、ダヴィッドダヴィッドとうるさいと思いますが、あしからずご了承ください。

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